落葉松亭日記

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米がデフォルト?

2013年10月08日 | 政治・外交
国が債務不履行(デフォルト)を起こすとはどういうことなのか。
アルゼンチン、アイスランド、近年ではギリシャが。
そして世界の経済をリードする米がデフォルトするのではないかと懸念されている。
若いころ家業にたずさわっていた頃、何年かに一度くらいは得意先の倒産・貸し倒れにあったことがある。
それが国レベルで起きるのだからと想像する。実際、米では不要不急の政府機関の閉鎖が始まっているらしい。
米政府機関閉鎖と債務上限問題、今週が正念場に2013年 10月 8日 00:52 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE99607L20131007?sp=true

[ワシントン 7日 ロイター] - 米政府機関の一部閉鎖は今週で2週目に入るが、今のところ事態打開のメドは立っていない。加えて、米議会が17日までに債務上限引き上げで合意できなければ、デフォルト(債務不履行)に直面するというさらに深刻な問題も抱えている。与野党の交渉は、今週が正念場となる。
債務上限問題をめぐって与野党が鋭く対立した2011年8月には、11時間に及ぶ協議の末、債務上限引き上げで合意が成立した。今回のケースでも、同様に土壇場で合意する可能性はなお残されている。
6日のテレビ番組では、政府機関閉鎖や債務上限での合意を示唆する発言は与野党どちらからも聞かれず、双方とも非難合戦に終始した。
共和党のベイナー下院議長は、ABCの番組「ディス・ウィーク」に出演。「私は大統領と協議する用意がある」が、オバマ大統領が「交渉を拒否していることで、我が国が危険にさらされている」と述べた。
ルー財務長官はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「議会は火遊びをしている」と非難。政府機関再開や債務上限引き上げという義務を議会が果たすまでは、オバマ大統領は交渉しないと主張した。

米国債の最大の保有国である中国は、米国に対し、債務危機が起きないよう断固とした措置を取り、中国の対米投資の安全性を確実なものにするよう求めた。
中国財政省の朱光耀次官は、「財政の崖についての中国の懸念を米国は完全に把握している」と述べた。17日の米債務上限引き上げ協議の期限について中国政府として公式な見解が示されたのは初めて。
同次官は2011年に格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が米国の信用格付けを引き下げたことに触れ、「米国が歴史の教訓を十分理解しているとわれわれは期待する」と述べた。
中国は7月時点で1兆2770億ドル相当の米財務省証券を保有している。

ドイツ銀行のアナリストらは、米国のデフォルトの可能性について最も懸念すべきなのは誰かということに関し、「上位の米国債保有者を見ると、米社会保障制度の被保険者が最も懸念すべきで、それに次ぐのが米連邦準備理事会(FRB)と中国だ」と説明。
「理論的には、社会保障受益者は議会に圧力をかけ、米国債での損失を穴埋めする他の資金を引き出すことが可能だ。FRBは損失を埋めるために紙幣の増発ができる。つまり、中国が窮地に追い込まれるということだ」と指摘した。
民主党のシューマー上院議員(ニューヨーク州)はCNNの「ニュー・デイ」に対し、連邦債務上限の引き上げ期限が近づくにつれベイナー下院議長は動かざるを得なくなると指摘。
米国がデフォルトを起こせば「景気後退、もしくは恐慌、さらにそれより悪い状況」に陥る恐れがある」とし、上限を引き上げないことは「あまりにも危険過ぎる」と警告した。
下院では当初、予算と債務上限とを別問題として扱っていたが、次第に統合されるようになった。下院の保守系共和党議員は、予算案可決の条件として、医療保険改革法(オバマケア)の修正を要求。保守系議員の多くは、債務上限引き上げにも同様の条件をつけようとしている。
しかし共和党のベイナー下院議長が6日のテレビ出演で、債務上限引き上げに向けた要求を列挙した際、オバマケアへの言及はなかった。
民主党のリード上院院内総務は、債務上限引き上げに向けて、付帯条件のつかない「クリーンな」法案の正式な審議開始を目指すかどうか、近く決定を下す見通し。手続き上のハードルを克服するためには、46人の共和党議員のうちの少なくとも6人が賛成に回る必要がある。
たとえ上院で可決したとしても、共和党の一部が強硬姿勢を崩さない下院が立ちはだかる。下院民主党議員200人のほぼ全員と、232人の共和党議員の約20人が賛成すれば、法案は通過する。ただそうすれば、ベイナー下院議長は、共和党の過半数が支持する法案でなければ下院での採決を行わないという「非公式の」ルールを破ることになる。
双方が歩み寄り拒むなかで、法案を通すには、与野党の両方が勝利を宣言できるような多面的なアプローチが必要になると見られている。
民主党上院議員の側近によると、債務上限引き上げは、社会保障費とメディケア(高齢者向け公的医療保険制度)費用の長期的な削減に向けた新たな税制改革案と一体化される可能性がある。
一方、共和党議員らからは、交渉の時間を稼ぐために、とりあえず期間を短期に限定して債務上限を引き上げるなどの案も出されている。
ただ、国家経済会議(NEC)のスパーリング委員長はこの日、オバマ大統領はデフォルトの脅しを受けながら議会共和党と交渉することはないとし、債務上限の引き上げは議会の対応次第との認識をあらためて示した。
米議会で財政協議をめぐる与野党の対立の解消の兆しが見えないなか、7日の欧州株式市場で株価は下落。米株式市場でも、寄付き直後にダウ30種.DJIが前営業日比1%安となるなど影響が広がっている。

米の衰退が明らかになってきた。
国防予算の削減が日本をはじめとする同盟国の安全保障にも影響する。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成25(2013)年10月8日(火曜日)通巻第4039号   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ http://melma.com/backnumber_45206/
 オバマ大統領のアセアン首脳会議、亜細亜サミット欠席の意味
  これで米国の衰退が歴然となれば、誰が一番得をするか?


 日本の報道によれば、オバマ大統領のアジア歴訪キャンセルでTPPの年内妥協が難しくなり、この間隙を縫って習近平がTPPつぶしに動いているという。
TPPは中国を加盟させて、事実上の解体に至れば、日本の国益に繋がるので、或いはベストの状況ではないのか?

 さるにてもオバマ大統領が土壇場でインドネシアのアセアン首脳会議とブルネイのアジアサミット欠席にいたったのは、連邦議会の予算審議の乱戦、一部政府機能が停止され、米国は大混乱に陥没した。次に予測されるのは17日の赤字国債上限枠拡大が否決された場合である。
 米国はデフォルトにいたり、つまり世界最強国家の財政が破綻する。

 米国債1兆2000億ドル強の中国と1兆1354億ドルを保有する日本が、最悪の被害を被ることになるが、市場は「そんなことあり得ない」と楽観的である。
もちろんオバマ政権下、米国のデフォルトはあり得ないだろう。世界金融が大打撃を受け、システムが混乱するばかりか、通貨投機からゴールドなどへ換物投機、さらには原油、ダイヤなど商品投機へといたり、世界は高金利、インフレに襲われるのだから。
 それでもなお、連邦議会共和党がオバマ予算を連続的に拒否している理由は、オバマの提案内容が出鱈目、かつ高圧的で、オバマケアをなんとしても議会を通過させ、他の予算を削減してもやむなし、とりわけ国防予算は目も当てられない惨状に陥る。
米国ばかりか同盟国の安全保障は近未来に確実に危殆に瀕することになるが、オバマは気にしている様子ではない。
 いずれにしても米国の衰退は明瞭であり、日本は防衛に関していよいよ正念場を迎えることになるだろう。

参考
国債デフォルト宣言をした後はどうなる?
http://okwave.jp/qa/q4767209.html