ふらっ…ふらっ……
夜の寒さに耐えきれなくなった俺は、脱衣所に妹の下着が置いてあるのも知らず風呂場へ直行した。こんな時は熱いお湯に浸かって温まるに限る、うん。
かぽーん…ざざぁー……
ん?
誰かが風呂桶で浴槽からお湯をすくい、身体へ浴びせかける音が、扉の向こうから聞こえてきた。
誰かそこにいるのか――?そういえば浴室に、灯りが付いていたのも気付かなかった。
俺はすばやく服を脱ぎ、すっぽんぽんになって扉を開ける。一刻でもはやく湯船に浸かりたい。
浴室からはたくさんの湯気が流出し――と同時に女性の悲鳴が聞こえてきた。ひめい?
湯気の中からは、恥ずかしさで顔を真っ赤にし、必死になっておっぱいを隠す妹の姿が現れた。なーんだ妹だったのか、安心したぞ。
「は、入って来るなァ!このバカ兄貴ッ‼」
妹の裸に目が釘付けになっている、俺に浴びせる怒号が狭い浴室に反響する――