先日子供が教えてくれたのだが、小さい時に連れてった葛西臨海水族園から海(旧江戸川)越しにディズニーランドが見えて、(ふわ〜、アメリカってやっぱり凄いな〜)と思ってたそうだ。海を越えて見えるもの、それはアメリカなんだろうという認識だったらしい。
最初は大笑いしてしまったが、子供に限らず人間の認識なんて知識や体格や環境によって制限されてしまうものなのだろう。
2004年に最初の一枚を撮影し、2005年に本格的な研究を開始した片手袋活動も今年で16年目に突入した。
※記念すべき最初の一枚
昨年、2019年の12月には15年間の研究の集大成となる書籍も出版することが出来た。
※『片手袋研究入門』(実業之日本社)より好評発売中!絶対にもっと多くの方に読んで欲しい!
2005年の私が現在の私が立っている場所を見たら、海の向こうのアメリカと思うかもしれない。しかし、ここはアメリカではない。私が何とか越えてきたのは海ではなくまだ川なのだ。
書籍を出版する事でようやく片手袋研究の土台を作ることは出来たと思う。しかし同時に、次に渡っていくべき大海原も見えた。渡った先にあるのは、そう「世界」。
長年(なんで自分だけが片手袋に憑りつかれてしまったのだろう)という悩みを抱えてきた。しかし、SNSの登場によって分かったのは、意外にも世界中に片手袋を撮影している人達がいる、という現実である(試しにInstagramで「#lostglove」で検索してみて欲しい)。
ではそれに気付いたら、(ああ、俺だけじゃなかった!)と解放されたか?いいや、逆である。(では何故、片手袋は世界中の人を惹きつけるんだろう?国によって違いはあるんだろうか?みんな、片手袋に何を見出しているのだろう?)。結局、研究のテーマがさらに増えてしまっただけだった。
しかし、日本国内でさえニッチな片手袋で、世界の愛好家達と繋がる事なんで出来るのだろうか?そんな事を考えてた折、なんとフランスのAFP通信から取材依頼が来た。今年の6月の事であった。
その時の動画がこちら。
AFPは通信社なので、この動画は世界中に配信された。するとすぐに、今度はドイツの国営放送からも取材があった。
動画はこちら。
全く予想していなかった、海外からの立て続けの取材依頼。配信先を見ると、各国で反応してくれている人達がいる。中にはやはり「私も撮ってるよ!」という方もいらっしゃる。
(こ、これはいけるのではないか!)。その矢先、これまた絶妙のタイミングで絶妙のメールが届いた。
「片手袋研究を海外に発信しませんか?」
マニアフェスタ等で長年お世話になっている、別視点さんからのお誘いだった。別視点さんとアメリカのKickstarterが組んで「日本のマニアを世界に届けよう!」というプロジェクトを始める。その第1弾に片手袋研究を選んで下さったのだ。
自分自身、興味のあるクラウドファンディングには結構購入してきたが、自分が主体となる可能性については全く考えたことがなかった。正直、やるかどうか少々悩んだのだが、このタイミングでこのお話が来たのには運命的なものを感じたので、お願いする事にした。
具体的には、「まず第一に英語版の片手袋ビジュアルブックを作成し、購入者にお届けする。そして一定以上の金額が集まれば、世界の関心のありそうなメディア・施設・企業などにビジュアルブックを配布する」というプロジェクトに設定して貰った。
これならば私の片手袋研究を世界に届けるだけでなく、より多くの人や場に片手袋を知ってもらい、世界中の片手袋情報を集約するハブにもなり得る筈だ。そしてあくまでこれはプロジェクトの第一弾。この先にも様々なマニアの活動を世界に発信していく事で、日本と世界の路上が接続される。それは必ず、片手袋研究にも大きなフィードバックをもたらす筈なのだ。
プロジェクト名、およびビジュアルブックのタイトルは『LOST GLOVE On The Road』。
/1これは「路上の片手袋」という意味は勿論、「片手袋研究は、世界の路上を知る過程はまだ途上(On The Road)である」という意味も含まれている。
プロジェクト発足から多くの方々のご協力を頂き、9/15に公開にこぎつけた。基本的には世界に向けたプロジェクトなので、サイトは英語になっている。
こちらがその、クラウドファンディングのページ。
しかし勿論、日本の皆様からのご支援も超絶重要。日本語の概要ページもあります。
こちらは動画で分かりやすくまとめてあります。
9/26(土)にはマニアフェスタオンライン内のイベントとして、今回のプロジェクトを語りつくすトークイベントもあります。ぜひご参加ください。詳細はこちらから。
「片手袋を世界に!」なんて冗談に聞こえるかもしれないが、本当に実現に向けて色々と動き出した。クラウドファンディングの期間は2ヶ月間。なんとしても目標に到達したい。あなた様からの貴重なご支援、お待ちしております。