オールドヨットマンの残日録・ZANJITSUROKU

相模湾に育てられて60余年、ヨットレースや仲間との思い出を大切に、これからの日々を健康で明るく楽しく、絵日記に綴ろう。

荒川を溯る

2013-11-07 20:19:22 | 日記
新しいチャンネル

 東京港の小型船の仕事に就いて3年目に入った。 東京港といっても範囲は広く、新都心エリアの運河、隅田川・荒川などの河川も含まれている。実際に運河や川を航行する船舶は多い。 遊覧船・屋形船から、建設工事の資材を運ぶ船、工事に関わるクレーン船、パワーショベル(ゆんぼ)を積んだ船などなど・・・。 昨年から今年にかけて隅田川沿いの中学の建て直し工事があり、3ケ月ほど通ったこともある。 

 今回、縁あって荒川を溯る仕事になった。 夢の島ヨットハーバー前を通って荒川河口に出る。 そこには首都高速湾岸線の橋である荒川湾岸橋があり、南は東京湾、北は荒川である。 葛西橋・船堀橋などいくつもの橋や鉄橋をくぐって上がっていく。  川幅は結構広いが岸近くは浅いので真ん中を航行する。
 20kmほど上がると岩淵水門がある。 隅田川のはじまりの水門だが、もともと隅田川が荒川で、今の荒川は明治43年の大洪水を契機に大正から昭和の初期にかけて人力で造られたものだそうだ。 荒川と呼ばれるぐらいだから暴れ川でたびたび水害をもたらしていたらしい。 そこで20年もの歳月をかけて荒川放水路を造ったという。 ブルドーザなどなかった時代、膨大な工事であったことが想像できる。 決断・実行したスケールの大きな政治家がいた、ということか、などと考えながら上がっていった。 25km上がった戸田橋近辺が今回の目的地で、ゆったりとしたのどかな風景がそこにあった。