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日常の中に俺があり、俺の中に日常がある。それは矛盾の中にひそむ真実である。真実を記録する。それは事実になる。

きのう・今日・あした

2011年03月16日 09時05分18秒 | Weblog
地震の日、俺は職場のビル25階にいた。
ああいつもの揺れやとのんびり構えておったが、だんだんと揺れは激しくなった。
若い女はキャーと叫び、みんな机の下の隠れた。
ビルは関東大震災クラスの地震に耐えられる構造と聞いていたが、みしみしと音をたて
物に捕まらんとすべり落ちるほどの傾きを繰り返した。
ビルからは東京の街が一望できるのだが、俺は窓の外からこの街がどうなってしまうのか
しっかりと観てやろうと思い眺めた。
周りのビルはぐにゃぐにゃと曲がり、目の前の大型クレーンも倒れそうになっていた。
正直、これ以上揺れたらこのビルへし折れるなとリアルの感じ、生まれて初めて「死」を意識した。
その後、ビルはウーウーとサイレンが鳴り、泣く人、震えて立てない人が続出した。
平静を装っていたものの、俺の体も小さく震えていた。
すぐにネットなどで東北の地震、津波の映像を見た。
阪神大震災の時を思い出した。
アメリカの同時多発テロの時を思い出した。

幼い頃、台風が来て停電した時、ドキドキしたのを思い出した。
あれに近い気持ちになった。これは人間の本能だろう。非常事態と体が反応し緊張しているのだろう。
そして、被害がひどかった東北に対し、何かできないかと本能が反応している。
みんなそうだ。

家族ともミクシーにて連絡がとれ、家にチャリで帰った。
プリンターが落っこちて、リーデルのグラスやら食器が10枚ばかし割れた程度で済んだ。

以降はニュースやらツイッターやらで色んな情報を観た。
メディアはやんややんやと騒ぎ立てている。
正直、現地の女の子が泣き叫ぶ映像などを流す様をみて怒りを覚える事もあった。
取材のヘリでSOSと書かれた学校のグラウンドを撮影して「自衛隊早く来て下さい住所は・・・」的
映像が多々流れた。「ご家族は大丈夫ですか」とインタビュアーが現地の人々にインタビューしている映像も多々流れた。
怒りを覚えながらただ黙って観ていた。
矛盾を感じなら。
俺はしっかりとその映像を見とるやないかと思いながら。
困っている人がいるならばそれは当然助けるべきである。
メディア批判はやめだ。彼等には彼らの思いやら使命感があるのだろうから。
原発についてもそうだ。
東京電力に対してやら、政府に対してやんややんや言うなと思う。
みんな一生懸命やっとるのだ。
シオンの歌が聞こえる「言いたいやつは言うことしかできやしないんだ」

さて、俺は何をするべきだろうかと考える。
全員考えるだろう。
誰でもできる事をやった。
たんたんとひっそりと誰でもできる事をやった。

笹塚の町はサッサ君を中心として街をあげての節電をしている。
パチ屋も休みだ。


華丸さんは絵を描き「ONE HEART」を呼びかけている。


ヒロエ君は東北の若者へ音楽を届けるべく悪戦苦闘している。


ケーナちゃんは東北へエロ本やらナプキンやら化粧品、いわゆる援助物資で届かない物を持って飛び出そうとしている。

それぞれがそれぞれの思った事を形にしてがんばっている。

さて、俺は何をするべきだろうかと考える。

でかい事じゃなくてもよいし、それが東北の人々に向けられたものでなくてもよい。
俺はまた歌を歌おうと思う。
今までやっていた事と同じくただ、歌を歌うのみだ。

近所の公園で、遊ぶガキどもにむけて
下北沢で、観に来てくれたお客さんにむけて
家で、ネコのミックにむけて

仕事もなんと一週間休みになってしまった。
時間はある。
まずはギターケースと弦を買いに楽器屋へ行こう。

無念の死
家族を亡くした人
親戚と連絡が取れない人
地震のショックで眠れない人
現地で必死でがんばっとる人
原発の脅威に対しがんばっとる人
でかい地震が来るかも知れない恐怖
不謹慎だと騒ぐ人
スーパーに並ぶ奥様
自転車買って電話かけながら会社に行くおっさん
押入れの奥から出てこない我が家のミック
生きている家族
友達

笑える日が来ることを願う。
俺は普通にやる。
なんかよく分からん文章だが
それしかできん。

がんばろうぜ。

今村竜也