9月末からスタートした『ハムレット─to be or not to be』の旅は、6週間で出会ってきた学校の皆さんとの一つ一つの思い出と、若い人たちが自分の人生を切り開いていって欲しいという願いを乗せて、次の公演地へと向かいました。
7週目は、11月8日(月)熊本中央高校/崇城大学市民ホール
9日(火)朝倉光陽高校/サンライズ杷木
10日(水)蒲生高校/同校体育館
11日(木)新宮高校/同校体育館
12日(金)誠修高校/大牟田文化会館 の九州各地5公演を行いました。
上の写真は舞台準備中の様子です。舞台の片付けに参加してくれた生徒さんたちから「2時間の公演のために毎回こんなに時間をかけて、大変じゃないですか?」とよく聞かれます。出演者も、舞台の表には出ない音響や照明のスタッフも、それぞれの力を持ち寄って、この舞台ができています。そこにはいない美術家や演出家、公演を企画した人たち、そして先生たち・・・目に見えないたくさんの人の想いや協力があることを、生徒さんたちも感じてくれているようです。
今週の公演の中で生徒さんたちの高揚した姿や一人一人の表情に出会い、『ハムレット』は若い人たちのそれぞれの生命を映す舞台なのだと思いました。生徒さんたちが自分自身の内に潜む希求、社会への問い、怒り、喜びの瞬間などを目覚めさせながら、彼らの『ハムレット』を私たちと共に創っている、そんな場が風の『ハムレット』上演なのではないでしょうか。
熊本中央高校の皆さんとの座談会で。
二年前には『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演しているので、三年生の生徒さんとは嬉しい再会でした。
「自分でもなぜか分からないのですが、『ハムレット』という作品を生徒に見せたいと、ずっと思っていました。」と、担当の先生。
蒲生高校の公演では片付けの時間にたくさんの交流が生まれました。
「中学校の時『肝っ玉おっ母』を見たの覚えてます!」という生徒さんもいました。
下は生徒会長さんと友だちの男子生徒さんと国王役の柳瀬太一。「ハムレットの苦しみ、オフィーリアの切なさ、そして国王の酷さの裏にある微妙な弱さも感じた。」と出演者をハグしてくれました。若い人の敏感さ、優しさを改めて感じる出来事でした。
新宮高校で公演後に楽屋に会いに来てくれた三年生の男子生徒さんたち。先生が撮ってくれた一枚です。
「今日は生徒たちの様子が、いつもと違います!」と先生も喜んでいました。
下は片付けを手伝ってくれた部活の皆さん。「いつもの体育館に戻りました。舞台はもう形としてはなくなってしまいましたが、残るとしたら、それは皆さんの心の中にです。心の中にだけは永遠に生き続けることができます。」という言葉に生徒さんたちから大きな拍手と歓声が起こりました。
そして『ハムレット』の旅はここで半分、メンバー全員が元気にここまで旅を続けられたことと、かけがえのない人たちとの出会いに乾杯!!南阿蘇で中日祝いをしました。