8月18日 19日
大泊の駅は引揚げの婦女子でごった返していた
街の映画館で 乗船を待ち一夜を過ごすが ここも溢れんばかりの人・人・人だった
母38歳 長姉18歳 次姉14歳 私 妹10歳 弟4歳 末の妹11ヵ月
7名がはぐれないように身を寄せ合って過ごす
19日だったと思うが 夜になって乗船順番が来たらしい
港まで真っ暗な夜道をひたすら歩いたが遠かった
母は11ヵ月の妹をおぶり 大きな皮のトランクを持っている
4歳の弟は長姉に手を引かれ 泣きもせず黙って歩いた
トランクが重く母が捨てようとしたとき 兵隊さんが現われ持ってくれた
後で母が「地獄に仏」だったと語っていた
船は予定していた”小笠原丸”ではなく 貨物船”白龍丸”
甲板にテントを張た所に入れられた
現在のコルサコフ
寂しい感じがした 港は昔と違うらしい