落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

「北朝鮮」という暴力団

2006年04月13日 | 政治・外交
産経抄 2006/04/13 より
 極悪非道のマフィアといえば麻薬、偽札、誘拐の三点セットと決まっている。シチリアのマフィアは、イタリアの独裁者ムソリーニに追い立てられて米国に渡った。以来、米司法当局はこの増殖したマフィアとの戦いに明け暮れる。
 ▼北朝鮮の主力産業も麻薬、偽札、拉致だから、こちらは「マフィア国家」と命名して何の不都合もない。米政府は昨年秋、ついに偽札づくりの証拠をつかみ、マカオの銀行に制裁を発動した。そのマフィア国家の幹部が、東京で開催の国際会議に参加した。
 ▼ここで北の幹部が、「制裁を解除しなければ六カ国協議に参加しない」などとうそぶいた。米国のヒル国務次官補は「ヘッ」と無視した。当然だ。マフィアが組織犯罪の取り締まり側に公然と取引を持ちかけたのだ。「逮捕しないだけありがたく思え」と、米国に代わって小欄がいう。
 ▼ヒル次官補はもっと品よく、凍結された北朝鮮口座は二十三億七千万円だと暴露した。北の財布は政府、軍、金正日一族の三つに分かれ、一族の財布が一番大きいらしい。マカオの口座はこの一族の分だった。ここから盆暮れの“もち代”が高官に配られる。カネの切れ目が縁の切れ目だから金総書記は焦った。
 ▼凶悪犯罪の「拉致」でも、日本政府は北に観念しろと迫った。横田めぐみさんの結婚相手が、DNA鑑定で韓国の拉致被害者、金英男さんだったことを突き止めたのだ。北朝鮮生まれの工作員だとウソをついた北も困ったが、彼らに甘い韓国はもっと困った。
 ▼韓国には四百八十六人の被害者がいる。融和路線の盧武鉉政権は北に配慮はしても自国の拉致被害者には目をつむってきた。日韓の国民が共闘すれば、盧政権も対北包囲に引き込まれよう。

 「聯合」によると、北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官は13日、出国前に宿泊先のホテルで記者会見を開き、6カ国協議の再開問題について「遅延しても悪くない。その間にわれわれは多くの抑制力を持つことになる」と言ったそうだ。核兵器増強を進めるとの恫喝だ。
 虎(中共)の威を借りているつもりなのかも知れない。