家庭や人が使用する施設の空調機器は快適な住空間を作る上で欠かせない。多くの空調機が稼働しているし、使用頻度も多くなっている。余り神経質になる必要はないが、果たしてどれくらい、機能をして承知していて、メンテナンスが出来ているのか疑問である。一度設置されると故障するまで放置し、メンテナンスなど一度もしていない、又は機能が疑われる粗い目のフィルターの掃除ぐらいで、殆ど手を付けていないのが普通である。
空気清浄機や、エアーコンディショナー、加湿空気清浄器、除湿器、エアーサーキュレーター等の名称がどうも過信に通じ、除菌効果や、ダニや微生物を除去するなどの過大効果を信じているためではないかと錯覚しているようである。もう一度取扱説明書をご覧頂くことをお薦めしたい。
それぞれの機能は、価格や特性によって若干異なるが、単純に機構を知れば、機器名称からイメージした効果がどれだけ行われているか疑問が生じるであろう。まず過信に気づくはずである。機器が指定しているメンテナンスを行って始めて効果が発揮できるのであって、メンテナンスをせず使用していれば、返って劣悪な環境を作ることになる。
エアコン(エアーコンディショナー)といわれる機器は冷房効果と暖房効果を合わせ手持ち、冷房効果は合わせて除湿を行う。外気を採り入れる機能と外気を遮断する機能はあるが、不織布などのフィルター(マスクと同じ)を通した空気を冷媒に触れさせて冷やし、除湿と冷房を行う。コンバーターで空気の流れを逆にして暖房に使っている。原理は、気体を圧縮すると熱が発生し、蒸発させるとこのときに周りから熱を奪うために冷房となる。打ち水の原理である。閉じた系である冷媒といわれる物質は水より揮発しやすく、圧縮しやすいアンモニアやフッ化物が使われている。
加湿空気清浄機は加湿器であり、室内の空気の湿度を高める効果であり、常に給水が必要である。空気清浄機能は活性炭や、不織布で作ったフィルターを通すだけである。イオンの発生や、紫外線で微細な細菌を死滅させるといわれている除菌機能の効果ははなはだ疑わしい。最悪なのは、給水に使っている水は総てが蒸発に使われるのではなく、トレイに残留し、格好のカビの発生する条件を作る。定期的にトレイや給水装置を清掃しなければならない。
どの機器も万能ではなく、過信は禁物で、除菌は難しい。カビの生えやすい環境でのカビ発生は避けられず、面倒ではあるが、まめにフィルターの清掃・交換を行うことが大切である。