かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『2018年の片手袋研究を振り返る』

2018-12-30 21:38:38 | 雑感

死ぬまで片手袋を続ける。そんなスパンで片手袋研究を捉えていますので、あんまり一年ごとに区切る感覚は無いのですが。それでもやはり年の瀬には色々と思い起こしてしまいます。

今年は二月に『マツコの知らない世界』で片手袋を特集して頂きましたが、世間的に僕の研究を知って頂く機会として過去最大級の舞台となりました。反響も沢山頂きましたし、instagramやTwitterに片手袋写真をアップする方も増えたような気がします。

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片手袋にまつわるありとあらゆる謎を研究対象としてきましたが、それと同時に「何故片手袋なんかにここまではまってしまったんだろう?」という自分への疑問も活動を続ける原動力でした。でも、それって常に自分自身とだけ向かい合っているような気もしていて。

愛好家の分母が大きいジャンルであれば色んな人と魅力を語り合ったり、新しい発見を報告し合ったり、活動を続ける上での苦労を相談したりも出来るんでしょうけど。

しかし、テレビやラジオ、新聞なんかで活動を紹介して頂く機会が増えた事。そして今年初めて小冊子『暮らしお役立ち 片手袋分類図鑑』を作った事。

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そういった事が影響して、徐々に片手袋研究も僕だけの世界から解放され外に向かって開き始めた感じがするんです。

さらに大きかったのが、東急ハンズで行われたマニアフェスタに参加させて頂いた事。

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興味を示して下さるお客さんに片手袋の事を説明していると、なんだか久しぶりに「もっと片手袋の魅力を多くの方に知ってもらいたい!」という気持ちが芽生えてくるのを感じました。

もう一つ、参加したことによって自分の中に大きな変化が。今まで同好の士がいなかったので自分自身の中にある謎と一人で向き合ってきたのですが、ジャンルは違えどマニアの方達は皆同じような事に興奮を覚えたり、同じような事で悩んでいたりする事を知って、なんかすごく救われた気持ちになりました。「あ、俺だけじゃないんだ」と。

東京別視点ガイドさんでの連載DANROさんでの連載片手袋を深く深く語りつくした二月のトークイベント。今年もおかげさまで色々な挑戦の場を提供して頂きました。

そういった経験を踏まえて僕は今、片手袋を自分だけの世界から解放して、より多くの人と共有して楽しんで頂けるようなものになるよう取り組んでいきたいと思っています。実はすでにその為の新しい取り組みを進めていたりするのですが、それはいずれまた発表致します。

最後に毎年恒例、2018年最も印象的だった片手袋=MVS(Most Valuable KATATEBUKURO)を発表させて頂きます。今年は海洋研究開発機構さんに取材して見せて頂いた、水深数千mの海底に佇む片手袋たちです!

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詳細はこちらの記事にまとめましたのでご覧ください。

来年、2019年も色々な事に挑戦していきたいと思います。片手袋研究の事を少しでも気にして下さった皆様。これからの片手袋研究にご期待ください。良いお年を!

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片手袋研究家
石井公二


『不審者』

2018-12-20 22:09:00 | 写真

「火の用心!」

今年最初の火の用心に行ってきた。札幌の事件もあったし、何がきっかけで大惨事が起こるか分からない。気を引き締めて拍子木を鳴らす。

「火の用心!」

懐中電灯で路地の隅々まで照らし、不審者がいないかどうかも確かめる。町内を隈なく歩いていくと、狭いと思っていた町も意外な広がりを持っている事に気付く。

「火の用心!」

心地良い疲労感と共に無事帰宅。

(そういえば…)

妻が近所で片手袋を目撃したと言っていた。夜間の撮影になるのでミラーレス一眼を持って、現場に直行。通りを挟んで交番の向かい側に無事発見。

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これは地面にあるけど介入型だな。何故かミラーレスを構える俺を、ジロジロ見る仕事帰りの人々。そこで気が付いた。

「火の用心!って、不審者は俺だろうがよ!」

おやすみなさい。


『バスが恐ろしい』

2018-12-19 22:35:01 | 写真

私はバスが怖い。

車内からボーっと外を眺めている時、路上に片手袋を発見してしまう事がある。私は「出会った片手袋は(死なない限り)必ず撮影する」ということを公言している。

だから、バスから降りる。そして撮りに行く。当然、物凄く無駄な時間とお金のロスになる。必然、バスに乗る時は伏し目がちになる。外の景色を見ないように。

しかし昨日はラッキーだった。車内のチラシ置き場に介入型片手袋。

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撮影していると車内の人々に怪しまれる危険性はあるものの、強制的にぶらり途中下車の旅になるよりはずっと良い。

(初めて出会うパターンだな。“ご自由にお取りください”の所に、むしろ置いちゃってるのが良いね~)

などと浮かれてしまったのがいけなかった。つい外を見てしまったのである。そして、しっかり路上に見つけてしまった。

(しまった!)

もう遅い。慌てて降車ブザーを押し、ぶらり途中下車。

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(おやおや、ファッション類介入型ガードレール系片手袋ですかぁ~?)

脳内に滝口順平のナレーションが流れる。目的地まではまだ数駅あった。しかしもう一度バスを待って乗るのはなんか嫌だ。私はトボトボと寒い冬の町を歩き始めた。

その夜。母から一通のメールが入った。

「今日、バスに子供用の片手袋がありました」

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母ちゃん、俺も同じバスに乗ったし、片手袋も撮ったよ…。

トータル、なんだかよく分からない一日であった。