落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

田母神応援団

2014年01月11日 | 政治・外交
都知事選が盛り上がってきている。
民主党は、細川氏出馬で桝添氏から「脱原発」細川氏に乗り換えムード。
一方田母神氏は、「東京は30年以内に70%の確立で地震に見舞われる、私以外に東京を救える人はいない」と出馬の決意をした。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第135号(1月11日)
http://melma.com/backnumber_190875/

田母神元空幕長、出馬
 元航空幕僚長で「頑張れ日本!全国行動委員会」会長、田母神俊雄氏(六五)が東京都知事選に無所属で立候補することを宣言した。
七日、衆議院第一議員会館で開かれた記者会見には石原慎太郎元東京都知事、音楽家のすぎやまこういち氏、中山成彬衆議院議員、西村眞悟衆議院議員、三宅博衆議院議員、小林正元参議院議員らが駆けつけ賛同を表明した。

 田母神氏は「いま取り沙汰されている都知事選候補のうち、実務経験があるのは私しかいない」と強調、「三十年以内に七十パーセントの確率で首都直下型地震が起こるという科学的な報告が出ている。被害額は百十二兆円、死者は二万三千人以上と予想される。一刻も早く大地震、大災害に耐えられる安全、安心の町東京を実現しなければ大変なことになる。」
「私以外に東京を救える人がいない以上、私が出るしかない」と出馬の決意に至った経緯を説明した。

石原氏は「田母神さんと私はいわば師弟関係、田母神さんが先生で私が生徒、防衛の最前線で実務をこなしてきた田母神さんにいろいろ教えてもらった。」と両者の関係を説明。
「日本は戦後、防衛をなおざりにしてきた。一九七〇年代に当時のソ連の最新鋭戦闘機ミグ25が突然、北海道に飛来し函館空港に強行着陸したとき、日本政府は、どう対処していいか分からずただオタオタするばかりだった。自衛隊の指揮官だけが冷静に状況を判断し、ソ連の特殊部隊がミグ25を奪還する状況に備えて実弾を装着した武器で警備した。事実、特殊部隊を乗せていると思われるソ連軍の輸送機が領空侵犯し、日本の警備を見て引き返した。これは、国防総省でも報告されていることだが、日本の官僚たちは、この状況に関する資料を一切廃棄させてしまった。そればかりか、状況が無事終了したのち、この指揮官を過剰な警備をしたと言いがかりをつけて処分した。」

「また金丸信とかいう金権政治家が防衛大臣【当時は国務大臣・防衛庁長官】だったとき、当時、自衛隊制服のトップだった栗栖統合幕僚会議議長が、『有事法制が不備な現行法制度下では、自衛隊は有事になったら、超法規的に行動しなければ国を守れない』と有事法制の必要性を主張した。ところが、金丸氏はこれをクーデター発言だとか言って、栗栖氏を更迭してしまった。こうした自衛官の勇気ある言動を否定し続けたのは全部自民党政権だ」と戦後の風潮を批判した。

田母神は死せず
 いうまでもなく田母神氏は航空幕僚長だった二〇〇八年に「真の近現代史観」の懸賞論文に応募し、最優秀賞を受賞した。論文は、歴史学の最新研究を駆使して「大東亜戦争が日本の侵略戦争ではない」ことを立証した内容だった。
 ところが、当時の自民党の麻生政権は「政府の見解に合わない」として田母神氏を更迭した。自民党は、保守主義の政党の顔をしながら、実際には防衛にも日本の歴史や文化を保守することにも無関心な政党だった。
 田母神氏が会長を務める「頑張れ日本!全国行動委員会」は二〇一〇年に、田母神氏の勇気ある言動に共鳴した国民有志が集まって設立された政治団体である。現在、会員数八千人の全国組織だが協賛会員から月額五百を徴収して賄われているボランティア団体だ。
 会員は、文字通り手弁当で活動しているが、その活動は多彩で朝日新聞の反日報道批判デモやフジテレビの韓流ドラマ批判デモで一般国民の共感を集めたが、昨年秋の安倍政権成立に際しては、自民党総裁選の段階で安倍支持を打ち出し、安倍総裁誕生、そして続く衆議院総選挙では安倍政権誕生の原動力となった。

水島社長、辞任、選挙に専念
 つまり自民党だからいけないとか、左翼だからいけないというのではなく、あくまで是是非非を貫く国民団体である。その幹事長を務める水島総(さとる)氏は、猪瀬氏が東京都知事辞任を表明した直後の昨年十二月二三日(天皇誕生日)の同委員会の大忘年会の席で密かに田母神会長に都知事選出馬を要請した。
 年の暮れも押し迫った一二月三十日の幹部会で田母神会長は出馬の意向を固め、年の明けた一月五日の石原慎太郎氏との秘密会談で決断した。水島幹事長はチャンネル桜の社長を務めるが、選挙活動に専念するため、七日の記者会見でチャンネル桜の社長を辞任すると表明した。

美人報道官鮮烈デビュー
 記者会見で司会を務めた葛城奈海(かつらぎなみ)広報担当は東大卒、合気道五段、予備自衛官も務める才色兼備、文武両道の女性である。並み居る報道陣をさばいた広報手腕は関係者を感嘆させた。
 米国政府や中国政府の女性報道官は有名だが、彼女たちにも引けを取らない報道官ぶりが今後も期待される。

動乱・乱世の幕開けか?
 安倍総理が七日、都内で開かれた某新年会で、都知事選候補の条件として「五輪に向けて東京を引っ張っていただけ、行政能力があり首都直下型地震で司令塔を果たせる人」と述べたという。
 今、都知事選候補にはいろいろな人の名前が挙がっているが、誰が見たって、この条件に符合するのは田母神俊雄・元航空幕僚長しかいないだろう。行政実務経験者は田母神氏だけだし、司令塔の役割を知悉しているのも氏の右に出る者はいない。
 田母神氏は安倍総理とは旧知の中で、航空幕僚長辞任後、田母神氏を激励する趣旨の会合で安倍氏は三島由紀夫の辞世の歌を諳んじて見せた。当時、安倍氏も総理を急病で辞任し、いわば浪人の身であったが、更迭された自衛官の会合に参加し、自衛隊に「憲法に体をぶつけて死ぬ奴はいないのか」と叫んで腹を切った三島由紀夫の辞世を諳んじて見せるというのは余程の思い入れがなければ出来ない。
 田母神氏は、年末に安倍総理に出馬の意向を伝えていたとも言われるから、安倍総理が密かに意中の人として田母神氏を意識して新年会で発言したと見て間違いあるまい。そうならば、安倍総理は自民党総裁であるから、自民党が田母神氏を推薦するように働き掛けられる筈だが、そう簡単に行かないのが世の辛さであろう。

 言うまでもなく、田母神氏は自民党麻生政権時に更迭された。その麻生氏は現内閣の副総理兼財務大臣だ。また、自民党の現幹事長は石破茂氏だが、石破氏は田母神氏と雑誌上で政策論争を展開した経緯があり、その結果、石破氏が保守派から批判を受けたという事情もある。
 内閣、与党の重鎮がいずれも田母神氏に好感を抱いていないという背景では、安倍総理も独断で田母神支持を打ち出すわけには、いかないのだろう。
 だが、下剋上は乱世・動乱の始まりである。国民の意思を汲み、上司の意図を体して人事を行わなければ、乱世の幕開けとなることは歴史の教えるところであろう。
(本文は桜新聞、号外1月9日発行に掲載された。)

都知事選 「脱原発」だけに流れるな 2014.1.11 03:06 [主張]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140111/lcl14011103070000-n1.htm

 「首都の顔」選びが俄然(がぜん)、大きな注目を集めはじめた。舛添要一元厚生労働相らに続き、細川護煕元首相が2月の東京都知事選への出馬を決意したためだ。
 細川氏は「脱原発」に強い関心を持ち、「原発即ゼロ」を唱える小泉純一郎元首相に協力を求めるという。細川氏への支援が広がれば、「舛添氏優勢」とみられていた選挙の構図が一変する可能性もある。
 だが、東京五輪の招致が決まりながら、猪瀬直樹前知事が金銭問題で辞職する異常事態を受けて、今回の知事選が行われることを忘れてはならない。

 6年後の五輪開催へ山積する課題を解決し、巨大組織を動かす力が新知事には求められる。首都直下地震に備える防災都市づくりも急がれる。候補者らは、都民の安全と首都の将来を着実に描くための政策論争を展開してほしい。

 候補者調整で、自民、民主両党は、ともに自前の候補を立てられなかった。自民党には同党を離党した舛添氏への反発も根強かったが、都議団が舛添氏と政策を含めた協議を行い、支援を決めた。
 不可解なのは、舛添氏支援でまとまるかと思われた民主党が急遽(きゅうきょ)、細川氏に乗り換えようとしていることだ。共産、社民が推す元日弁連会長の宇都宮健児氏も「原発のない社会」を掲げている。「脱原発」ムードの中で戦いを優位に進めたいのだろうか。

 安倍晋三政権は原発輸出を推進しているが、先の民主党政権も、ベトナムに日本製原発の建設を進める政策をとった。原発技術を維持し、国際社会の期待と信頼に応えるとの考えだったはずだ。こうした点で、民主党は細川氏と意見の一致を見られるのか。
 そもそも、電力の大消費地である東京にとって、原発エネルギーは、死活的に重要だ。それは、都民の生活や経済活動を支える電力を、いかに安定供給していくかという現実的な政策としての議論でなければならない。
 小泉氏の動向は読み切れないが、首都が「脱原発」を掲げれば原発再稼働を困難とし、経済成長の足を引っ張る重大な影響が生じることを考えてもらいたい。
 細川氏は民間企業からの借金が原因で退陣した。20年が経過したとはいえ、猪瀬氏の後任になろうとする選挙で、まず自らの金銭問題を説明すべきではないか。

田母神俊雄以外は、都知事選挙ではなく痴呆選挙をしようとしている No.931 平成26年 1月10日(金)
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?mode=Printview&page=931

 昨日、「首都東京から『脱戦後』へ」を書いて送信した。
 即ち、その要点は、次の通り、今の我が国の喫緊の課題が「戦後体制からの脱却」であり「日本を取り戻す」ことだとするならば、本年二月に於けるその具体的実践とは何か?
 それは田母神俊雄を都知事にすることだ!

 しかるに、本日の新聞やTVが都知事選挙について報道するところは、おおよそ次の新聞見出しのとおりである。
「桝添氏推薦 都議会自民が決定」
「細川氏、小泉氏との連携模索」
「小泉氏の動向焦点 『脱原発』自民ピリピリ」
そして、自民党や民主党が、どっちにしうようか、どうしようか、ウロウロ、しているという。
 これは、介護の経験があるとか、はたまた、あれは、熊本で知事を経験し、首相も経験したとか。
 「脱原発」を焦点にされたら困るとか。
 というように、勝手に、「ピリピリ」している。

 しかし、考えてみてほしい、この議論、おかしい。
 人の子として生まれ人の親となる我らは、皆、黙って介護を経験する。
 それがどうした。人が人の道として黙って経験することを、「した、した」と吹聴する奴は、何か魂胆があり、何処かおかしいのだ。これが「常識」であろう。
 また、あれが、知事として首相として何をしたかを、何故、問わない。昨今の我が国政界の構造では、猿のレベルでも知事や総理になる可能性がある。事実、なったではないか。

   私、不肖ながら、たびたび熊本を訪れて、県民から、清正公すなわち加藤清正公への敬仰の思いを聞かされ、今も使われている清正公の見事な城郭や道路や運河や灌漑の事跡を見たことはあっても、細川知事が何をした御仁なのか、聞かされたことはない。反対に軽蔑の言葉は各方面から聞いた。
 総理大臣の細川氏は、我が国の総理としてあの社会党の村山富市に先駆けて「日本は侵略戦争をした」と公式に発言し、衆議院予算委員会でその真意を具体的に質した石原慎太郎議員に対して、「胸に手を当てて考えれば分かる」という訳の分からん無責任な答弁をした。
 この馬鹿答弁以外も、皆、無能。この無能なる総理大臣が我が国にもたらした惨状、このこと、平成五年から六年にかけて、我々は、まざまざと見たはずだ。その後、彼は放り出して、今まで何をしてきたのか、誰か知っているのか。陶器を高額で売っていたらしいが。

 それを、右往左往、何をやっておるのか、自民も民主も。
 首都、東京の知事選挙ではなく、首都、東京の痴呆選挙をしようとしているのか。
 つまり、今現在も「ウロウロ・ピリピリ」している自民と民主は、「戦後体制のなかの双生児」であることを露呈しているのだ。

 使命感に基づく基準を持ってなければ痴呆になる。
 彼らも「戦後体制からの脱却」と言い「日本を取り戻す」と言う。
 しかし、それが具体的に何かが分からない。
つまり、考えたこともない。従って、痴呆になる。

 よって、具体的にその基準を明確に指摘する。
 三つで十分だろう。
(1)首都東京の九段にある靖国神社に、「参拝できない東京都知事」を選んでどうする。
   「都民を代表する都知事」として、田母神俊雄以外に誰が参拝するのか。

(2)首都東京の危機克服体制の構築は喫緊の課題である。
 その為には、危機克服の組織である自衛隊の、各部隊、各師団と都組織との平素からの連携が必要不可欠だ。
 その速やかなる連携を、元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄以外誰ができる。

 師団や聯隊の師団長や連隊長は、四六時中、危機管理を考えていることを任務とする。
 その為にスタッフを擁している。その為に隊員は日々訓練を続けている。
 四国善通寺の第十二師団初代師団長の乃木希典閣下は、讃岐の山々によく発生する山火事の延焼を防ぐために、 工兵隊を動員して山に防火帯を設定した。
その防火帯は、百年以上を経た今も山に残り住民を守っている。
 この乃木希典の故事からも分かるように、危機克服の為には、首都圏の師団や聯隊との平素からの連携は不可欠の前提である。

 そして、既に昨日指摘したように、首都東京の地下には、地震などの自然災害以上に、人為的なテロ、騒擾、核ミサイル攻撃の危機が潜在し増大しつつある。
 しかるに、細川や桝添やらの間をウロウロしている者達。
 分からんのか! 東京都の知事は、この危機に対処する知事でなければならないのだ。
 そうでなければ、大量の都民が亡くなるんだぞ!

 安倍晋三内閣総理大臣!
 総理大臣の責務として、この危機に際し、自らと連携して危機克服に向かう首都の知事は誰か!
 決断せよ!

(3)「日本は良い国だ」と確信している知事でなくて、どうして教育を改革し我が国の将来を雄々しく担う子供達を育成できようか。
「日本は良い国だ」と書いた田母神俊雄を、村山富市談話に反することを述べたとして航空幕僚長から更迭したのは自民党の内閣であり、こういう「危険人物」を航空幕僚長に選任した内閣の「任命責任」を追及すると騒いだ馬鹿野党は民主党だった。
 以後、更迭された田母神俊雄は、一私人として「日本は良い国だ」と全国を行脚して述べ続け、決して怯まなかった。
 田母神俊雄以外、誰が東京都の教育を正せるのか。

 以上、田母神俊雄に対して、「今もウロウロ・ピリピリしている自民と民主、加えて、さっさと左翼を擁立した社民と共産」、これらを、まとめれば単純、「戦後体制派」となる。
 何故なら、これらは全て、田母神俊雄を「危険人物」としているからである。
 「戦後体制から脱却した日本人」は、「戦後体制派」にとって危険人物である。
 よって、速やかに戦後体制から脱却しなければ、亡国に至る今、我らは、「危険人物である、日本人、田母神俊雄」、を東京都知事に選んで一挙に、東京から戦後体制を脱却していく歴史的使命がある。
 その使命を果たすのは、二月の紀元節前までが勝負だ。諸兄姉、共に東京に力を集中しよう!
 全国津々浦々から、東京都在住の知人、友人、親戚に救国の要請を実施しよう!



欧州も保守回帰か

2014年01月10日 | 政治・外交
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年1月10日(金曜日)通巻第4112号 <前日発行>
http://melma.com/backnumber_45206/

欧州政治の刷新、地殻変動が近いかも知れない
各国の保守勢力が急進中、次のEU議会選挙では四分の一の議席を獲得か


 「欧州版ティーパーティ」と英誌『エコノミスト』が大特集を組んでいる(2014年1月4日号)。  イタリアの北部同盟、フランスの国民戦線にくわえて、オランダで、ポーランドで、ハンガアリーで、右派連合の伸張ぶりは瞠目するに値する。かれらは民族主義とはいえず、国際感覚をあわせもつ新型の保守である。
 もともとイタリアの「北部同盟」はミラノを中心にローマ政治に対抗した地域性が強く、移民排斥を強く掲げた。
フランスはルペンが主導した「国民戦線」がユーロ離脱、移民反対、イスラム融和政策反対を掲げて躍進を遂げてきたことは日本でも報じられた。ルペンの国民戦線は娘が党首を引き継ぎ、以前より更に勢力を伸ばした。

 EU議会(欧州連合)は2014年1月現在、21の共和国、6つの王国、1つの大公国で構成されている。スイス、アイスランド、ノルウェイならびにクロアチアをのぞいた旧ユーゴスラビアの五カ国(イスラム圏)は未加盟だが、本部をブラッセルにおき、欧州政治の中枢である。
 しかし「ブラッセル」と抽象的に比喩されるようにエリート官僚のたまり場として評価が低いきらいがあった。
EU議会は人口比によって各国への議席配分システムで、最大はドイツの99議席、最小はマルタが五議席。合計751議席で、各国が直接選挙、比例代表で選ぶ。選挙民は政党名を投票用紙に書き込む。
 現在、この751議席のうち、12%が移民政策やイスラムに批判的な主張をする保守政党である。そして次の選挙では最低でも16%、最大25%をしめる勢力に躍進すると予測されている。選挙は五月に行われる。

 ▼欧州政治に吹く新しい風

 英国に誕生したUKIP(英国独立党)はEU議会に十人を送り込んでいる。 イタリアの北部同盟は七名。オランダは自由党が四名、改革党が一名の合計五名。そしてポーランドでも「統一ポーランド党」が四名、フランス国民戦線が三名。
以下、EU議会に議席を占める各国の保守勢力、政党を一瞥すると、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、デンマーク、フィンランド、ギリシア、リトアニア、ルーマニア、スロバニアが、それぞれ勢力を伸ばした。
EUに議席こそないが、ブルガリア、キプロス、ドイツ、ノルウェイ、スェーデンに躍進中の右派政党が存在する。日本にも自民党保守本流に飽き足らない維新の会、議席はないが一台政治勢力として「新風」「頑張れ日本! 行動委員会」などがあるように。

 これらに共通するのは拝外主義的な民族主義ではなく、しかもヒトラー礼賛者は不在で、旧来の右翼のイメージからは遠い。
みなが議会制民主主義尊重をいう共通の普遍的価値観を基盤として移民規制、中央政府の官僚主義離脱、失業対策強化などを訴えて、中央政界を脅かすのである。「小さな政府」である。
米国のティーパーティと異なるのは、米国では二大政党の内部で、つまり共和党内部で一大派閥を形成し、共和党政治、党の方針を左右するスタイルである実勢とは異なり、独自の政党を組織して、あくまでの選挙で民意を問うところにある。

 フランスではモンテルマ県で、地方事務所もない国民戦線が21%の得票を得るという番狂わせが生じた。国民戦線が訴える反中央(ブラッセルのEUエリートどもをやっつけろ)、移民排斥、イスラム化はフランスの独自文化を損なうなどという主張が受け入れられたのだ。『日本列島は日本人だけのものではありません』という宇宙人宰相が聞いたら驚くだろう。
 既成政党の右であれ左であれ、エリート官僚の優柔不断、国際主義、過度な人権擁護による外国人労働者流入放置など、失業が拡がって反中央政府感情と膨らませている汎欧州の若者たちに受ける。旧世代より若者の支持が多いのも英国、イタリア、フランス、オランダで特徴的である。
 反中央感情とは、エリートの集まりであるブラッセル本部が福祉人権などといって借財を重ね、大幅に外国人労働者を受け入れ、イスラム圏からの移民を増やし、経済政策に失敗し、銀行だけを肥らせて、若者を失業に追いやったとする分析に深く共鳴するのである。

▼外国人移民が、自分たちの職を奪っている

 対照的にギリシアやハンガリーでは民族主義的色彩が濃い、右翼的主張をもつ政党が目立ち、「イスラムは全体主義国家群だ」「コルランはファシストの本だ」、「ユダヤ人排斥」などアナクロなスローガンを掲げている国もあるが、他方で、イタリアやベルギーの右派政党は『地域性重視』を謳い、EUからの離脱は主張していない。
 しかしEUの理想に期待するとこたえた人たちは、2007年調査で52%だったが、最近は30%に急落し、さきに述べたように若者が右派勢力を支持する理由は『失業』である。
外国人移民が、自分たちの職を奪っているという危機感が、かれらをして既存政党離れを起こさせているのだ。フランスでは実に55%の学生らが、次の選挙では国民戦線に入れると答えている。

 日本はどうかといえば、中国の脅威、韓国の対日侮蔑などによって日本は国民精神を復活させようという動きが顕在化し、安倍首相の靖国参拝は82%が支持した(直後のヤフークィック・リサーチ)。 都知事選挙には『日本は良い国である』と訴え続ける田母神俊雄候補に既成政治に飽きたらず、対中弱腰外交に反発する広い国民の支持が拡がっている。



「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年1月9日(木曜日)通巻第4111号
http://melma.com/backnumber_45206/

安倍首相「地球儀外交」いよいよ本格化
オマーン、エチオピア、コートジボワール、モザンビークへ


 1月は三回外遊することになった。  9日に中東、アフリカへ出発し、帰国して23日からスイスのダボス会議。ここで世界に向けてアベノミクスの真意を説明する。
 すぐにインドへ飛び、中国を牽制する静かな外交がスタートすることになる。

 (というわけで小生も下旬にインド各地を取材します)

都知事選、よせばいいのに、20年前の非自民・非共産連立政権細川護熙元首相の名前が挙がっている。


やしきたかじん氏死去

2014年01月08日 | 世相
今年は年初から訃報が相次いでいる。
やしきたかじん氏、享年65。
「たかじんのそこまで言って委員会」は、TVを廃棄した自分もYoutubeで拝見した。
つまらないバラエティが多いが、この番組は時事問題をテーマにしゲストに迎えられる論客も多く面白かった。
やしきたかじんさん死す 復帰の夢叶わず 2014年1月8日(水)07:53
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20140108-1241016.html

(日刊スポーツ)
 「やっぱ好きやねん」などのヒット曲や、歯に衣(きぬ)着せぬ語り口で知られるタレントで歌手のやしきたかじんさん(本名・家鋪隆仁)が3日未明に都内の病院で亡くなっていたことが7日、分かった。64歳だった。2012年4月に食道がんの手術を受け、仕事復帰を果たしたが、体調不良を訴えて昨年5月から療養していた。親族関係者によると身内だけで密葬を済ませており、後日にお別れの会を開く予定という。

・・・・(中略)

 たかじんさんは歌手として多くのヒット曲を持つ一方、視聴者の怒りを代弁するような型破りのトークで人気を集めた。声を荒らげて政治家や著名人にかみつくこともあった。レギュラー番組は軒並み高視聴率を記録したが、芸能プロの影響力が大きいとされる在京テレビ局のレギュラーは持たない「アンチ東京」を打ち出した。在阪の番組も「東京で放送するなら降りる」と公言していた。東京への対抗心が強い関西の視聴者の心情をつかみ、圧倒的な支持を得ていた。

 ◆やしきたかじん(本名・家鋪隆仁)1949年(昭24)10月5日、大阪市西成区生まれ。71年にシングル「娼婦和子」で歌手デビューしたものの、刺激的作風から発売禁止になった。76年にシングル「ゆめいらんかね」とアルバム「TAKAJIN」で再デビュー。「あんた」「やっぱ好きやねん」「ICHIZU」「未練~STILL~」「東京」などがヒット。テレビやラジオにも出演多数。主なレギュラー番組は読売テレビ「たかじんnoばぁ~」や関西テレビ「たかじん胸いっぱい」など。血液型O。


YouTube動画


一度は復帰したのに残念・・・


都知事選

2014年01月08日 | 政治・外交
元航空幕僚長の田母神俊雄氏が正式に無所属で出馬を表明した。(1/8)
その他、桝添氏、そのまんま東氏、日弁連宇都宮氏などの名前が挙がっている。
田母神氏には言論でご活躍された方がいいかなと思っていたが、他の候補者の面々を見ると半島勢力や言動の軽い元芸能人、左翼弁護士などアブナイ連中ばかりだ。
安倍政権でようやく日本もまともになってきたかと思えるようになった。
オリンピックを控えた日本の首都東京、地方政治を代表する知事には愛国者田母神氏がふさわしいのではないだろうか。
東京都民の選挙に期待しよう。
元航空幕僚長の田母神氏、都知事選出馬へ「最終的な決断は5日に」 2014.01.04
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140104/dms1401041453008-n1.htm

 東京都の猪瀬直樹前知事の辞職に伴う都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)で、元航空幕僚長で軍事評論家の田母神俊雄氏(65)が、無所属で出馬する意向であることが分かった。田母神氏は、夕刊フジの直撃取材に「最終的な決断は5日にする」としながらも、「国家緊急事態に対応できる首都にしたい」など、取り組むべき課題を激白した。

 田母神氏は1948年、福島県生まれ。防衛大卒業後、航空自衛隊に入隊。統合幕僚学校長や航空総隊司令官などを歴任し、2007年に航空幕僚長に就任した。翌08年、アパグループの懸賞論文に「日本は侵略国家であったのか」という作品を応募したところ、政府見解と異なるとして幕僚長を更迭される。定年退職後に発表した著書は、多くがベストセラーとなっている。

 本紙は4日朝、福島県に帰省中だった田母神氏を直撃した。
 田母神氏は「昨年暮れから、支援者の間で『都知事選にどうしても出てほしい』という声が広がった。それまで、都知事選に出ようと思ったことは一度もなかった。5日に東京へ帰り、支援者らと協議したうえで、同日夜にも最終決断する。出るのか、出ないのか、いずれにしても週明けに記者会見を開こうと思っている」と語った。
 選挙はまったく未知の世界だが、「人間はいくつになっても未知の世界(に挑むもの)。恐れてはいない」と、意欲的な構えだ。
 田母神氏は、2020年に五輪開催を控えた東京が最優先で取り組むべき課題について、「国家緊急事態に対応できる首都にすること」といい、さらに続けた。
 「よその国では緊急事態にもっと軍の力を活用している。軍の動かし方が検討され、決められている。ところが日本、特に首都・東京ではどのような組織で対応するのかはっきりしていない。迅速に対応できる仕組みを整えなければならない」
 また、東京五輪については「海外から見にきた方々が『日本、そして日本国民は素晴らしい』と思っていただけるよう、成功させたい」と語った。

参考
選挙前.com 放送されない政治家の思想と実績 「舛添要一」
http://senkyomae.com/p/467.htm


保守論客「遠藤浩一氏」急死

2014年01月06日 | 政治・外交
55歳の若さ、これからの日本を導く方であった。保守論壇に喪失感が広がっている。

私事ではあるが、従弟もこの働き盛りの年頃で亡くなり、残された叔父さん夫婦が嘆いていた。
健康管理には充分気を付けて頂きたいと思う。
遠藤浩一氏、死去 55歳 保守派の論客、正論新風賞- 産経新聞(2014年1月6日08時05分)
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_snk20140106092

 拓殖大学日本文化研究所所長で本紙「正論」メンバーの遠藤浩一(えんどう・こういち)氏が4日、死去したことが分かった。55歳。大学関係者が5日、明らかにした。
 4日午後に新年会に参加した後、体の不調を訴え、その後死去したという。葬儀などの日程は未定。

 民社党広報部長などを経て拓殖大学大学院教授に就任。近代日本政治史などを専門に活躍した。平成21年にフジサンケイグループ主催の第10回「正論新風賞」を受賞。保守二大政党を支持し、民主党政権の3年間を「長すぎた政治空白」などと強く批判した。今月3日付の本紙「正論」欄で「『観念的戦後』に風穴開けた参拝」と題する小論を発表したばかりだった。

【正論】遠藤浩一氏 年頭にあたり 「観念的戦後」に風穴開けた参拝
http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/140103/clm14010303060001-n1.html

 旧臘(きゅうろう)、テレビの報道番組で民主党の前原誠司元代表が妙なことを口走っていた(12月9日放送のNHKニュースウオッチ9)。

前原氏の「色分け」に失笑
 曰(いわ)く、安倍晋三内閣は観念的保守で自分は現実的保守だ、政界再編は観念的保守の自民党と現実に根ざした保守勢力を対立軸にしていくべきだ、云々(うんぬん)。失笑した。
 日本維新の会や結いの党との連携を睨(にら)んで、安倍政権との違いを際立たせたいがための発言なのだろうが、言葉は正しく使ってほしい。安倍首相や自民党の何をもって観念的とするのか、発言者本人のこれまでの言動のどこが現実的なのか、全く分からない。
 いうまでもなく、政治とは現実との格闘である。筆者の見るところ、安倍内閣及び自民党はひとつひとつの政策を現実的に、かつ慎重に進めている。

 他方、民主党政権時代の前原氏が、八ツ場(やんば)ダム建設中止などマニフェストに掲げた政策に観念的執着をみせたのは記憶に新しい。そもそも保守という立場について「観念的」とか「現実的」と形容して分類すること自体、観念の遊戯に淫しているといわなければならない。
 おそらく集団的自衛権行使やその先に待っている憲法改正など、これまでの自民党政権やそれを小粒化した民主党政権が成し得ず、提起することさえしなかった、(前原氏から見れば)現実的とは思われないような課題を目標に据えている点をとらえて、「観念的」と揶揄(やゆ)してみたのだろう。
 してみれば氏の掲げる現実主義とは、現実を修正不可能なものとし、その歪(ひず)みや欠陥を是正するなどもってのほか、長いものには巻かれろという立場のようである。

 仮にそうであるならば、「現実に根ざした保守」は彼にとって自己否定のスローガンとなる。外交安全保障について、氏は「自立と協調」「アメリカを中心に他国と協調。ただし、自分の国は自分で守る」(同氏HP)としているが、政治家としてこうした観念を政策として実現するには現実の歪みを是正する意思と行動が求められる。

 ≪憲法改正は今や現実的課題≫
 米国と協調し日米同盟をより強固なものにするにあたって集団的自衛権行使は避けられないし、自立し自分の国を自分で守るようにするには、現行憲法の見直しは必須の現実的課題となる。一方、外国の顔色を窺(うかが)って英霊を蔑(ないがし)ろにするようでは自立どころか、自壊を待つのみだろう。
 今でこそ首相が先頭に立って憲法改正の必要性を主張するようになったが、しばらく前までは閣僚が憲法の欠陥や改正の必要性を口にすれば馘首(かくしゅ)される時代が続いた。昭和55年、奥野誠亮法相が憲法改正に言及して鈴木善幸首相に更迭されるということがあった。

 この時、現実主義を標榜(ひょうぼう)する某国際政治学者は、政治家は向後(こうご)10年間、憲法論議を棚上げにすべきだ、不愉快でも沈黙し、なすべきことをなすのが政治家の倫理である、と託宣した。憲法の改正は国会で発議することになっているのに、国会議員が議論を禁じられたら、誰がその職責を果たすのか、それこそ政治倫理にもとるではないかと、学生の身でも疑問に思ったものだ。
 この時、福田恆存は痛烈に批判した。政治学者はどうしたらいいのか、批評家はどうしたらいいのか、いくら御用学者となろうとも、言うべきことは、はっきり言わねばならない、と。

現状肯定の罠に嵌まるな
 そのさらに十数年前の昭和42年、福田と三島由紀夫が対談で、この問題について論じている。三島が「現実主義と現実肯定主義はすぐくっついちゃう」と指摘すれば、福田は「現状肯定、現状維持の現実主義者というのも、実は一種の観念論なんだよ」と返す。「現状のままで自衛隊合憲説を唱えていると、はじめのうちは嘘と意識していても、そのうちに本当にそんな気になってしまう」(『文武両道と死の哲学』)との福田の発言には、今日も重みがある。とすると、世の中は変わってはいないということになる。
 いや、世の中は変わったのに、ちっぽけな現状肯定主義に取り憑(つ)かれた前原氏らが取り残されているだけなのかもしれない。変化に追いつけない連中が連合しようが新党を作ろうが、そんなものは放っておいて現実の政治が粛々と進んでいくのなら、それでいい。

 民主党政権という悪夢のような現実を清算し、安倍政権が誕生して1年。堅実かつ大胆な運営で相当の成果を上げているが、安倍首相の真の目標は憲法を正して「戦後」に終止符を打つことにある筈(はず)だ。このすぐれて現実的な目標を達成するには、粘り強さと周到さが求められる。そして現実主義と現実肯定主義を峻別し、後者の罠(わな)に嵌(は)まらぬよう注意することだ。その意味で、首相の靖国神社参拝は観念化した「戦後」から脱却するための大きな一歩といえる。(拓殖大学大学院教授)



光陰矢の如し

2014年01月03日 | 日常・身辺
穏やかな三が日も今日で終わり。
一日は次男、今日は長男家族が来てくれた。
孫も三歳になり片言で話が出来るようになっていた。
近くの公園で記念撮影。


こういった写真は今までにも沢山撮ってきたが、24年前(1990年)のを見てみた。
私は40代、横の母、撮影者の父が70代であった。


当方は今年70代に入り、24年前の両親と同年代になった。
時は容赦なく過ぎていき世代交代も確実に進行していく。
世の中いろいろあるがこれほど当たり前のことはない。
新年を迎える度に、嬉しくもありちょっと寂しくもありで、この歌を思い出す。

 元日や 冥土の旅の一里塚
   めでたくもあり めでたくもなし       一休禅師

昨年仕事から完全にフリーになり、冥土の旅の始まりを自覚した。
いつまで続くか知る術もないが冥土の土産をぼちぼち凡夫なりに作っていきたいと思っている。











河野談話「日韓合作」だった

2014年01月01日 | 政治・外交
年明け早々、ショッキングなニュース。
韓国女性を強制連行し日本軍の性奴隷にしたというあの「河野談話」が日韓合作だったとは!
韓国は従軍慰安婦像をアメリカ地方都市に建て宣伝に余念がなかった。人の好い米人はすっかり騙されていたというわけだ。
それにしても、当時の宮沢改造内と河野洋平内閣官房長官が行った談話は、事実よりも政治判断で行われ、しかも韓国側からいろいろ注文をつけられた嘘っぱちであったとは。
どこやらの高校が韓国へ謝罪修学旅行に行っていたが、土下座さされた高校生は気の毒。
産経阿比留記者の一大スクープだが、談話本人河野洋平氏、反日で凝り固まった朴槿恵政権、また日本国内の親韓勢力、マスコミがこれで反省するだろうか。
そして、欺瞞性を知りながら河野談話・村山談話を踏襲してきた政府はどう対応するのだろうか。
この新年のうちにキチッと談話を撤回してもらいたいもの。
河野談話 日韓で「合作」 要求受け入れ修正、関係者が証言 2014.1.1 12:36
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140101/plc14010112380006-n1.htm

原案段階からすり合わせ

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」について、政府は原案の段階から韓国側に提示し、指摘に沿って修正するなど事実上、日韓の合作だったことが31日、分かった。当時の政府は韓国側へは発表直前に趣旨を通知したと説明していたが、実際は強制性の認定をはじめ細部に至るまで韓国の意向を反映させたものであり、談話の欺瞞(ぎまん)性を露呈した。

 当時の政府関係者らが詳細に証言した。日韓両政府は談話の内容や字句、表現に至るまで発表の直前まで綿密にすり合わせていた。
 証言によると、政府は同年7月26日から30日まで、韓国で元慰安婦16人への聞き取り調査を行った後、直ちに談話原案を在日韓国大使館に渡して了解を求めた。これに対し、韓国側は「一部修正を希望する」と回答し、約10カ所の修正を要求したという。

 原案では「慰安婦の募集については、軍の意向を受けた業者がこれに当たった」とある部分について、韓国側は「意向」を強制性が明らかな「指示」とするよう要求した。日本側が「軍が指示した根拠がない」として強い期待を表す「要望」がぎりぎりだと投げ返すと、韓国側は「強く請い求め、必要とすること」を意味する「要請」を提案し、最終的にこの表現を採用した。

 別の箇所でも「軍当局の意向」は「軍当局の要請」に書き換えられた。原案で慰安婦に対し「心からおわび申し上げる」とある箇所は、韓国側に「反省の気持ち」を付け加えるよう指摘され、盛り込まれた。

 修正に応じなかった箇所もある。原案が「(慰安婦が)意思に反して集められた事例が数多くあり」とする部分で、韓国側は「事例が数多くあり」の削除を求めた。これでは募集全部に強制性が及ぶことになるため、日本側は修正を拒否した。

 政府は、河野談話がほぼ固まった同年8月2日、韓国の閣僚にも案文を伝えた。閣僚は一定の評価をしつつも、「韓国民に、一部の女性は自発的に慰安婦になったという印象を与えるわけにはいかない」と強調したとされる。

【用語解説】河野談話
 平成5年8月、宮沢喜一内閣の河野洋平官房長官が元慰安婦に心からのおわびと反省の気持ちを表明した談話。閣議決定はしていない。募集に関し、「官憲等が直接これに加担したこともあった」「募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」などと強制性を認定した。

河野談話の欺瞞性さらに 事実上の日韓「合作」証言 2014.1.1 16:30
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140101/plc14010116300010-n1.htm

 証拠資料も日本側の証言者も一切ないまま強制性を認めた河野談話をめぐっては、唯一の根拠となった韓国での元慰安婦16人への聞き取り調査も極めてずさんだったことがすでに判明している。今回、談話の文案にまで韓国側が直接関与した事実上の日韓合作だったことが明らかになり、談話の欺瞞(ぎまん)性はもう隠しようがなくなった。

 そもそも、当時河野談話作成にかかわった当事者らはこれまで、韓国とのやりとりについてどう語っていたか。河野洋平元官房長官は平成9年3月31日付の朝日新聞のインタビューにこう答えている。

 「談話の発表は、事前に韓国外務省に通告したかもしれない。その際、趣旨も伝えたかもしれない。しかし、この問題は韓国とすり合わせるような性格のものではありません」

 河野氏は胸を張るが、政府関係者の証言によると、韓国側はこの言葉とは裏腹に、談話発表の日時にまでたびたび注文をつけていた。当時、宮沢喜一内閣は風前のともしび(談話発表の翌日に総辞職)だったため、談話発表後の実効性を懸念したのだとみられる。

 一方、事務方トップだった石原信雄元官房副長官は同年3月9日付の産経新聞のインタビューで次のように述べていた。
 「談話そのものではないが、趣旨は発表直前に(韓国側に)通告した。草案段階でも、内閣外政審議室は強制性を認めるかなどの焦点については、在日韓国大使館と連絡を取り合って作っていたと思う」
 石原氏の方が比較的実態に近いようだが、実際は趣旨どころか談話の原案も最終案も韓国側に提示し、「添削」すら受けていた。河野、石原両氏は外交の現場の実情を把握していなかったのかもしれないが、結果として国民をミスリードしたことは否めない。

 河野談話は日本の政府見解であるのに、自国民より先に韓国側に通報され、その手が加わって成立した。いまなお韓国が執拗(しつよう)に慰安婦問題で日本を批判しているむなしい現実を思うと、有害無益だったと断じざるを得ない。(阿比留瑠比)

河野談話の撤回要求へ 維新、年明け署名 参考人招致も 2013.12.28 08:14 [日本維新の会]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131228/stt13122808150000-n1.htm

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」をめぐり、日本維新の会が年明けに河野談話の撤回と、河野氏の国会への参考人招致を求める署名運動を全国で展開することが27日、分かった。
 談話の根拠となった韓国での元慰安婦への聞き取り調査報告書は「ずさん」だったことが産経新聞の報道で明らかになっており、維新は署名運動を通じ見直しの機運を盛り上げたい考えだ。平沼赳夫国会議員団代表らが主導して進める。
 維新は「歴史問題検証プロジェクト・チーム(PT)」(座長・中山成彬元文部科学相)を11月に発足させ、談話の検証を開始。12月に内閣官房に対し、元慰安婦16人の聞き取り調査報告書の開示請求を行った。米カリフォルニア州グレンデール市に「慰安婦」像が設置された問題では、党所属国会議員が現地を視察している。
 だが、こうした取り組みにもかかわらず、談話見直しの論議は広がりを欠いている。このため、「間違った談話で、日本人がいわれのない汚名を着せられたままではいけない」(幹部)として、全国で声を上げることにした。