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ルチャ対空手、仁義なき闘い?! 『La Llave Mortal』

2008年04月17日 | ルチャリブレ

 ルチャ映画は数多くあれど、一度はお見受けしたいと思っていた作品が今回紹介する作品『La Llave Mortal(必殺技)』(90)だ。昔、週刊ゴングでウルティモ・ドラゴンになる前の浅井嘉浩がチョイ役で出演したという事でチラッと紹介されていたので年季の入ったルチャマニアは覚えている方もいらっしゃるだろう。
 厳密に言えば全編通して観たわけではない。毎度お世話になっているYOUTUBEでオイシイ部分と、見せ場のルチャドール対空手家の軍団対抗戦がアップされてたのでそれを観賞したという事なのだが。

 話はメキシコ空手界の大物が、コミッショナーを通じてルチャドールに対戦表明し、一旦はルチャ側に拒否されるものの空手家の妨害などにより業を煮やしたルチャリブレ界の大物マスカラスが5対5の軍団対抗戦を提案、これにより無観客の体育館の中ルチャと空手、互いのメンツを賭けた死闘が開始された…というもの。犯罪組織や怪人・怪物と闘うことの多いルチャ映画に比べてすごいマットウな内容である。マスカラス自身が製作を手がける作品にはこういったルチャ自体を扱う内容の物があるようだ。日本でも劇場公開された『ミル・マスカラス/愛と宿命のルチャ』(88)もそうだし。
 この作品のすごいのは有名ルチャドールたちがこぞって出演している事。ドス・カラスブラック・シャドーJrブルー・デモンJr、試合には出てないがブラックマンなどの姿も拝見できた。一方の空手家軍団の出演者も本職の俳優&空手家なんて一人もいなく、東洋キャラで人気があったカト・クン・リーを大将に、クン・フーや日本人ルチャドールのパイオニア・グラン浜田や冒頭に書いた浅井まで何だか意味なく豪華である。
マスカラスの頼みじゃきっと断れなかったんでしょうね(笑)。

                            
                             
                          
                          

 肝心のルチャ対空手軍団対抗戦だが、デモンJr vs 浅井、クン・フー vs シャドーJr、女子同士の2試合に続きドス vs グラン浜田、そして大将戦のマスカラス vs カトとルチャ好きなら卒倒しそうな好カード揃い。女子選手の名前が分からないのがちょっと残念だが、とにかく試合内容はこうである!


ブルー・デモンJr vs 浅井

 浅井のキック攻撃に戸惑うものの、カニ挟みでテイクダウンさせての膝固め、ロープに振ると見せかけての脇固めなどサブミッションで次第に圧倒。最後はノーザンライト・スープレックス→プルポ(蛸固め…変形グランド卍固め)でギブアップ。


クン・フー vs ブラック・シャドーJr

 最初は若いシャドーがドロップキックやアームホイップなどで攻め立てたが、次第に試合の流れはクン・フーのペースに。リングの角に相手をぶつけるラフ殺法を織り交ぜながらキック攻撃で圧倒、シャドーの首を両足に挟みこんでの首折りで決着。


ドス・カラス vs グラン浜田

 この試合は終始ドスが体格差で圧倒するという展開。リフトアップで浜田を軽々と持ち上げたり力の差をアピールするが、浜田もショルダースルーを回転着地してのドロップキックなどいいところを見せる。 しかし流れは変え難く、場外へ落ちた浜田にペスカリート(プランチャ)で痛めつけ、ケブラドーラ・コン・ヒーロ(風車式バックブリーカー)2連発、ブレーンバスターからバックドロップと大技が続き、最後は河津掛けからのグランド卍固めでキッチリギブアップを奪う。


ミル・マスカラス vs カト・クン・リー

 テコンドー高手であるカトの独楽のような回し蹴りや、ロープを使ってのキック、得意技のコロ・クエルダス(ロープ渡り)まで披露しマスカラスを攻め込むが、ドスvs浜田戦と同じく体格差が勝負を左右した。 ニードロップの失敗を見計らってマスカラスがラリアート、そしてフライング・クロスチョップと攻撃は続き、場外へのダイビング・ボディアタック!リング内に戻ったカトにサイド・スープレックスで投げつけ、胴絞めフルネルソンで最後まで抵抗したカトを絞め落とす。

 浅井のキック技は試合でも使用しているので本格的なのだが、浜田の空手家役はいただけなかった。純正レスリングで試合している浜田なので空手の型が全然板に付いてなく殆ど普段の試合通りの動きだった。 クン・フーの空手技は見よう見まねのインチキなのでアレだが、カトの蹴り技はテコンドー仕込みだけあって蹴りに迫力がある、とは言ってもかなりの年齢なのでそう脚は上がらないけど。

                          

                            

 試合を総括するとルチャの試合です、これは。空手家らしかったのは浅井と女子選手だけで、あとは普通に自分の試合をしております。ただ、幾百のルチャ映画と異なるのは相手がルチャドールなので、マスカラスたちいい者役の選手も思い切ってアクションできるという所です。普段ならパンチやドロップキックなど攻撃に制限があるルチャドールのアクションも、この作品ではリング上が舞台なのでロープを使った攻撃や関節技、はたまた危険な投げ技までも見せてくれるのだ。こんな過激な(普段の試合通りの)アクションなんてスタントマン相手では出来ないでしょ?  

 あ~いっぺん全編通して観てみたい。でもきっとここだけが面白いんだろうな…


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