僕は談志師匠にとてつもなく大きな影響を受けました。
僕の落語観は全て談志師匠の受け売りです。談志師匠の高座は勿論、談志師匠が嬉しそうに語る昭和の名人を図書館で借りては聞き、感動し、気付けば落語の世界にどっぷりでした。
落語以外でも師匠の語る社会批評や人生観なんかも、いつも「ハッ!」とさせられる新鮮な視点が溢れていて、脳味噌が心地良い悲鳴をあげていました。
実は談志師匠は僕の家のすぐ近所に住んでいて、まちの人達は散歩中の師匠を見掛けると気軽に挨拶していました。
テレビや高座では気難しそうな師匠ですが、そんな時はいつでも笑顔で「あいよー!」と応じていました。でも着ているのはビン・ラディンのTシャツだったりして、さすが、一筋縄ではいかないオーラがありました。
僕も何度も駅や通りで師匠を見掛けたのですが、好き過ぎて遂に話しかけられませんでした。でもいつまでも遠くの存在でいて欲しかったから、それで良かったと思っています。
とにかく。とにかく今は何も考えられません。心にとてつもなく大きな穴があいてしまいました。
今日の片手袋の写真。このブログのタイトルバックにも使っている写真ですが、実は談志師匠の住んでいたマンションの前で見付けたものです。家に帰る途中の談志師匠も見掛けていたかもしれませんね。
今日から、談志のいない世界を生きていかなくてはなりません。
きんぎょー、きんぎょー、いいきんぎょー!