子供の頃、最初に読んだ偉人伝はベーブ・ルースでした。ベーブ・ルースがカブス相手に予告ホームランを打つ所。野球小僧には眩しくて恰好良過ぎました。
予告通りに何かを成し遂げる恰好良さ。
話は変わりますが、僕は釣りが好きで、釣りビジョンというチャンネルをしょっちゅう見てるんです。特に『SEABASS JOURNEY』という番組が凄く好きなんです。
この番組はプロシーバスアングラー(スズキ釣り師)の村岡昌憲さんという方が、主に彼の主戦場である東京湾以外の地でシーバスを釣ろうとする番組です。
全く土地勘のない地方でガチンコ勝負をするので、一時間番組で一匹も釣れないで終わる事もあるんです。しかし、それでも不思議と面白いんですよね。
気候や流れや小魚の動きなんかを見ながら、どこにスズキがいるのかを推察して追い求めていく村岡さんの姿勢を眺めているだけで感動が湧いてくるんです。
予告通りにならない、けれどもがき苦しみ何とか前進しようとする恰好良さ。
何度か書いたと思いますが、僕はこんなに沢山の片手袋と遭遇していながら、一度も“片手袋を撮る、という目的”の為だけに出掛けた事ってないんです。つまり、このブログで日々報告している片手袋達は、全て偶然出会ったものばかりです。
しかし、もし狙って片手袋を見付けなければいけないとしたら、片手袋研究家の僕にはそれが出来るのか?
八年間で様々な研究を積み重ね、片手袋の発生しやすい状況や場所なども分かってきましたが、必ず見付けられるか?と言われれば正直やってみなければ分かりません。
そこで、先日終電を逃してしまい家まで5kmくらい歩く羽目になったついでに、試しにやってみました。“予告片手袋遭遇”を。
まだ片手袋のフルシーズンには程遠いのですが、ガードレールや路肩など、片手袋が発生しやすい場所を重点的にチェックしながら歩きます。しかしやっぱり、歩いても歩いても全然見つかりません。
普段、望まずとも山ほど片手袋と出会ってる気がしてましたが、いざ意識的に探してみると無いんですよね~。勿論、今年はまだまだ寒さが本格的になっていない事も大きな原因ではありますが。
40分ほど歩いて、もうすぐ家に到着、というところで諦めました。「こりゃ、確実に見付けるのって至難の業だな…」。“片手袋研究家”という肩書に恥ずかしさを覚え始めたその時!
自宅のすぐそばに落ちていました!
普段ならイマイチ感動の薄い“ディスポーザル類”でしたが、物凄く嬉しかったですね。
結局5km近く歩いて、出会ったのは一個。僕が予告通りに成し遂げたのかは微妙な所です。理想を言えば、例え一個も見付けられなくても、何か魅せられる所がある。そんな片手袋研究家になれれば最高ですけどね。
※(この日の実験、後日何かに繋がるかもしれません)