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女子プロレス小説書くなら、コレ読んどけっ! 其の壱

2010年09月22日 | 女子プロレス

 mixiにてワタクシが参加しているコミュニティー『レッスルエンジェルスLM(ラブミッション)』に於いて現在公開中のSSを読んでいて、「これなら俺(または私)でもやれるんじゃないか!」と思った方はいませんか?でも多少《小説を書く》という行為を経験された方でも、この『レッスルエンジェルス』の基本である《女子プロレス》を題材にして物語を一本作り上げるのはヤッパリ大変だと思います、いや実際大変ですっ!

 そこで不肖ワタクシめが「コレ読んどけば話作るのに大丈夫だろう」というプロレス関係の書籍を紹介しましょう。ただひとつ注意点がありまして…殆どが絶版なんですよ。「どうしても読みたいっ!」と思われたヒトは再販を待つか、図書館や古本屋、またはオークションを利用して読んでみて下さい。


 『慟哭のリング』(葉青・著 読売新聞社 1998年)

                       

 中国残留日本人の母を持つ主人公・紅華が母の母国・日本に渡り、女子プロレスに入門、そして様々なライバルたちと戦いの末に日本女子プロレス界の頂点へとたどり着くまでを描いた、タダでさえ数少ない《女子プロレス小説》の中に於いて最高傑作だと個人的は思います。

 主人公である紅華(リングネーム:紅龍華)の「選ばれし者の恍惚と不安」がキチンと描かれている、という点がとても良く、ヘタすればアニメ・ゲーム的(今でいえばライトノベル風)になりがちなキャラクターを上手いこと《一般小説》のキャラクターとして留まらせている。また対するライバルたちも、それぞれ重い背景を持ったキャラ設定(プロモーターを父に持つ在日韓国人少女やボートピープル出身の隻腕ベトナム人少女など)がされていて、《痛快スポーツヒロイン》小説を期待するとちょっと「えっ?」と驚いてしまう。

 《女子プロレス》という題材とキャラクターたちを、マンガ的・アニメ的描写で逃げる事なく、堂々と《差別者》の成長物語として描ききった所にこの作品の《価値》があるのです。


 小説のラスト、ママとなった紅華が幼い自分の子供の声援を受けてリングに立つ場面が未だに忘れられなくて、「いつか自分もこんな場面やりたい(書きたい)なぁ」なんて思いながら『レッスル~』の二次創作小説をイソイソと書いている。したがってこの『慟哭のリング』こそが未だに自分の中では《女子プロレス小説》におけるイチバンのバイブルなのですヨ。



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