『地球帝国秘密諜報員』 ポール・アンダースン (ハヤカワ文庫 SF)
昔懐かしきスペースオペラの傑作。
どこが古臭さをおぼえるポイントなのかは、自分でも理解できていないんだけど、70年代以降の宇宙SFとは異なる味わいがある。
この手の小説の代表はヴァン・ヴォクトの『非Aの世界』とかかなぁ。同時代に書かれたものの中でも、『虎よ! 虎よ!』はちょっと違うような気がする。
主人公は地球帝国秘密諜報員、ドミニク・フランドリー。肉体派というよりは、頭脳派。女には目がなくて、タバコが動力源。かの高名な女王陛下の秘密諜報員、ジェームス・ボンドに似ているといわれているが、初出はこちらが先。らしい。
はっきりいって、後半の中篇以外は退屈。ふーんっていう感じで終わってしまい、まさに読み捨て用のパルプ・フィクション。しかし、中篇「〈天空洞〉の狩人たち」は非常に凝った謎解きと、ハラハラドキドキの展開で読ませる秀作。
敵性異星人に電撃的に占領された惑星から地球帝国に助けを求めるために逃げてきた少女キットと、女好きの諜報員フランドリーの関係は、ルパンⅢ世とクラリスの関係にも似て、甘酸っぱくも悲しい。
ドミニク・フランドリー物は、英米では大人気でシリーズ化されたらしいのだが、日本での出版はこれ一冊。
ただ、続編が出るにしても、今さら読まなくてもいいかなぁ。
と思ったら、ハヤカワ・オンラインに登録されているポール・アンダースンは『折れた魔剣』だけなのかよ。これはこれで寂しすぐるぅ~。
昔懐かしきスペースオペラの傑作。
どこが古臭さをおぼえるポイントなのかは、自分でも理解できていないんだけど、70年代以降の宇宙SFとは異なる味わいがある。
この手の小説の代表はヴァン・ヴォクトの『非Aの世界』とかかなぁ。同時代に書かれたものの中でも、『虎よ! 虎よ!』はちょっと違うような気がする。
主人公は地球帝国秘密諜報員、ドミニク・フランドリー。肉体派というよりは、頭脳派。女には目がなくて、タバコが動力源。かの高名な女王陛下の秘密諜報員、ジェームス・ボンドに似ているといわれているが、初出はこちらが先。らしい。
はっきりいって、後半の中篇以外は退屈。ふーんっていう感じで終わってしまい、まさに読み捨て用のパルプ・フィクション。しかし、中篇「〈天空洞〉の狩人たち」は非常に凝った謎解きと、ハラハラドキドキの展開で読ませる秀作。
敵性異星人に電撃的に占領された惑星から地球帝国に助けを求めるために逃げてきた少女キットと、女好きの諜報員フランドリーの関係は、ルパンⅢ世とクラリスの関係にも似て、甘酸っぱくも悲しい。
ドミニク・フランドリー物は、英米では大人気でシリーズ化されたらしいのだが、日本での出版はこれ一冊。
ただ、続編が出るにしても、今さら読まなくてもいいかなぁ。
と思ったら、ハヤカワ・オンラインに登録されているポール・アンダースンは『折れた魔剣』だけなのかよ。これはこれで寂しすぐるぅ~。