ブログ自体が久々の更新なので、この大梵林映画祭もかなりのご無沙汰でございます。今回の紹介作品は今月末には日本でも公開される、インド・アメリカ合作映画『CHAINDNI CHOWK TO CHINA』(09)であります。
もし、劇場へ足を運ばれるのであれば参考にでもしていただければ幸いです(なるのか?)。
「あなたこそ古代中国の英雄の生まれ変わりです!」
デリーの下町・チャンドニー・チョークでしがない野菜切りをやっている青年・シドゥはギャング達によって苦しめられている中国の貧しい村からやって来た男たちにそう告げられる。今の下層での生活を抜け出したい彼にとってはまさに渡りに船な話であった。早速浮かれ気分で中国にやってきたものの、現実は残酷でギャングのボスでクンフー使いのホジョにズタボロにされた挙句、人質として連れてこられた養父までも目の前で殺されてしまう。
身も心も傷だらけの彼を救ってくれたのは、ホームレスをしている元刑事のチャンであった。シドゥは国に帰れと忠告するチャンに対し、村人の信用の回復と養父の仇を討つまでは帰れないと突っぱね、自分にクンフーを教えてほしいと懇願する。最初は断っていたチャンだが、彼の本気を感じクンフーを教えることにする。そして幾月が流れ、再び古代英雄の像が祭られている村に舞い戻ったシドゥはギャング団とホジョとの最終決戦に挑む…!
様々な元ネタの作品名がチラつくが、そんなことは言いっこなし!とにかく約2時間半、映画の流れに身を任せ楽しむのがベストの鑑賞法だ。クンフー・アクションに興奮し、女優さんに酔いしれ、ミュージカル場面で心躍らせる。インド映画に難しい理屈は不要。もしこの映画のノリに喰いつく事ができれば極上の時間を味わうことができるはずだ。
主演のアクシャイ・クマールは以前当ブログでも紹介した『AWARA PAGAL DEEWANA』でも披露した、マーシャルアーツ・アクションを今回もたっぷりと見せてくれている。実際に武術を習っていたそうだが、まぁまぁサマにはなっている。インド映画のスター俳優はマッチョ系の体つきの方が多いので、武術アクションはどうかなぁ~?と個人的には思っているのだが。
インド映画にはクンフー・アクション(というか香港スタイルのアクション)は結構前から取り入れられているのだが、本格的なインド式クンフー映画は(アクションのみならず構成も含めて)初めてではなかろうか?主人公が挫折を味わい、優れた技能を持つ師父と出会い厳しい修行を重ね、ついに復讐に成功する…といったフォーマットはまさに70年代後半から80年代にかけて多数製作されたコメディ・クンフー映画の王道パターンではないか!
そのクンフー映画王道フォーマットに、より箔を付けているのが我らが(クンフー映画ファンの間だけね)劉家輝である。本作一番の悪党・ホジョを憎々しくかつパワフルに演じている姿は必見だ。カミソリ入りのシルクハットのイメージって、やっぱり『007 ゴールドフィンガー』のオッド・ジョブ(ハロルド坂田)からの引用でしょうね。名前もナニジンかわからないような感じだし(公式HPには北条と日本人名で表記されている)。
本作で一番のインパクトを与えたのはやはり主演女優のディーピカー・パードゥコーンでしょう。主人公を翻弄するミキとホジョの手下で女殺し屋のミャウミャウの二役を演じているがどちらも甲乙付けがたい美しさ!個人的には見事なメイクで中国人風美女に変身している姿のほうが大好き。彼女のほかの出演作としては当ブログでは『Om Shanti Om』を紹介済みでございます。元スーパーモデルという職業柄、絶世の美女をやらせると近年のインド映画ではピカイチの女優さんだと思います。
個人的にはおいしいポイントだと思ったのが、ミトゥン・チャクラヴァルティー(シドゥの養父役)の起用。インド映画初体験の方は何で?とお思いでしょうが、実はこの御仁、80年代にはアクション映画で人気を博し、その内数本はマーシャルアーツを扱った作品が存在する(その名も『Karate』(83)という怪作がある)のだ。私はこの作品を観てて「いつミトゥンが戦いだすんだろう?」と筋違いな期待してしまった。果たしてミトゥンの格闘シーン、あるのかどうかはどうぞ劇場でお確かめください(笑)。
もし、劇場へ足を運ばれるのであれば参考にでもしていただければ幸いです(なるのか?)。
「あなたこそ古代中国の英雄の生まれ変わりです!」
デリーの下町・チャンドニー・チョークでしがない野菜切りをやっている青年・シドゥはギャング達によって苦しめられている中国の貧しい村からやって来た男たちにそう告げられる。今の下層での生活を抜け出したい彼にとってはまさに渡りに船な話であった。早速浮かれ気分で中国にやってきたものの、現実は残酷でギャングのボスでクンフー使いのホジョにズタボロにされた挙句、人質として連れてこられた養父までも目の前で殺されてしまう。
身も心も傷だらけの彼を救ってくれたのは、ホームレスをしている元刑事のチャンであった。シドゥは国に帰れと忠告するチャンに対し、村人の信用の回復と養父の仇を討つまでは帰れないと突っぱね、自分にクンフーを教えてほしいと懇願する。最初は断っていたチャンだが、彼の本気を感じクンフーを教えることにする。そして幾月が流れ、再び古代英雄の像が祭られている村に舞い戻ったシドゥはギャング団とホジョとの最終決戦に挑む…!
様々な元ネタの作品名がチラつくが、そんなことは言いっこなし!とにかく約2時間半、映画の流れに身を任せ楽しむのがベストの鑑賞法だ。クンフー・アクションに興奮し、女優さんに酔いしれ、ミュージカル場面で心躍らせる。インド映画に難しい理屈は不要。もしこの映画のノリに喰いつく事ができれば極上の時間を味わうことができるはずだ。
主演のアクシャイ・クマールは以前当ブログでも紹介した『AWARA PAGAL DEEWANA』でも披露した、マーシャルアーツ・アクションを今回もたっぷりと見せてくれている。実際に武術を習っていたそうだが、まぁまぁサマにはなっている。インド映画のスター俳優はマッチョ系の体つきの方が多いので、武術アクションはどうかなぁ~?と個人的には思っているのだが。
インド映画にはクンフー・アクション(というか香港スタイルのアクション)は結構前から取り入れられているのだが、本格的なインド式クンフー映画は(アクションのみならず構成も含めて)初めてではなかろうか?主人公が挫折を味わい、優れた技能を持つ師父と出会い厳しい修行を重ね、ついに復讐に成功する…といったフォーマットはまさに70年代後半から80年代にかけて多数製作されたコメディ・クンフー映画の王道パターンではないか!
そのクンフー映画王道フォーマットに、より箔を付けているのが我らが(クンフー映画ファンの間だけね)劉家輝である。本作一番の悪党・ホジョを憎々しくかつパワフルに演じている姿は必見だ。カミソリ入りのシルクハットのイメージって、やっぱり『007 ゴールドフィンガー』のオッド・ジョブ(ハロルド坂田)からの引用でしょうね。名前もナニジンかわからないような感じだし(公式HPには北条と日本人名で表記されている)。
本作で一番のインパクトを与えたのはやはり主演女優のディーピカー・パードゥコーンでしょう。主人公を翻弄するミキとホジョの手下で女殺し屋のミャウミャウの二役を演じているがどちらも甲乙付けがたい美しさ!個人的には見事なメイクで中国人風美女に変身している姿のほうが大好き。彼女のほかの出演作としては当ブログでは『Om Shanti Om』を紹介済みでございます。元スーパーモデルという職業柄、絶世の美女をやらせると近年のインド映画ではピカイチの女優さんだと思います。
個人的にはおいしいポイントだと思ったのが、ミトゥン・チャクラヴァルティー(シドゥの養父役)の起用。インド映画初体験の方は何で?とお思いでしょうが、実はこの御仁、80年代にはアクション映画で人気を博し、その内数本はマーシャルアーツを扱った作品が存在する(その名も『Karate』(83)という怪作がある)のだ。私はこの作品を観てて「いつミトゥンが戦いだすんだろう?」と筋違いな期待してしまった。果たしてミトゥンの格闘シーン、あるのかどうかはどうぞ劇場でお確かめください(笑)。