『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』は西日本地域(東海・近畿・関西・中国・四国地域/福岡)で今年2年目となる巡回公演を行っています。5月19日にスタートした2015年春のツアーでは、現在まで26校・29公演を行ってきました。「生徒たち一人一人のために、芸術観賞会をぜひ実現させたかった」「演劇などに触れる機会をつくり、日常では感じられない時間を味わってほしい」「演劇を通して人の生き方に触れ、自分自身の生き方を見つめてほしい」……。ひとつひとつの公演が、そのような先生方の想いに支えられていました。
また舞台を見つめる生徒さんたちの視線からは、弱いものに手を差しのべたいと願う優しさや、不等な扱いに対する反発や勇気など、彼らの持つ敏感な感覚に日々出会い、支えられながら、一回一回の公演で、私たち自身が試されています。若い彼ら、彼女らが、心の内側にある自分自身の声にふと足を止め、向き合えるような瞬間をつくれたらと願いながら『ジャンヌ・ダルク』のツアーは第6週目を迎えました。
公演後のバックステージツアーで黄柳野高校のみなさんと。
さて、『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』のツアー第6週目は、
6月22日(月) 大阪府 金蘭会高等学校・中学校 ウィステリアホール(同校講堂)
6月23日(火) 大阪府 枚方なぎさ高等学校 枚方市市民会館
6月24日(水) 大阪府 堺東高等学校 狭山市文化会館(SAYAKAホール)
6月25日(木) 京都府 龍谷大学付属平安高校 同校講堂
6月26日(金) 愛知県 黄柳野高等学校 同校体育館
にて公演を行いました。
❏金蘭会高等学校・中学校
学校の講堂(ウィステリアホール)で行われた金蘭会高等学校・中学校の公演では、前日 日曜日の舞台設営から演劇部のみなさんが手伝ってくれました。外での作業は炎天下のなか、チームワークよく一生懸命荷物を運び込んでくれる生徒さんたちの様子に、普段から熱意をもって部活動に打ち込んでいる姿を感じさせてもらいました。みなさんと一緒につくった講堂での舞台はとてもいい空間になりましたね。
午前と午後、2回に分けて行われた本番では、どちらの公演も生徒さんたちの楽しそうな笑い声や、ふとした瞬間の沈黙、鋭い視線を感じる公演でした。公演後のカーテンコールで舞台に向けて拍手を送ってくれるみなさんの笑顔がとても嬉しかったです。演劇部のみなさんは公演の撤去も手伝ってくれました。ありがとうございました!
公演後撤去を手伝ってくれた演劇部のみなさん。
音響・照明を担当している生徒さんたちは、舞台の仕込みから撤去まで一緒に体験してくれました。
「アテルイ」の公演が控えていますね。公演の成功を心から願っています。
❏枚方なぎさ高等学校
枚方なぎさ高校では、今回十数年ぶりの芸術観賞会となりました。「文化行事で毎年子どもたちは劇に取り組んでいます。私自身もぜひこのような観賞の機会を持ちたかった」と話してくれたご担当の先生は、公演後「これからも芸術観賞をぜひ続けていきたい。きっかけをつくって下さった風のご担当者のみなさんに宜しくお伝えください」と話してくれました。公演後に行われた座談会には、演劇部のみなさんやクラス劇をつくる有志のみなさんなどたくさんの生徒さんが集まってくれました。舞台で使われた人形を「ぜひ見たいです!」と声をかけてくれたり、「舞台の道具を短時間で組むには?」など、クラス劇を成功させるための質問もたくさん寄せられました。
演劇部と有志の生徒さんたちのバックステージ見学の様子。
座談会の最後には公演の記念の色紙をプレゼント。クラス劇の成功を祈っています!
❏堺東高等学校
堺東高校は今回初めての演劇観賞で、学校の人権行事として公演が行われました。こちらも3年生が毎年文化祭でクラス劇を発表しているそうです。人と人が関わってつくる劇は、劇が好きな子も、苦手な子も、一緒に取り組むからこそ楽しさもあり、難しさもあると思います。だからこそ、みんなで工夫し、思考錯誤して、力を尽くした劇には達成感が生まれ、クラスでの大切な思い出のひとつになると思います。今回の公演がみなさんの劇に活かされるものがあればと願っています。
公演後のバックステージや座談会には演劇部、3年生や有志の生徒さんが参加してくれました。公演後にみなさんとお話できたことは私にとっても貴重な時間でした。
また昨年プレミアム公演を見に来てくれていた演劇部のみなさんとは、2度目の再会となりました。
文化祭の成功を心から願っています!
公演後、舞台に登場した人形を実際にかぶってみたり、舞台装置を見学するバックステージツアーで。
座談会に残ってくれた生徒さんたち、先生たちからお礼の言葉を頂きました。
私たちも文化祭の成功を心から願っています!
❏龍谷大学付属平安高校
龍谷大学付属平安高校の公演は学校の講堂で行われました。2ステージに分けて行われた公演は、午前中は1年生と3年生約1000人の生徒さんが、午後はこちらも文化祭で演劇発表をする2年生約400人と保護者のみなさんが観劇。びっしりと生徒さんたちに埋めつくされた午前中の公演では、時折生徒さんたちの声や、驚き、反応が舞台にも伝わってきました。午後の公演では、舞台でいま何が起こっているのか、じっと見つめている生徒さんの様子がありました。両公演とも、客席の生徒さんたちがしっかり2時間の舞台を支えてくれました。
公演後には短い時間でしたが、俳優たちと2年生のみなさんと座談会が行われました。その後舞台上では、舞台装置や衣装、メイクなどを担当する生徒さんたちのバックステージツアーが行われ、俳優やスタッフに思い思いに声をかけ、質問や感想を話してくれました。そして残って撤去を一生懸命手伝ってくれた有志のみなさん、本当にありがとうございました!
公演後のバックステージツアーで。
撤去を手伝ってくれたみなさん、本当にありがとうございました!私たちも楽しい思い出ができました^^
❏黄柳野高等学校
今週最後のステージとなったのは黄柳野高校の公演。木造の素敵な体育館に「ジャンヌ・ダルク」の舞台が組み上げられました。本番は生徒さん100名弱に加え、先生たち、地域の方も一緒に観劇。校長先生の「作品の内容を理解することよりも、一人一人が感じることを大切にしてほしい」という言葉に始まった公演は、客席にいる生徒さん、先生、一人一人の存在が舞台に伝わってくるような時間でした。カーテンコールでは代表で感想を発表してくれた生徒さんが「テレビなどで見るのとは違う舞台の迫力に感動しました」と話してくれました。そしてたくさんの生徒さんが撤去を手伝ってくれました。みなさんの優しさと、暖かい心遣いを私たちも忘れません。最後まで本当にありがとう。
公演後の舞台見学の様子より。
みなさんと出会えたこの時間を大切にしながら、旅班は次の地へ向かいます。
貴重な機会を与えて下さった先生方、そして一緒に舞台をつくってくれた生徒のみなさん、本当にありがとうございました!
ジャンヌ・ダルク役 白根有子