黄昏どき

老いていく日々のくらし 心の移ろいをありのままに

戦争のない平和な世界を

72年前の初雪

2017年10月18日 | 戦争

昭和20年(1945年)の10月の 雪虫が舞う頃

木古内町から道北の士別町の引揚者寮へ引っ越した

 

敗戦で樺太から 伯父の住む木古内町に引揚げたが

いつまでも厄介になるわけにいかず 

旧国鉄の計らいでの入居である

 

料理屋だった引揚寮は 

婦女子ばかりが10数軒 数十人がひしめき合い暮す

 

私達家族は 二階の大広間の片隅が住まいとして充てられた

先住者が三家族12人 我家を入れると18人が 

18畳間に住むことになる

いただいたカボチャの塩煮

忘れられない美味しい味

荷物は何もない 布団が片隅に置いてあるだけ

 

我家も布団をいただいた 

重い何かがゴロゴロ片寄って入っている

綿の代わりは乾燥した海藻だった

それを敷き足で踏んで平らにして横になる

掛布団も同じ 海藻が片寄り薄い布団皮だけになる

夜中に寒くて何度も目覚めた

翌朝起きると

 雪が30センチ位も積もっており そのまま根雪になった

 

厳寒は-30℃以下になり 雪も多く 道路は玄関より高くなる

母は次の日から セルの単衣に角巻代わりの軍隊毛布をかぶり

数キロ離れた農家へ買い出し カボチャ ジャガイモを分けて貰い

生きるため必死の生活が続いた

 

それでも住まいを与えてもらい 農村に住めたから良い方であるが

難民と同じ

戦争に負けて日本中に難民があふれた

昨夜初雪が降ったらしいが 暖房の効いた部屋でゆったり

平和な時代も

だんだんおかしな方へ政治が進んでいる

戦争を知らない世代が多くなったが

あのような時代には決してなってほしくない

コメント (4)
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