かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『投稿頂きました!第36回』

2015-10-31 19:53:00 | 投稿

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【投稿者名】
Akira.Kさん

【発見日時】
①2015/10/20
②2015/10/27

【発見場所】

京都

【発見した感想】
①発見しました。これは今日のものです。見つけた時は何も持っていなかったのですが、帰りに同じところを通る予定でしたので、あってくれと思いつつ探しました。横から見ると手袋がまるで指を伸ばして這っているようでした。

②発見しました。これで昨シーズンの半分くらいの数となりました。何でかは忘れましたが道を歩いていて立ち止まるとありました。まだ作業用が多いですが、気温も下がってくればまた多くの手袋がありそうです。

※管理人から一言
Akira.Kさん、なんと既に昨シーズンの半分程の回数、片手袋と出会ったそうです。片手袋に限らず、「あると気付いた瞬間、物凄く沢山視界に入ってくる」という事ってありますよね。今シーズンもAkira.Kさんには沢山の出会いがある筈です。

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【投稿者名】
Hans Schohl

【発見日時】
①2015/10/4
②2015/10/29

【発見場所】
①筑波
②大阪

【発見した感想】
①All the Best.
②From Osaka many greetings.

※管理人から一言
神戸ビエンナーレで出会ったアーティストのHansさんからも続々送られてきています。何週間もかけて日本中を旅しているHansさんからの絵葉書のようで嬉しいです。毎回添えられている一言メッセージも良いんですよね。そろそろ日本を離れるそうなので、次はドイツからの投稿に期待です。

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【投稿者名】
たかやんさん

【発見日時】
2015/10/28 14時30分ごろ

【発見場所】
むろいけ園地のトイレ前ベンチ

【発見した感想】
トイレに入ろうとしたが、リュックなど重たいものを持っており、手袋を外し、それらをベンチに下ろしてトイレを済ませたが、外した手袋の片方を忘れてしまったのかな?

※管理人から一言
たかやんさんは日経新聞を見て送って下さったのです。初めての投稿にもかかわらず、いきなり発生の経緯を考察されていてお見事です。写真も何だか秋の終わりを思わせる哀愁が漂っています。有難うございました!

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最近、投稿を頂いてからこのブログでご紹介するまでにタイムラグが出てしまっていて。冬場、皆さんがまちじゅうで出会っているライブ感を出すには、画像掲示板などを作った方が良いのかな?と。それかツイッターのハッシュタグなどを利用する手もありますが。ちょっと今、考え中です。

※投稿の際の手引はこちら


『先週のタマフルのちば先生』

2015-10-27 22:23:14 | 雑感

僕が毎週聞いているラジオ、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(通称タマフル)』。先週のゲストが漫画界の大御所、ちばてつや先生でした。

ポッドキャストもあるのですが、一週間ほどで削除されてしまうと思います。

ちば先生の熱狂的ファンであるという宇多丸さんが、繰り返し述べていたちば作品の魅力。それが「物語が主人公の為に奉仕していない。脇役や背景に描き込まれている人に至るまで、様々な人生を背負っている事を感じさせる」というものでした。

宇多丸さんはその理由をちば先生の思想や倫理観からくるものと考えていたようですが、ちば先生の応えは「楽しいから」というシンプルなもの。つまりモブシーンの背景や人物を色々と想像しながら描き込むのが好きなんだそうです。

この非常に興味深い対談を聞いていて、思い出した人物がいます。このブログでも度々触れていますが、僕が最も敬愛する映画監督、ジャック・タチです。

タチの事を詳しく語り出すと止まらなくなってしまうのでやめておきますが、彼が唱えた理論に「喜劇の民主主義」というものがあります。

タチは「フランスのチャップリン」と呼ばれる事もありますが、チャップリンと決定的に違うのがこの考え方だと思います。つまり、誰か一人の特別な人が面白さを持っているのではなく、人間であれば誰でも面白さを発揮する瞬間がある、という考え方です。

言葉で言うのは簡単ですが、それを映画として作品化するとどうなるか?タチが喜劇の民主主義を究極的に追求した作品が『プレイタイム』という作品ですが、主人公という主人公はいないし、物語という物語もない。しかし画面に映る殆ど全ての人が何かしら妙な動きをしていたり、背景にも様々な仕掛けがしてある。それが二時間程永遠に繰り広げられる、という凄まじい作品なのです。是非是非、一度ご覧になってみて下さい。

本当に有難い事に、最近片手袋研究を取り上げて頂く機会も増えました。そうなってくると、「僕が片手袋研究を通じて伝えたいことって何だろう?」と自問自答したりもしました。でも正直言って、“伝えたい事”なんて無いんですよね。

何か伝えたい、という衝動や欲求があって片手袋研究を始めた訳ではないんです。いつの間にか始めてしまっていたし、理由などなく続けている。

でも、“分かってきた事”はあるのです。それがまさに、ちば先生の作品やタチの喜劇の民主主義に通じる事なんです。

どんな人にも不幸や優しさを発揮する場面が訪れる。また、そういった場面が訪れるまでにも様々な物語がある。そういった“特別ではないかもしれない私達”でも背負っている豊かな物語。それを象徴しているのが片手袋だし、それを紹介する事が個人的な趣味としての片手袋研究を離れた時に僕が意識している事なのです。

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※子供用の片手袋なんて特にそうです。凄く大事にしていて落として悲しんでるかもしれないし、お母さんに怒られてるかもしれない。でもまた新しい手袋を買って貰って喜んだりもしてるかも。色々な物語が想像されます。

間違っても「ちば先生やタチと自分が同じ事を考えてる」などと大それたことを言いたい訳ではありませんが、とにかく片手袋研究を深めていくきっかけは思わぬ所に潜んでいるのです。

それが最大の楽しみなのかもしれません。


『生唾』

2015-10-26 11:38:10 | 写真

東京では木枯らし一号が吹いたそうで、朝晩などは本当に寒くなってきました。

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昨日も夜、コンビニの前にファッション類らしき片手袋が。今日の朝も既に厚手の手袋をしている人を見掛けました。

いつも言っているように、片手袋を愛しているからと言って皆が手袋を落とすように祈っている訳ではありません。そんなの落とさない方が良いに決まってます。

でも正直。「ゴクリ」。唾を飲み込んでいる自分がいますよ。


『日経新聞を見て下さった方へ』

2015-10-23 19:53:54 | お知らせ

本日の日経新聞の記事をご覧頂き、いつもより多くの方が当「かたてブログ」を訪問して下さっているようです。こんな活動に少しでも興味を持って頂き、本当に有難うございます。

「片手袋研究家」などという謎が多すぎる肩書きを名乗っておりますので、ここで普段僕が行っている事を簡単にまとめてみたいと思います(そうしないと、たまに自分自身不安になってしまうので…)。片手袋研究家の活動は大きく四つに分けられます。

①撮影
屋外屋内問わず、まちで出会った片手袋を必ず撮影しています。なお、見付けた片手袋には触れない、片手袋をわざわざ探しに行く事はしない(偶然の出会いを大事にしている)という自分内ルールを設けています。現在までに四千枚程、片手袋写真を撮影してきました。

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※こんな不自然な片手袋も、僕が演出したのではなく元々この状態だったのです

②妄想・想像
一番分かりにくいと思うのがこれ。出会った片手袋を落とした人は誰なのか?どうして落としてしまったのか?または誰が落ちている片手袋を拾い上げたのか?といった事を想像してニヤニヤしている、という薄気味悪い趣味でございます。何か根拠がある訳でなく自由に空想を広げているので、どちらかというと文学的な態度で楽しんでいます。

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※一か所に二つの片手袋。仲良しの子供が二人揃って忘れていった姿が目に浮かぶようです

③分類・研究
沢山の片手袋と出会っていると、やがて落ちやすい場所や季節などに気付くようになります。こういった傾向や偏りをきちんと分類したり、時代の移り変わりと片手袋の変化の相関関係を考察したり、どちらかというと科学的態度で楽しんでいるのがこの活動です。十年間の研究の末、「片手袋分類図」を確立したのが最大の成果です。なおこの分類図は日々更新、変更を加えている未完成のものです。

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※最近の懸案事項だった「駐車場・コインパーキング系」を追加した、最新の分類図です

④普及
片手袋の魅力を発信するのも大事な活動の一つです。普段はこの「かたてブログ」や「片手袋大全」というホームページを通じて、日々の出会いや研究成果を発信しています。その他に今回の新聞記事やラジオやテレビ、また展覧会で片手袋写真を作品として昇華する事で、様々な角度から片手袋の魅力にスポットライトを当てています。何しろ片手袋には子供の頃から魅かれていますし、研究も十年続けてきたので、話したい事や表現したい事はまだまだ尽きる事がありません!

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※神戸ビエンナーレ2013に作品を出品した事で、それまで個人的な趣味だった片手袋研究を普及していく、という新たなモードに突入しました

以上が片手袋研究の概要です。しかし、映画や本を見ても、仕事中も、まちを歩いている時も、常に片手袋研究に通じる事が無いか考えながら生きているので、もはや人生の大部分を片手袋研究に捧げていると言っても過言ではありません!

…と胸を張れば張る程、どんどん世間から隔絶されてしまうような恐怖感と戦いながら、日々片手袋と向き合っています。でも辞めたいと思った事は一度もないし、僕を突き動かす根底にあるものは、やはり「楽しい!」という衝動なんだと思います。

これから寒さも本格的に厳しくなり、片手袋の旬を迎えます。皆様も一冬に絶対一度は片手袋に出会う筈。そんな時はちょっとだけその片手袋の背後にある物語、そして僕の活動に思いを馳せて頂ければ嬉しいです。

これからもよろしくお願い致します。