ファントム・レディ『美貌と頭脳』
初出:『ファントム・レディ』13号(1947年8月)
コミックス黄金時代を代表する女性ヒーローといえば、映画化もされているワンダーウーマンがすぐ頭に浮かびますが、裏の女性ヒーローだと言うべきキャラクターが存在します。それが彼女、ファントム・レディであります。
アメリカ上院議員のヘンリー・ナイトの、ひとり娘であるサンドラ・ナイトがその正体で、ひとたび事件が起きればファントム・レディに変身し、ポーチ型の黒色光線銃を武器に(照射された者は目が見えなくなる)犯罪者たちと戦うのですが、彼女が裏の女性ヒーローといわしめる要素、それは彼女のコスチュームにあります。ほぼ半裸のワンダーウーマンに比べれば露出度は低いですが女性らしいボディラインや、コスチュームの隙間から胸の谷間が見えていたりとかなり煽情的に描かれているのです。恋愛コミックスなど女性を描くのが得意であったアーティスト、マット・ベイカー(1921-1959)の作画によるもので、表紙に描かれたレディは子ども向け出版物とは思えないくらい艶やかであります。
しかし性を煽るようなファントム・レディの表紙絵は、保守的な「大人」たちの目に留まり1954年、暴力やセックスなど子供に「悪影響」を及ぼすような表現を規制する機関・CCA(コミックス倫理規定委員会)の誕生と共に、隆盛を誇ったコミックスの黄金時代は幕を閉じるのでありました。つまり彼女は自由を謳歌していたコミック表現に、とどめを刺した《魔女》だったといえるでしょう。
アメリカ上院議員のヘンリー・ナイトの、ひとり娘であるサンドラ・ナイトがその正体で、ひとたび事件が起きればファントム・レディに変身し、ポーチ型の黒色光線銃を武器に(照射された者は目が見えなくなる)犯罪者たちと戦うのですが、彼女が裏の女性ヒーローといわしめる要素、それは彼女のコスチュームにあります。ほぼ半裸のワンダーウーマンに比べれば露出度は低いですが女性らしいボディラインや、コスチュームの隙間から胸の谷間が見えていたりとかなり煽情的に描かれているのです。恋愛コミックスなど女性を描くのが得意であったアーティスト、マット・ベイカー(1921-1959)の作画によるもので、表紙に描かれたレディは子ども向け出版物とは思えないくらい艶やかであります。
しかし性を煽るようなファントム・レディの表紙絵は、保守的な「大人」たちの目に留まり1954年、暴力やセックスなど子供に「悪影響」を及ぼすような表現を規制する機関・CCA(コミックス倫理規定委員会)の誕生と共に、隆盛を誇ったコミックスの黄金時代は幕を閉じるのでありました。つまり彼女は自由を謳歌していたコミック表現に、とどめを刺した《魔女》だったといえるでしょう。
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