HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

~今、撮影所は戦場だ!~ 『命令027号』

2006年05月27日 | 非ハリウッド娯楽映画
 どんな国にでも、映画が製作されている地域であれば《娯楽映画》が存在しない国などない。それが思いもかけない所であっても…。
 今回は、未だ謎の多い映画製作国である朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が1986年に製作した愛国軍事アクション映画『命令027号』を紹介したいと思う。

 今日も厳しい訓練に勤しんでいる偵察部隊の隊長の元に、ある日上官から指令が下される。それはこの国に新たに侵攻してきた敵軍の本拠地の発見と攻撃である。これを本隊が行動を開始するまでの3日間で行うのだ。
 隊長は敵軍にスパイとして送り込んでいる女兵士と連絡を取りながら襲い掛かる敵を倒し、味方を数名失いながらも本拠地を突き止め、いよいよ総攻撃を開始する。愛する人民と祖国を守るために…!

 この作品は国家が「うちの兵士たちはこんな凄い事をやってますよ~」と軽くPR(と年少者たちへの教育?)するために娯楽映画として製作されたんだと思うが、全くこの国とは関係ない第三者の我々としては、
「兵士たちが超人的な活躍をする戦争アクション映画」
にしか映らない。
 この映画の最大の見せ場は、正義の偵察部隊員が繰り出すハイテクニックなテコンドー・アクションと、悪役兵士の殺人的受け身(?)である。画面栄えする蹴り技・空中技から、脚で相手の首を絞め、壁に頭を打ち据えるというエグイ実戦的な技まで何でも見せてくれる。
 また、殺人的受け身では、蹴られて高所からテーブルに落ちる場面にて、普通のアクション映画であれば安全性の関係上、テーブルは壊れやすい素材で製作し落ちる時は背中から落ちるものだが、そんなものは一切なく、頭から落下し、テーブルは割れていないのだ。…大丈夫か?!
 それと手斧を敵の兵士に投げつけるシーンでは、投げて背中に突き刺さるまでを1ショットで撮影していて
「えっ、マジっすか?!」
と思わずにはいられない。
 刺さったあとストップモーションになって、すぐ次の場面に切り変わるんだけど、その間何があったんでしょうか?ホント、独裁政権国家のアクション映画、無茶しよります。

 いつもいつもこんな貴重な映画ばかりを観せてくれる会津信吾さん、本当にありがとうございます。考えていただいたコピー、今回のタイトルで使わせていただきました!