風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2017年『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』秋 東・西日本巡回ツアー第2周目

2017-10-12 08:15:01 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』、秋のツアー第2週目は、
10月2日[月] 高知県 中村中学校・高校
  4日[水] 鳥取県 倉吉東高校定時制
  5日[木] 鳥取県 鳥取湖陵高校
  6日[金] 岐阜県 恵那農業高校
  7日[土] 島根県 矢上高校

での、公演を行いました。


中村中学校・高校

公演前日の日曜日、先生方にもご協力いただき、旅メンバーは中村中学校・高校の2階体育館に舞台装置を運び込みました。
そして迎えた公演当日。体育館は、中村中学校・高校の生徒さん、中村高校西土佐分校の生徒さん、先生方、保護者の方でいっぱいになりました。



開演前の元気な様子から一転、芝居が始まると、900人を越えるみなさんの視線が、一気に舞台に注がれました。そして集中した2時間を共に過ごしました。




公演後はたくさんの部活の生徒さんが、笑顔で積極的に、片付けを手伝ってくれました。友だちと声を掛け合い、助け合いながら荷物を運んだり、役者に芝居の感想を伝えてくれたり、楽しみながら、驚きの早さで、すべての荷物をトラックに積み込んでくれました。みなさん、ほんとうにありがとうございました。

旅班のバスが学校を出発するとき、見送りに来てくれた先生方が『生徒たち、一生懸命見ていましたね』と、嬉しそうに話してくれました。公演を見る生徒さんたちの姿を、先生方は頼もしく、また誇らしく感じていたのだと思います。バスが校門から出るまで手を振り続けてくれた校長先生、教頭先生、担当の先生方、ほんとうにお世話になりました。また中村中学校・高校のみなさんとの再会を願っています。


倉吉東高校定時制(鳥取文化振興財団主催)

人権委員の育友会のみなさんが中心となり、人権行事を進行してくれました。
この日は、倉吉東高校定時制の生徒さんたちが観劇の予定でしたが、全日制の演劇部、観劇を希望してくれた生徒さん、そして生徒さんたちの家族のみなさんが会場に集まり、公演を行いました。



年齢、環境も異なり、経験もそれぞれに有するみなさんは、客席で、お互いにどのようなことを感じ、考えながら、何を見つめ、何を聞いていたのでしょうか。呼吸の音さえも聞こえないのではないか、と言うほどの集中と凝縮した時間が流れましたが、カーテンコールで照明が一番明るくなったときに舞台上から見えたみなさんの表情と、拍手の音が、すべてを語っているようにも思えました。



終演後は、ヘレン役の白根と私でお見送り。『とてもよかった』など次々に声を掛けてくれたり、握手をし、写真を撮ったりと、盛り上がりました。その頃、舞台上では急遽、舞台見学が行われていたそうです。後から旅メンバーに話を聞くと、舞台見学も大盛りあがり、生徒さんたちも喜んでくれていたそうです。
最後に、人権委員育友会・委員長の立木さんが、『予想以上の人数が集まり、反応も大きく、期待を超えた公演になった』と、喜びの言葉を送ってくれました。ホッとしたのと同時に、みなさんと出会い、言葉を交わせた喜びを、胸に熱く感じる公演となりました。




鳥取湖陵高校(鳥取文化振興財団 主催)

翌日は、こちらも鳥取文化振興財団の主催で鳥取湖陵高校(体育館)での公演を行いました。人権行事の一環として行われた『ヘレン・ケラー』の公演。ヘレンとアニー、そして家族たちが出会い、苦悩しながら、共に生きていく喜びを見つけていく物語に、生徒さんたちはじっと真剣なまなざしを注いでくれました。





湖陵高校では農業学科、工業学科、家庭学科、情報学科など様々な分野で生徒さんたちが学んでいるとお聞きしました。カーテンコールでは生徒会長さんがお礼の言葉をかけてくれ、農業学科のみなさんが中心に作っている湖陵高校の特産物「オアシス」を贈っていただきました。




公演後はバスケットボール部、バトミントン部の生徒さんや有志の生徒さんたちが撤去を手伝ってくれました。友達や先生とみなさんが言葉を交わし合う様子に、少しの間でしたが学校の柔らかく、暖かい雰囲気を感じさせてもらいました。外で一生懸命荷物を運んでくれた男子のみなさん、体育館で色々な道具を一緒に片づけてくれた女子のみなさん、ありがとうございました!


恵那農業高校

恵那農業高校では以前『星の王子さま』や『ハムレット』などを上演、今回の『ヘレン・ケラー』が4度目の公演となりました。この日観劇に訪れた他校の先生も「生徒たちよく集中していましたね、びっくりしました」とお話しされるほど、それぞれに見る、聞く、考える力を使って2時間の舞台を支えてくれたことが、本当に嬉しかったです。




恵那農業高校では11月初旬に文化祭を控えていて、演劇発表をするクラスもあるとのこと。終演後には希望している生徒さんたちとバック・ステージツアー、座談会を行いました。「声」のことや「台詞」のことなど自分たちがこれから向かう“演劇づくり”についての質問がありました。クラスで劇をつくることはやりがいもあり難しさもあると思います。どちらの時間も人とともに何かをつくろうとした大事な時間だと思います。皆さんのつくる文化祭がみなさんにとってかけがえのない思い出になりますように!
そして舞台の進行に関わってくれた生徒会・文化委員会のみなさん、ありがとうございました。




↑恵那農業高校のみなさんに、学校の手作りジャムをいただきました!


矢上高校

舞台に立っていると時折みなさんの舞台の出来事について話す声が聞こえてきたり、驚いたり、不思議に思ったり、考えたりと、リラックスして舞台と向き合ってくれた矢上高校の生徒のみなさん。先生も公演終了後に「テスト後でどう見るかなと思っていましたが、よく見ていましたね」と話してくれました。





終了後の先生の声かけに、たくさんの生徒さんが舞台に集まって、舞台の裏側や、ポンプや音響・照明、道具の仕組みなどに触れていました。それぞれの俳優たちに明るく声をかけ、質問したり、舞台に楽しく触れてくれる様子がとても嬉しかったです。




その後はアニー・サリバン役の渋谷と何名かの生徒さんたちが座談会を行い、同時に舞台の撤去を野球部の皆さんが手伝ってくれました。公演後にはたくさんの先生方が「ありがとうございました」と声をかけてくれました。日々を共に過ごしながら、生徒さんたちを見つめている先生方がつくってくれたこの公演―舞台と私たちとの出会いの場が、何か生徒さんの力に変えてもらえることを心から願っています。



『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』のツアーは西日本地域で2週目を終えました。秋のツアーはこの後、西日本・東日本の各地の高校生、中学生のみなさんとの出会いが続いていきます。各校それぞれの演劇鑑賞への思いを胸に、「ひびき合う」瞬間を探し続けていきたいと思います。


アニー・サリバン役:渋谷愛/ヘレン・ケラー役:白根有子