かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『片手袋と僕との間にある強力な力』

2013-07-29 21:41:11 | 片手袋研究発表

本日は片手袋に限らず「一つの事に集中する事によって見えてくる不思議な世界」について。

僕が片手袋を撮り始めた八年前。同時にmixiでコミュニティを立ち上げて、参加者に写真の投稿を呼び掛けた。嬉しい事に趣旨を的確に受け取って下さった方々が、続々と片手袋の写真を投稿してくれた。

僕もまちを歩くたびに目を皿のようにして片手袋を探す日々。僕自身の発見、そして投稿して下さる方々の発見により、当初想定したよりも遙かに片手袋の世界が広く深い事が判明していった。

僕はどんどん片手袋探しにのめり込んでいき、片手袋を見付けだす眼力は研ぎ澄まされていった。ちょっとオカルトチックな話になってくるが、そこまで集中力が高まってくると、「なんか、あそこの角を曲がったら片手袋が落ちてるような気がする」という不思議な感覚が襲ってきて、実際落ちている、という事が何回もあった。

まあ、これは“実際会った時の記憶だけを都合よく残している”という事だと思うのだが、それにしても一つの事を極めていくと不思議な世界を垣間見てしまう瞬間があるものだ。

例えばこれ。

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釣りをしていて「きたきた~!」と巻き上げたら片手袋。

例えばこれ。

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家の前に停めてある自転車のかごに片手袋。しかもうちの家族の物ではないという…。

こんな事が続くと、僕が片手袋を探しているのか、片手袋が僕を追い掛けているのか分からなくなってくる。そして思い込みはどんどん加速していく。「僕と片手袋は何か強力な力で結ばれているのだ!」。

片手袋生活も八年になってくると、流石に初期の頃に感じていたそんな強烈な思いも落ち着きを見せている。最近はむしろ冷静に片手袋を取り巻く現象を分析、整理しようという態度になってきているし、それがこの毎週月曜日の研究発表に結実していると思う。

しかし最近、再び片手袋との強力な力を意識せずにはいられない物凄い事件が起きたのです!

それは、奥さんが押入れの奥から引っ張り出してきた古い写真を見ている時に起きました。

奥さんが親戚のお兄さんに抱っこされているだけの何の変哲もない写真。

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ん?ちょっと待て。

Img_34201_2


…おい。おい、まさか!

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片手袋が映ってるじゃねーか!

僕と出会う遥か前の奥さんの写真に映り込んでいる片手袋…。

大昔の人は全く関係のない無数の星々から“てんびん”やら“やぎ”やら“へび使い”やらを見出し、そこに物語を重ねた。それは思い込みであっただろうが、思いこんでしまう人間の心の動きには何かしらの必然性があった筈なのだ。

だから僕も再び言おう。「僕と片手袋は何か強力な力で結ばれているのだ!」。


『神戸ビエンナーレへの道~その13~』

2013-07-24 23:58:29 | 神戸ビエンナーレ2013

う~ん…。一つ困ってる事が。

ブログやmixiで、長い事片手袋について書いたり写真を紹介したりしてるとは言え、所詮は個人的な活動。自分がやってる事について客観的に考えてみたりする機会が今までありませんでした。

しかし、今回神戸ビエンナーレに入選して、色んな方にDMなんかを渡してるんですね。つまり、僕の活動が初めて拡がりを持ち始めた訳です。

すると当然、神戸ビエンナーレについて説明する前に、片手袋を撮り続けてきた事を説明しなくてはならない訳です。

すると、決して少なくない数の人がこんな写真を見て、

Img_2505

「あ、あなたが拾った片手袋を面白い場所に置いて写真を撮ってるのね!」と受け取ってしまうんです。

これは予想してませんでした。僕は片手袋を撮り始めた最初の頃から、何となく「見付けた片手袋に触れたり細工したりするのはやめよう」と決めたし、それは正しかったと思うんです。

そのスタイルで長年やってきたもので、まさか他人が“片手袋を見付ける→拾ってどこかに置く→写真を撮る”という風に捉えてしまうとは考えもしなかったんです。

まあ、片手袋がこんなに沢山落ちてる、という事や、これだけ変な場所にある、という事が信じられないぐらいインパクトがある、という事なんでしょうが。

でも、今回の出品作、『まちに咲く五本指』はそういう風に捉えられてしまうと僕が伝えたい事と違ってきてしまうので…。

作品は出来ればそれ単体で成立するのが望ましいんでしょうけど、僕がやってきた片手袋という活動がどういうものなのか?を鑑賞者に上手く分かってもらう方法を模索中です。


『置かれる人』

2013-07-23 19:50:00 | 写真

Img_3381駐車してあるバイクの上に置かれた片手袋。

恐らく片手袋を拾った人が、何となくそばに停めてあったバイクに置いたのでしょう。

でもこれ、この間実際に自分のバイクの上に片手袋が置かれていた知り合いに聞いたんですけど、非常に困るそうです。

なんとなく捨てにくいし、かと言って自分のじゃない訳だし。仕方ないからずっとそのままにしてあるとか…。

片手袋に関係する人は、“落とした人”“拾った人”“撮る人(これはまあ僕の事で非常に特殊ですが)”の三パターンだと思ってたんですけど、“置かれる人”というのも加える事が出来そうです。


『愛燦々』

2013-07-18 22:53:50 | 写真

Img_3394神戸ビエンナーレの準備に追われ、なかなかブログを更新できない日々です。

でも、こんな暑さでも相変わらず結構出会ってます。

そもそも、僕が八年前に片手袋の活動をmixi上で公に開始したのも、真夏でした。

その時は八年後、自分がずっと片手袋を撮り続けてるとも、その写真を大きな舞台で発表できるとも、全く想像していなかったな~。