かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『ホモ・ルーデンスではなくホモ・リラトゥス』

2017-05-15 23:58:00 | ワンテーマ

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標識や看板、注意書き、果ては謎の文字列まで。町には沢山の文章が溢れていますが、基本的にそれらは、その文言を発した主の姿が見えない状況で発せられています。

しかしその横に片手袋が現れると…。

なんだか急に無機質な文字列が肉体性を帯びてくるように感じられませんか?つまり、「駐車禁止!」と訴えている人が浮かび上がってくるような。

それだけでなく、何故か文章と片手袋が呼応して、様々な物語が浮かび上がってきます。例えば「立小便禁止」の看板の横に置かれた片手袋は、看板を無視して立小便をしてしまった不届き者が浮かんでくるようです。

人間は壁のシミを見てもそこに具体的なイメージを思い浮かべてしまいます。本来全く関係のない星々を結び付けて具体的な図像を描きます。

ホイジンガは人間を「遊ぶ人」と解釈して「ホモ・ルーデンス」としましたが、僕は人間を「関連付ける人」と解釈して「ホモ・リラトゥス(relātus)」と呼びたいですね。まあ、たぶんラテン語として間違ってますけども。


『愛のむきだし』

2017-05-12 23:49:00 | 写真

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なんてことはない「軽作業類放置型横断歩道系片手袋」に見えますが、片手袋撮影のテクニックが発揮されてますよ。

何しろ横断歩道ですから。他の歩行者や右左折車の邪魔になってはいけません。したがって、歩きながら撮影して、なおかつブレないように注意しなければなりません。

これぞ十数年、片手袋に愛を注ぎ込んだ成果ですよ!こんなにも他に役立たない成果も珍しいですね!

おやすみなさいっ!


『ゴミとしての片手袋』

2017-05-09 23:54:00 | 片手袋研究発表

片手袋の発生理由ですが、「落としてしまった=放置型」「落ちていたものが拾われた=介入型」の二種類を主に考えてきました。

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あとは今のところ便宜上放置型の第三段階に組み入れてる、「実用系片手袋」があります。これは「何かの作業用として敢えて片方だけ使われている」という発生理由なので、実は放置型にも介入型にも当てはまらないと考えています。

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※これは鉄柱の養生が目的と思われる

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※これは魚をさばく際に使うと思われる

整理すると片手袋の発生理由は大きく分けて、

1.持ち主が落とした
2.落ちている片手袋を誰かが拾った
3.作業のためにわざと片方だけになっている

の三つが考えられます。でも、本当はもう一つあると思っているのです。

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これはペンキだらけの重作業類片手袋。放置型です。この場所ではずっと道路工事をやっていたのですが、おそらく作業中に汚れてしまったのでしょう。

この片手袋が当てはまるかは別として、もう一つの可能性とは「いらなくなって捨てていった」というものです。

良くない事だし、落ちている手袋一つから人間の心理や行動の奥深さを読み解こうとする片手袋研究家としては悲しい事なのですが、「汚れたり破れたりして持ち主がその場に捨てていった片手袋」も存在している筈なのです。いわば「投棄型片手袋」とでも言いましょうか。

ただ投棄型片手袋は、形として放置型片手袋と殆ど同じなので、落ちている片手袋を見ただけではその違いが判別出来ません。なので分類図に加えることはまだ考えていませんが、可能性としては絶対にある筈です。

異常に汚かったりボロボロになってたりする作業用片手袋を見ると、物語の入り込む余地のない「ゴミとしての片手袋達」の存在を思い、心が痛みます。

しかし、片手袋研究家は「どんなものであれ、片方だけになっている手袋は全て考察の対象とする」のが役割。投棄型片手袋についても、引き続き考察を怠らないよう頑張ります。


『タフォノミー』

2017-05-06 23:45:00 | インポート

二週間程前に出会った片手袋ですが、

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↑この状態が、

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↑この状態に変化してました。

やはり色んな種類の片手袋に出会うのも楽しいですが、一つの片手袋の変化を追っていくのも面白いですね。

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過去には三日間でこれほど目まぐるしく変化を遂げた片手袋もありました。まあ、三日連続この場所を通った事自体偶然だったので、通常はなかなかこのような機会には恵まれないのですが。

化石の世界では「タフォノミー」という言葉があるそうですが、一つの片手袋に張り付いてその変化を見届けたい、というのが研究家としての本音です。


『籠の中の片手袋』

2017-05-03 23:59:00 | 写真

冬場だけでなく、一年を通じてコンスタントに出会える片手袋がいくつかある。『放置型籠系片手袋』もそのうちの一つだ。

惜しむらくは、それが発生するメカニズムを未だ明確に解明出来ていない事。しかし、このタイプが多いことだけは事実なのだ。駅前の駐輪場などを一回りしていれば、大抵一つは籠に入った片手袋を見つけることが出来る。

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これも先日で合った『軽作業類放置型籠系片手袋』。不思議なもので、このタイプは冬でも圧倒的に軽作業類が多い。

そんな訳で、自転車やバイクを見ると籠をチェックせずにはいられない体質になってしまった。つくづく「片手袋によって俺の人生は様々に変わってしまったなぁ」と実感する。