上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

피천득(皮千得)を知っていますか

2023-05-05 | その他
Wikipediaによると피천득(皮千得)〔1910-2007〕の詩は,美しい情緒と生活を詠った純粋叙情性が特徴であると書かれています。皮千得の詩は,それほどに日常生活での感情を繊細に表現したものが多数見られます。その皮千得の詩に오월というのがありますのでご紹介しましょう(訳は私が付けました)。

오월
오월은 금방 찬물로 세수를 한 스물한 살 청신한 얼굴이다.
5月は,たったいま冷たい水で顔を洗った21歳のさわやかな顔だ。

하얀 손가락에 끼어 있는 비취가락지다.
白い指に嵌められた翡翠の指輪だ。

오월은 앵두와 어린 딸기의 달이요, 오월은 모란의 달이다.
5月は,あんずと若いいちごの月であり,5月は牡丹の月だ。

그러나, 오월은 무엇보다도 신록의 달이다.
しかし,5月は何よりも新緑の月だ。

전나무의 바늘잎도 여난 살결같이 보드랍다. 
モミ木の針葉も若い肌のように柔らかい。

스물한 살 나이였던 오월.
二十一歳だった五月。

불현듯 밤차를 타고 피서지에 간 일이 있다.
突然,夜行列車に乗って避暑地に行ったことがある。

해변가에 엎어져 있는 보트, 덧문이 닫혀 있는 별장들,
海岸にひっくり返っているボート,戸が閉められた別荘,

그러나 시월같이 쓸쓸하지는 않았다.
しかし,十月のように寂しくはなかった。

가까이 보이는 섬들이 생생한 색이었다.
近くに見える島々は鮮やかな色だった。

得了愛情痛苦 득료애정통고 - 얻었도다, 애정의 고통을
得了愛情痛苦 愛の苦しみを得た

失了愛情痛苦 실료애정통고 - 버렸도다, 애정의 고통을
失了愛情痛苦 愛の苦しみを失った

젊어서 죽은 중국 시인의 이 글귀를 모래 위에 써 놓고
若くして亡くなった中国の詩人のこの言葉を砂の上に書いて

나는 죽지 않고 돌아왔다.
私は死なずに帰ってきた。

신록을 바라다보면 내가 살아 있다는 사실이 참으로 즐겁다.
新緑を眺めていると,自分が生きているという事実が本当に楽しい。

내 나이를 세어 무엇하리. 나는 오월 속에 있다.
自分の年齢を数えて何になる。私は五月の中にいる。

연한 녹색은 나날이 번져 가고 있다.
薄い緑は日々広がっている。

어느덧 짙어지고 말 것이다.
いつの間にか濃くなりそうだ。

머문 듯 가는 것이 세월인 것을.
止まっているように過ぎていくのが時間である。

유월이 되면 "원숙한 여인"같이 녹음이 우거지리라.
六月になると「成熟した女性」のように緑が茂るだろう。

그리고 태양은 정열을 퍼붓기 시작할 것이다.
そして太陽は情熱を注ぎ始めるだろう。

밝고 맑고 순결한 오월은 지금 가고 있다.
明るく澄み切った純粋な五月は,今,去っていく。

피천득は,1937年に上海滬江大学(상하이 후지앙 대학)の英文学科を卒業しています。詩の中に中国語が入っているのは,そのためです。

この詩は,5月の若々しさとともに, 5月を色の季節としてとらえています。5月になると,新緑や花々などの自然の色が鮮やかになり,人々の目を楽しませてくれるからです。また,太陽の光が強くなることで,色彩がより明るく感じられるというのも,5月の色が美しく見える理由の一つです。

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