かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『風が冷たくなってきた~片手袋冬の旬の判断の仕方~』

2017-09-27 20:46:00 | 片手袋研究発表

何度も何度も口を酸っぱくして言っておりますが、片手袋は冬だけに見られる現象ではありません。真夏だって路肩なんかにひっそりと軍手が片方落ちていたりしますからね。

しかし、冬は片手袋の種類も量も豊富になる、というのも間違いない事実であります。まあ、いわば片手袋の旬ですね。では、どのように旬に突入したと判断するのか?

毎年「ファッション類介入型片手袋」に出会ったら、冬の旬が到来したと判断しております。

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※こういうのはさすがに殆ど冬しか見かけませんからね。

ですから、その年「ファッション類介入型片手袋」に出会った最初の日は重要なのでずっと記録しております。試しに過去五年を振り返ってみると…

2012→10/26
2013→10/28
2014→11/10
2015→10/9
2016→11/1

概ね10月後半から11月前半にその日は訪れています。しかし2015年のように10月前半にいきなり出会うこともあるので気は抜けません。

2015
※ちなみに2015年のはこれです。

今日も夜になって風がひんやりとしてきました。今年はその日がいつ訪れるのでしょうか?


『片手袋分類図を二年振りに改訂しました』

2017-07-22 22:06:55 | 片手袋研究発表

先日の別視点ナイトで、二年ぶりに改訂した片手袋分類図を発表致しました。前回の改訂は2015年だったんですけど、二年間で新たな知見がだいぶ積み重なってまいりました。

では早速見て頂きましょう!

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別視点ナイトでは細かな変更点は説明できなかったので、今日は一つずつ解説していきたいと思います。

①デザイン
まず全体のデザインを見やすくなるように改良してみました。でもこれは、まだまだ駄目ですね。何しろデザインセンスが皆無なので…。例えば第三段階。放置型と介入型共に存在している分類が幾つかありますが(電柱系とか)、これらは一目でそれが分かるようにしたいんですよね。やはり専門のデザイナーさんにお願いするべきなのかな?

②第一段階
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ここはあまり変更がありませんが、唯一、今まで「ファッション類」だったものを「ファッション・防寒類」に変更しました。

冬場によく見かける片手袋を「ファッション類」と表現していましたが、

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こういう分かりやすくオシャレな手袋はまだしも、

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こういう冬場によく見かけるものの、ファッションというより防寒に主眼が置かれた手袋もあるじゃないですか?かといって「ファッション類」と「防寒類」に分けるほどではないと判断し、「ファッション・防寒類」としました。

③第二段階
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ここが今回、一番多きな変更点です。今までは「片手袋を大きく二つに分けると、放置型と介入型になります」と説明してきました。でもそれに加えて、例外的に「実用型」というのを設けました。

これは今まで放置型の第三段階に「実用系」として分類していたものです。

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例えばこれは海鮮居酒屋の生け簀に置かれていた片手袋。魚を掴んだりする時に使うようです。

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これは駐車場のポールに被せてあった片手袋。どうやら車が傷つくのを防ぐ目的があるようです。つまり片手袋の中では例外的に、役割があってわざと片方だけになっているタイプなのです。

「拾った人が存在しない」という事と「片手袋には大きく分けて二種類ある」という説明の分かりやすさにこだわるあまり、今までは放置型に分類してたんですけどやはり無理がありました。これは「放置型でも介入型でもない、第三の片手袋」として分類すべきです。

でもあくまで例外的に取り扱うので、時間がない中で説明しなければいけない時には今まで通り「片手袋には二種類ある」で良いと思いますが。

④第三段階
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第三段階は正直、「加えてもよいかな?」と思うものが他にも沢山あるのですが、やはり確実に沢山存在している事が判明するまでは慎重になろうと思います。そんな中で今回追加したのは、まず介入型の「室外機系」。

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これは特に冬場、沢山見かけますね。拾った片手袋を置く場所として、室外機の上の平面空間は最適なんでしょうね。

あと介入型と放置型共に追加した「バス停系」。

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(介入型)

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(放置型)

これは文句なしですね。何しろお金やICカードの出し入れがある場所なので、手袋を落としやすい環境なのです。不思議と電車の券売機付近より多いんですよ。その違いがどうして起きるのか?についてはもう少し考察が必要です。

あと最後にもう一つ。

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この最初期の分類図から「放置型雨に唄えば系」として存在していた、雨に濡れてぐちゃぐちゃになっている片手袋。

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ただでさえ誰にも見向きもされない片手袋なのに、雨に濡れてゴミ同然になってしまった姿が憐れで意地になって入れてましたけど、やはりこれだけは共通点が「濡れているという状態」にあるので、第三段階の中で浮いてしまってるんですよね。どちらかと言えば第一段階に入れる方がまだしっくりくる、と言いますか。

なので今回、泣く泣く第三段階からは削る事にしました。でもいずれ、「片手袋の状態」だけに絞った別の分類図を作ってもよいかもしれません。それこそ「濡れている」とか「指の形がチョキになっている」みたいな感じで。


さあ、以上が今回の変更ポイントです。この分類図を何年使用していくかは分かりませんが、片手袋研究は一生固定することのない動的なものです。むしろこの分類図をより納得出来るものに改訂できる様、再び頑張っていきたいと思います。


『ゴミとしての片手袋』

2017-05-09 23:54:00 | 片手袋研究発表

片手袋の発生理由ですが、「落としてしまった=放置型」「落ちていたものが拾われた=介入型」の二種類を主に考えてきました。

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あとは今のところ便宜上放置型の第三段階に組み入れてる、「実用系片手袋」があります。これは「何かの作業用として敢えて片方だけ使われている」という発生理由なので、実は放置型にも介入型にも当てはまらないと考えています。

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※これは鉄柱の養生が目的と思われる

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※これは魚をさばく際に使うと思われる

整理すると片手袋の発生理由は大きく分けて、

1.持ち主が落とした
2.落ちている片手袋を誰かが拾った
3.作業のためにわざと片方だけになっている

の三つが考えられます。でも、本当はもう一つあると思っているのです。

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これはペンキだらけの重作業類片手袋。放置型です。この場所ではずっと道路工事をやっていたのですが、おそらく作業中に汚れてしまったのでしょう。

この片手袋が当てはまるかは別として、もう一つの可能性とは「いらなくなって捨てていった」というものです。

良くない事だし、落ちている手袋一つから人間の心理や行動の奥深さを読み解こうとする片手袋研究家としては悲しい事なのですが、「汚れたり破れたりして持ち主がその場に捨てていった片手袋」も存在している筈なのです。いわば「投棄型片手袋」とでも言いましょうか。

ただ投棄型片手袋は、形として放置型片手袋と殆ど同じなので、落ちている片手袋を見ただけではその違いが判別出来ません。なので分類図に加えることはまだ考えていませんが、可能性としては絶対にある筈です。

異常に汚かったりボロボロになってたりする作業用片手袋を見ると、物語の入り込む余地のない「ゴミとしての片手袋達」の存在を思い、心が痛みます。

しかし、片手袋研究家は「どんなものであれ、片方だけになっている手袋は全て考察の対象とする」のが役割。投棄型片手袋についても、引き続き考察を怠らないよう頑張ります。


『残留型片手袋』

2017-04-14 20:37:00 | 片手袋研究発表

サケは一般的に川で育ち、海に出た後再び川に戻り産卵をしますよね。

しかし酒の種類にも色々いて、海に出る種類を降海型、川に残ったまま生活する種類を河川残留型というそうです。

桜も散り始め、さすがにファッション類介入型を中心とする冬型の片手袋とは出会わなくなってきました。

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しかし四月位だと、まだ稀に上のような片手袋に遭遇します。しかしこれは最近落とされたものが拾われたのではなく、まだ寒さが厳しい時期に拾われたものが未だにこの場所に残っている、と考えた方が良い気がします。サケで言えば河川残留型ですね。

以前も書いた事ですが、 三か月位同じ場所にとどまり続ける片手袋も珍しくありません。ですから、これからの時期に出会うファッション類の片手袋には、

「お疲れ様」

と一声掛けてあげたくなりますよ。三か月も同じ場所にあった片手袋がある日なくなっていると、何だか心にぽっかり穴が開いてしまったような心持になります。


『境界線上のありゃあ?』

2017-03-09 23:00:09 | 片手袋研究発表

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今日、駐輪場に「手から手首辺りを覆う何か」が片方介入されてました。これは何に使うものなのでしょうか?手袋と言って良いものなのでしょうか?

そう言えば昔、

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東京ドームホテルの地下駐車場に、タイガースのリストバンドが落ちていました。これを見た時、「リストバンドは手袋ではないよな。でも手首と手の境界ってどこからなんだろう?肘辺りまで覆う日焼け防止の手袋があるけど、あれは手袋だもんな」と不思議に思いました。

まあ、リストバンドを手袋に入れるのは無理があるとしても、

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11年の片手袋研究生活で二回だけであった、「手袋の指だけ」は果たして手袋なのでしょうか?片手袋ではないにせよ、「十分の一手袋」と言えるのでしょうか?

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あと、グローブが介入されているのも見た事があります。これは限りなく手袋に近いブルーですよね?「手を保護する為に覆う革製の袋状の物体」ですよ?それはもう手袋でしょう?でも問題は、グローブは片方だけで使うものだという事。だとすると片手袋の分類上では「実用系」に入るんでしょうか?

数日前、「揃いと片方を区別するのは案外難しい」という事を書きましたが、それどころか「手袋とは何か?」を定義すること自体難しいなんて!

でもどんなジャンルもそうですけど、面白さって境界線上にこそ詰まってる気がします。分かっているつもりになっている事すら揺るがしてくる境界線上の存在。大事にしていきたいです。