かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『七福神巡りと片手袋探しの記2017②~片手袋GO編~』

2017-01-12 23:51:24 | インポート

2017年1月9日。成人の日。いよいよ初めて、大勢で七福神巡りと片手袋探しをする本番の日です。

正直「こんな企画に応募してくれる人がいるのかな?」と心配していたのですが、なんと告知から二日目で定員は埋まってしまったのです!驚くやら嬉しいやらで、事前の仕込みにも力が入りました。

しかし、この『片手袋GO』の打ち合わせを東京別視点ガイドの松澤さんとしていた時、僕はこんな事を言いました。

「いや~、面白くなりそうですね!でも一つ心配なのは、僕強烈な雨男なんですよ!」

事実、僕の今までの人生、大事なイベントの日は75%位雨が降ってました。ツアーに来てくれる人がいて、仕込みも完璧だったとしても、雨が降ってしまってはそもそも中止になってしまいます。

祈るような気持で当日を迎えたのですが…。なんと嫌な予感は的中。朝から結構激しい雨が降っていたのです。それでも天気予報を見てみるとツアーが始まる13時には晴れマークが出ていたので、中止にはしませんでした。

東京別視点の方々と当日最終打ち合わせをする為に集合場所である田端に向かう最中も、一向に雨が止む気配はありません。打ち合わせを終え、暗い気持ちで田端駅改札に向かいます。

正直そんな天気ではキャンセルも覚悟していたのですが、集合場所には続々とお客様が集まってきてくれました。そして嬉しい事に一人のキャンセルもなく全員が集合した頃、見事に青空が顔を出したのです!

そして13時。片手袋とツアーの簡単な概要をお伝えして、『片手袋GO』のスタートです!

…とここまで書いて、当日の楽しい模様のご報告をしようと思ったのですが。僕は携帯の写真フォルダを見て自分に呆れてしまいました。

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せっかく初めて片手袋に興味を持って下さった方が集まったのに、皆で町を歩く様子とか片手袋を囲む様子の写真が一枚もないんです!見事に片手袋の写真しか撮ってないんです!これじゃあ、記録として何にも残らないよ…。

でもとにかく当日の様子をご報告させて頂くと、まず片手袋は沢山見つかりました!実は田端出発直後、すぐに嫌な予感がしたんです。雨上がりの町は色々なものが洗い流されてしまったようで、何だかツルンとした印象だったのです。視界の中で引っ掛かってくるものがない、と言いますか。

七福神巡り一つ目のお寺、東覚寺をお参りして暫くはそんな印象が続きました。「ああ、今日は本当にやばいかも…」と思った瞬間!

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一つ目の片手袋が現れてくれた時は心底、ホッとしました。しかしやはり皆さん気付かなかったみたいで、僕が

「皆さん、ありましたよ!」

と報告した瞬間、「おおーっ!」という歓声が上がったのには笑いましたね。七福神巡りをしている他の団体の方が不思議そうにこちらを見ていました。

この日は東京別視点ガイドさんが本当によく準備してくれていて。

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こんな可愛らしいパンフレットとか、七福神にちなんで用意された人形焼きをおやつに頂いたりしました。

この日は一応、七福神巡りより片手袋にウェイトを置いた為、時間の掛かる七福神の御朱印は無しにさせて頂きました。その代わり片手袋が見つかる度、皆様にお配りした台紙に

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こんな風に片手袋御朱印を押しましたよ。

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片手袋が一つ見つかる度、僕が分類や見るべきポイントをみっちり解説していきます。さらにこの日は、昨年片手袋写真の展示をさせて頂いた手袋製造メーカーの方も参加して下さっていてたので、推定値段や材質の特徴まで補足して貰いました。僕一人で解説するより、さらに多角的に片手袋を見られたと思います。

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良いテンポで片手袋が現れてくれます。七福神巡りも雨上がり直後だったのが幸いして、スムーズに参拝が出来ました。例年、平日でもかなり行列の出来るお寺があるものですから、祝日のこの日は参拝を諦める場所が出てくるのも覚悟していました。こればっかりは雨男なのが吉と出ましたね。

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こちらの片手袋は、恥ずかしながら僕が見落としていたのを参加者の方が見付けて下さったのです。やはり大勢で歩いたことで、普段自分がどれ程の片手袋を見過ごしているか、という事に気付かされましたね。また見つかった片手袋の特徴や、その片手袋がどうやってうまれたのかを皆でワイワイと話し合えるのが楽しかったです。

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ちょうど三時間程歩いて、ゴールである不忍池の弁天堂に到着。無事七福神巡りを達成しました。そしてスタートからゴールまでの間に見つかった片手袋の数は、

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なんと七枚だったのです!これは鳥肌もんでした!だってこの「七福神巡り&片手袋探し」、2014年から始めて、

2014=7枚
2015=7枚
2016=4枚
2017=7枚

なんですよ!2016年だって片手袋は4枚でしたけど、両手袋も3組見付けてたので足したら7。ちょっとこれは七福神が見守ってくれていた、としか考えられません!

感動のフィナーレを迎え、最後に皆様に感謝の言葉を述べさせて頂きました。だってこの企画、2014年から一人で始めて毎年このブログで報告してましたが、各年の最後の文章を見て下さいよ。

2014
「適当に始めてしまった今回の企画ですけど、正直に言って凄く面白かったです。七福神巡りに限らず、何かの目的でまち歩きをしながら片手袋も探す、というのは良い企画かも。いつか片手袋愛好家がもっと増えたら、実現してみたいです。」

2015
「この先、もっと片手袋探しがメジャーになってくれれば、いずれイベント化して大勢でやるのも楽しいと思うのですが…。果たしてそんな日は来るのでしょうか?」

2016
「P.S とは言え、この『七福神巡り&片手袋探し』。本当に結構面白いので、来年は参加者募ったりしたらやりたい人っていますかね?」

これが本当に実現してしまったんですよ?心底嬉しかったですよ!そして多分、参加して下さった皆様も楽しんで頂いたんじゃないか?そんな感触がありました。

皆様とお別れして、東京別視点ガイドのお二人とツアーを振り返りながら歩いていた帰り道。

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当たり前のようにまだ片手袋が姿を現します。二人と別れて一人になってからも。

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夢のような時間が過ぎ、また僕の日常が戻ってきました。

「ああ、俺の片手袋ツアーに終わりはないんだ。終着点は死ぬ時なんだ…」

でもそうであるからなおさら、皆様と歩けたあの非日常はとても貴重な物でした。参加者の皆様、東京別視点ガイドの皆様、本当にありがとうございました!

またいつの日か、片手袋探しツアーを企画しますので、その時は是非参加してみて下さい!


『祝11周年!』

2016-08-27 21:53:59 | インポート

実は8/24で片手袋研究は11周年を迎えていたのです!

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2005年のある日。小学校の時から気になっていた片手袋を携帯で撮った僕。そこからまさか、11年間も続ける事になろうとはね~。

人が見向きもしないような事を突き詰めていると、「楽しそうで良いですね!」と言われる事もあります。でもね、実際はもう、“楽しい”とかいう段階はとっくに過ぎているんですよ。一言で言うとそれはもう、“業”に近いというか。

本来の意味で言う、“でも、やるんだよ”ですよね。

神戸ビエンナーレで作品を発表させて頂いた2013年以降、それまでの無風状態が嘘のように、毎年何かしらの媒体で取り上げて頂いたり、作品を発表させて頂けるようになりました。考えてみれば、そういう状況になってみて初めて、「俺は何でこんな事やってるんだろう?」という客観性を持つようになった気がします。人に伝える必要が出てきたので。

その答えは未だに見付けていないのですが、「楽しいとか楽しくないの段階は過ぎた」って事はつまり、「死ぬまでやめる事はないだろう」という段階にまで来たようです。12年目もひたすら、撮り、研究し、発表し続けていきますので、たまに思い出したら当ブログやHP「片手袋大全」を覗いてみて下さいね!

本日8/27は、23:00から以前放送された「中川翔子のマニア★まにある」の再放送もあります。そちらもぜひよろしくお願い致します!

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片手袋研究家 石井公二

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来月に迫った片手袋トークイベント。残席が僅か四席となっています。ご予約はお早めに!

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詳細はこちらをご覧ください。


『洗濯バサミという選択』

2015-12-29 20:46:42 | インポート

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放置型片手袋から受ける印象って、どちらかというと「寂しさ」や「儚さ」みたいなものですよね(勿論、笑えるのも沢山ありますが)。

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一方の介入型片手袋からは、見知らぬ人の落し物でも素通りできない人間の「優しさ」みたいなものを感じる訳です。

そんな介入型の中でも特に優しさを感じて、タモリ倶楽部などでも紹介させて頂いたのがこちら。

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こういう袋入りの介入型。片手袋を拾ってからわざわざ一回家に帰って袋を取ってきたんでしょうかね?すごい繊細な心遣いだと思うんです。

先日、この袋入りに迫る繊細な介入型を見付けました。惜しむらくは両手袋だったのですが…。

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洗濯バサミで手袋を挟み、その洗濯バサミを電柱に固定する為にビニール紐を用いる。手間がかかってますよ~。

以前も特集した事があるのですが、介入型電柱系は電柱に固定しなければいけない、というハードルをクリアする為の工夫が、そのまま人間の優しさの象徴になってるのが面白いですね。