かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

595 帰国時持ち帰りのマイカーが公道を走るまでのシミュレーション

2009-02-09 | 輸入
  二月、三月は入学、卒業による就職、企業の年度の切りなどからの人事異動などで、住所の変わる人が多く年間でも引越しの多い時期です。
  今年は、グローバル企業が、金融危機の影響で世界的な事業整理を進めたり、企業によっては鳥インフルエンザのバンデミックに備え海外駐在家族の帰国を促したりもあるようですので、海外からの帰国のための引越し荷物の輸入通関が高水準になるかもしれません。

 そこで、今回は、海外駐在の会社員Aさんが帰国にあたって、現地で使っていたBMWの自動車を持ち帰ってくると想定して、日本で乗り回すまでにどんな手続きが必要なのかのシミュレーションです。

1 特定用途免税
 日本への帰国にあたり、使っていた自動車を別送して輸入する場合は、輸入後2年間同じように個人で使用するときは、関税、消費税が免税されます(関税定率法第15条第1項第9号)。今は、関税はもともと無税ですので、消費税が免税です。

 この免税を受けるためのポイントは、①輸入後2年間使う ②入国時に別送の車があることを申告しておく ③既に使用していたものである の3点です。 ③の既使用は、使用期間の定めは有りませんが、もし船や飛行機を持ち帰ったら1年以上使用していることが条件になっています。

 また、輸入通関時には、③の使用していることを立証するため、外国での自動車登録証、保険証、譲渡証明書等を求められます。

2 自動車通関証明

 車を実際に公道を走らせるには「道路運送車両法」に基づく車検、登録などの国内手続きをして車両ナンバーを取得する必要があります。

 代理店が正規輸入する車には、道路運送車両法の保安基準に適合しているかどうかを、型式ごとに事前に審査する自動車認証制度がありますが、引越しで個人が輸入する車や、並行輸入する車は、一台ごとに国内手続きをする必要があります。

 まず、税関から自動車通関証明書の交付を受ける必要があります。
 関税法第102条に証明書交付の規定がありますが、これに基づくもので、関税法の基本通達(102-2)に手続きが出ていますが、いずれ陸運事務所で車両検査を受けるためにこの通関証明書が必要です。

3 車両検査前の整備
 自動車通関証明を貰って、保税地域から引き取った後は車検前の整備です。
 イ 保安基準を満たすよう排ガス対策等の対応作業を、整備工場でして貰います。
 ロ 国土交通省認定の公的機関で、排ガス試験をして、排ガス試験成績書の交付を受けます。
 ハ このうえで、陸運事務所の車両検査を受けます。

 このように、自動車を転勤で持ち帰るのは、輸送費以外に、国内で走るため車検という壁がありますので簡単ではないことを覚えておいたらいいですね。

 自動車メーカーや輸入業者ですと、これ以外にもエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)による表示、自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)による適正処分、資源有効利用促進法(リサイクル法)による分別回収のための表示 などの法律も関わっており、やはり、自動車はとても便利なものですが、利用するに当たってのコスト負担もかなりあるということでしょう。

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 写真は、6400台積載の自動車運搬船です。一度、積込みの現場を見ましたが、10cm間隔ぐらいでぴたっと止めていくんですね。縦列駐車苦手のかずさんには絶対できないです(笑)。





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6 コメント

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Unknown (大阪男)
2009-02-10 11:00:48
かずさん
こんにちは。
昨日はメッセージありがとうございました。
また少し今回は通関士の復習をしていてつまずいたので
お知恵拝借させてください。
今回は郵便局のいわゆる簡易通関についてです。
簡易通関とは、郵便局がする?通関手続きと解釈しています。
乙仲さんでは手配できなのでしょうか?リスト通関と同じ意味なんですか?
簡易通関するには、保税地域のなかでも、簡易通関できるという指定を受ける必要があるらしいと以前聞いたのですが、それは本当ですか?
【?】ばかりですみません。。。
何卒宜しくお願いします。
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Unknown (かずさん)
2009-02-10 22:16:06
大阪男さん

 質問拝見しました。
 郵便物の簡易通関という言葉は始めて拝見しました。どういう意味でしょうか?
 20万円超の輸出入について、一般貨物と同様の申告が必要ですが、その手続きでしょうか?

 確か、J-Post が通関業の許可を貰って、この要申告貨物の申告は
J-postが、当面無料で行うと理解していますが、この手続きを別個に、通関業者に依頼するという意味でしょうか?


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Unknown (おはようございます!)
2009-02-11 08:04:05
すみません。何か私が大きな勘違いをしていたみたいです。郵便のお話しは忘れてください。しかしここでまた、新たな疑問がでてきました。
あつかましくてすみません。。。
輸出マニフェスト通関につきまして概要、制度などが詳しく書かれてあるサイトご存知でしょうか?AIRだけの制度なのでしょうか?ちょっと詳しく調べないと行けません。。。。
それとは別に、同じShipper/Consigneeで1B/L、複数インボイスの出荷がある場合インボイスにヘッドを付けてると申告件数が1件(通関料も1件分の請求)になると聞いたことがあるのですが、それはあくまで通関業者さんの料金設定次第なのですか?

何度も何度も申し訳ございませんが、かずさんのお知恵拝借させてください。何卒宜しくお願い致します。
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Unknown (かずさん)
2009-02-11 14:03:08
大阪男さん

 コメント拝見しました。ご質問の意味が良く判りませんが、マニフェスト通関は、関税法基本通達に、輸出は67-2-5 &6 輸入は67-4-6&7に根拠があります。この、基本通達は、税関のホームページから見ることが出来ますのでご覧になったらいいですね。

 マニフェスト通関は、免税になる、貿易統計の対象ではないなどから、簡易な手続きになっているもので、もともと小口の国際宅配便などのためのものです。googleで検索するとあれこれ出てきますので、自習されることが適当でしょう。

 インボイスと通関手数料のことは、仰っている意味が良く判りません。
 もともと、税関手続きは、一つの輸出入ごとに行うもので、つまり取引ごとですが、この取引ごとは、イコール、インボイス単位に象徴されます。

 大阪男さんの問題意識が不明ですが、この原則は、輸出入規制、免税制度等色んなところに影響しますから、人為的に操作されることは望ましくなく、取引内容に沿った正確なインボイスで手続きされることをお勧めします。

通関手数料のことは、専門業者にお尋ねください。

 また・・。


 
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Unknown (Tatsuya)
2009-02-12 10:35:39
大阪男さん、

横からすみません。ご質問なさっている同じShipper/Consigneeで1B/Lで複数インボイスの出荷がある場合ですが、私は、昔ですが、同様のケースで実務の経験があります。

企業の発行するインボイス単位は、企業オペレーション内部のやり方の話でいかようにも発行できます。ようはひとつの申告金額にあうようにインボイス発行を内部的にまとめて、通関業者さんにこの1B/L申告の金額と明細はこれこれで、インボイスのページ数は多いけど、申告内容明細はこれです、とマスターインボイス(私の昔勤めてた会社はそう呼んでました)を作る荷主と通関業者さんの運用上の話でした。

それをしないと、荷主の不慣れな担当者が、同じconsignee向けの1B/Lのひとつの出荷でよいのに、100枚インボイスが出てきたら100件の輸出申告を別々にしかねません。

きっとおっしゃってることはこんなことだと思ったしだいです。
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Unknown (かずさん)
2009-02-16 21:08:00
Tatsuyaさん

 ビジネス上の運用のこととの、クリアな解説ありがとうございます。
 また、ずいぶん寒い日になっています。ご活躍を。
 
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