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【経営コンサルタントのお勧め図書】 ドッラカー経営学の実践編 現場のドラッカー 究極のドラッカー  2407

2024-07-23 12:01:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】 ドッラカー経営学の実践編 現場のドラッカー 究極のドラッカー    2407 

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。
 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。
 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。
 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。
本
■    今月のおすすめ
 今月も、先月に続き、ドラッカーです。酒井先生の力作をここにお届けでいることを誇りに思っています。

   『「現場のドラッカー」
     ―実践例からドラッカー経営学の本質を学ぶ―』
   『「究極のドラッカー」
     ―ドラッカー思想の原点と特徴を知ろう―』
(国貞 克則著 角川新書)

 

本

■■ 苦しみ・努力・実践から生まれた国貞流「ドラッカー経営学」(はじめに)
 紹介本の魅力は、著者が自身の経験から、「企業はどうすれば生きていけるか」という問いに答える「ドラッカー経営学の威力」を見つけ、著書に現わしたことです。著者は、自身のコンサルティングを通して、「ドラッカー経営学」が実際の現場で適用され、著しい結果が出て行く状況を見て、「ドラッカー経営学の威力」を実感できたのです。まさに、K・K・D(仮説、検証、データ)により確認できたのです。その発見は実に、著者がドラッカー経営大学院MBA取得後20年ほど後のことでした。著者の経験・実践の故に探求できた、「ドラッカー経営学」の真髄は貴重です。それではまず、著者の本著を発刊するに至る経歴・経験を見てみましょう。
 1983年、東北大学の機械工学科を卒業し、神戸製鋼所に入社します。1995年ころ、円高で競争力の無くなった海外プラント事業部門の企画担当に就任しますが、円高で競争力が無くなってしまった状況を打開する道筋を示すことが出来ず、打開のヒントを得ようと、1996年、米クレアモント大学ドラッカー経営大学院に、会社から派遣され、留学しMBAの資格を取得します。資格取得後の2001年、会社を辞め、コンサルティング会社、Bona Vita Corporation(ラテン語で「良い・立派な」、「人生・旅路」の意味。「人々の幸せな人生のために貢献したい」想いを表す)を設立します。
 しかし、1年半ほど収入ゼロの苦渋の時期に直面し、この間、著名コンサルタントのアドバイスにより、経営学の著書を、百冊以上、読み込みます。当時読んだ経営学の著書で、手元に残っているのは殆どがドラッカーの著書とのことです。
 その後、コンサルタントとして活動する中で、「ドラッカー経営学」のコンサルタントを探していたI氏が社長をするA社に招かれ、「ドラッカー経営学」をA社の経営の中心に置く会社方針に基づき、コンサルティングします。I氏の経営手腕と著者による「ドラッカー経営学」の浸透により、赤字続きだったA社はV字回復をします。
 また、ドラッカーと親交を持ち、ドラッカーの分身と言われ、ドラッカーの著書を多く翻訳している故上田惇生氏から暖かな支援を受け、著者のドラッカー経営学の深化に繋がっています。
 著者はこれらの経験を通して、「ドラッカー経営学」の真髄を体感するに至ったのです。ドラッカーの言葉である『「知識」は本の中にはない。本の中にあるものは情報である。「知識」とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である』(「創造する経営者」)の通り、「ドラッカー経営学」の真髄は、実践を通して初めて解るのです。
 著者が実践を通して体感した『国貞流「ドラッカー経営学」』は、「ドラッカー経営学」を理解する上で貴重な知見です。
 次項で、『現場で実証された「ドラッカー経営学の真髄」』を5つのキーワードで見てみましょう。
本
■ 現場で実証された「ドラッカー経営学の真髄」を5つのキーワードで解く
 著者は言います。『「ドラッカー経営学」は、ハウツーを教えるものではなく、組織社会を生きる人間としての「生き方」と「心構え」について、書かれているものである』と。著者のこの言葉は、『ドラッカーの特徴は、膨大な知識と情報を基にした分析力と論理思考力をベースに、「知覚(Perception、悟る、看破する)」を通して、物事の「本質」を体系的に極めていること』と言い換えることが出来ます。そして、このPerceptionは魂のレベルに於いてなのです。
 ドラッカーの著書に、『「マネジメント」― 課題・責任・実践―』(1973年)があります。著書の副題にある、課題・責任・実践の中の課題とは、「課題」(Human Happiness<人間の幸せ>&Legitimacy<正統性>)に加え、「課題」を達成する為のマネジメントの「役割(Tasks)」を意味します。この「課題」と「役割」に、副題の残りの、「責任(Responsibilities)」、「実践(Practices)」を加えた4項目に、ドラッカーの著書「イノベーションと起業家精神」(1985年)で体系化された「Innovation」を加えた5項目が、ドラッカー・マネジメント論のキーワードと言えます。
 紹介本では、A社のV字回復した理由を9つ挙げています(詳細は紹介本1.をお読みください)。この「ドラッカー経営学」の実践による9つの成果の要因を分析・集約すると、上記ドラッカー・マネジメント論のキーワードと一致するのです。まさに実践を通して検証された真髄ではないでしょうか。

 この5つのキーワードから「ドラッカー経営学の真髄」を以下で見てみましょう。

【「Human Happiness(人間の幸せ)」and「Legitimacy(正統性)」】
 ドラッカーは現在の社会を、ソ連崩壊後の「ポスト資本主義社会」と捉えます。その特徴は、企業を始めとした様々な組織が社会を構成し(「組織社会」)、社会の変化に対応して多元化した組織が出現し(「多元化社会」)、主たる資源が資本から知識になる社会(「知識社会」)であるとします。
 この様な社会を良くするのも悪くもするのも、組織のマネジメントであるとし、あるべき組織の体系的マネジメント論である「ドラッカー経営学」を提唱しているのです。
 「ドラッカー経営学」の根底には二つの原点があります。それは「正統性」と「人間の幸せ」です。
 「正統性」は二つあります。それは社会的正統性とマネジメントの正統性です。「人間の幸せ」はマネジメントの正統性の結果です。
 まず、社会的正統性です。それは、「組織は高次の規範・責任・ビジョンを根拠とする社会的認知により正当化されねばならない」です。言い換えれば、組織の存在意義が、社会から敬意を以って認知されることです。
 次は、マネジメントの正統性つまり組織の存在目的です。それは、「人の強みを生かし生産的なものにする」です。言い換えると、一人一人の持ち味を生かして社会に貢献し、それにより一人一人が自己実現を果たし、一人一人が存在意義を感じ、一人一人の「人間を幸せ」にすることであるとします。これにより、社会全体の「人間の幸せ」を実現し、更には、「人間の幸せ」を基礎に組織が社会に貢献をし、社会を発展させることです。

【「Tasks(役割)」】
 次に説明する、Tasks(役割)・Responsibilities(責任)・Practices(実践)について、次のような文脈で表現できます。「誰もが、課題を達成するための役割(Tasks)を持っている中で、その役割を、責任(Responsibilities)をもって果たし、具体的な実践(Practices )を以って、成果を挙げて社会に貢献しなければならない」です。(「マネジメント」の副題である、課題(役割)・責任・実践の基本思想)
 課題を達成するマネジメントの役割は3つあります。①自らの組織に特有の目的と使命を果たす。②仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果を上げさせる。③自らが社会に与えるインパクトを処理すると共に、社会に貢献する、の3つです。これら3つを「時間軸」で考え、実践していくのが組織の役割であるとドラッカーは言います。

【「Responsibilities(責任)、Integrity(真摯さ)」】
 役割を果たすための責任とは何か、ドラッカーの次の言葉が参考になります。「マネジャーに権利などない、あるのは責任だけだ。一人一人がやる気を出すのも責任を与えられた時だ」です。つまり、ある成果を達成するための仕事を「任される」のが責任です。マネジャーは勿論、組織のメンバーの一人一人に与えられます。責任を果たすこと、つまり、仕事を任され⇒自律により仕事を進め⇒成果に繋がり、自己実現をし、達成感を得て、承認され、“人間の幸せ”が実現するのです。責任がなければ成果は上がらず、自己実現の機会もなく、人間の幸せもないのです。
 一方、ドラッカー経営学でよく使われる、Integrity(真摯さ)についても触れておきましょう。真摯さは、Integrityの日本語訳である誠実さを超えた、周りから人間的・人格的に、真の信頼を得ることの出来る人間の資質です。一貫性があり、矛盾がなく、うわさや感情に惑わされず、ひたすら責任の遂行に向かって進む、魂レベルの資質です。経営層・マネジメント層の、誠実さや真剣さを証明する最終的な方法は、真摯さです。「真摯な人とは責任を持つ人のことである」(「教養とマネジメント」より)。

【「Practices(実践、成果、目標)」】
 具体的な実践(Practices )を以って成果を挙げて社会に貢献するにはどのようにしたら良いのでしょう。
 ドラッカーは、『成果を上げるにはまず「行うことを決めること」』だと言いました。つまり、「成果を上げるには、正しい考えを実践(行う)する意思決定をしなさい」と言っているのです。その正しい考えの実践を正しく行うためには、まず、目標を明確にしなければならないとして、「目標を設定すべき8つの分野」を提言しています。
 その目標は、 『命令ではなく「約束と責任」(Commitment)』、『“人は責任を担いたい、貢献したい、達成したいと望んでいる”を想定した「目標と自己管理によるマネジメント」』、『“組織の目標”と“個人の目標”の「一致」』を目指すべきとします。
 また、マイルストーン(中間目標・重要な節目)毎に、期日、担当者・責任者を目標に織り込み、自身の仕事振りと成果を自己管理により認識・フィードバック出来る目標設定を目指すべきとします。

 「目標を設定すべき8つの分野」による「目標の偉力」を見てみましょう。
(【図1】参照)


【「Innovation(More Better(改良)からNew Difference(新機軸)」】
 変化の時代に組織が生き延びていくには、イノベーションは欠かせません。ドッラカーはイノベーションについて2つの戦略を提起します。(「イノベーションと企業家精神」19章より)
 一つは、イノベーションを生み出す戦略です。具体的戦略としては、「イノベーションの7つの領域・機会」です。また、(ひらめきではなく)体系的にイノベーションを成功させるための要件についての提言もあります。「起業家精神の2つの原理」、「5つのなすべきこと」、「重要なカギ」です。(【図2】参照)


 二つ目は、イノベーションの基本戦略です。つまり、『イノベーションそのものが、昔からある商品・サービスにおいても、効用や、価値や、経済的な特性を変えるのである。物理的には如何なる変化を起こさなくてよい。しかし経済的には全く新しい価値を創造する。その為には、「効用創造戦略」、「価格戦略」、「顧客の社会的・経済的現実に合わせる戦略」、「顧客にとって価値あるものを提供する戦略」の4つの戦略を単体又は複合的に実践する必要がある。この4つの戦略には、一つの共通項がある。それは顧客の創造である。顧客こそ事業の目的であり、あらゆる経済活動の目的なのである』です。
 この2つの戦略がシナジーして、More Better(改良)からNew Difference(新機軸)に至る、より一層のイノベーションの成果を上げることが出来るのです。
 更に、ドラッカーは「この顧客創造戦略は、イノベーションに於いてだけではなく、“マーケティング”の“初歩”でもある」と言います。この“初歩”という言葉の意味は、組織が成果を以って社会に貢献するには、単なる「販売」に停まらずに、顧客創造戦略による「マーケティング」が必須であると言っているのです。
本
  「ドラッカー経営学」を経営の現場で実践・適用する(むすび)
 「ドラッカー経営学」を、経営の現場でどの様に活用できるのでしょう。
 それは、「ドラッカー経営学」を“To be”として捉え、自社の経営の現状(“As is”)とのギャップを認識し、改善・改革すべき課題を発見し、実践に移していくことではないでしょうか。
本
【酒井 闊プロフィール】
 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。  企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
本

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック
 経営コンサルタントを目指す人の多くが見るというサイトです。経営コンサルタント歴半世紀の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

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【お節介焼き情報】 ニューヨーク市で万博が開かれたのはいつ?

2024-07-23 12:01:00 | 【話材】 お節介焼き情報

【お節介焼き情報】 ニューヨーク市で万博が開かれたのはいつ?

 ちょっとした情報が、私達の智慧となることは多々あります。その情報が知恵の源泉であることに気づかないで機会損失を起こしていることは、それ以上に多いのかもしれません。

【一口情報】 ニューヨーク万博  

  1939年4月30日から、ニューヨーク万国博覧会(New York World's fair、 New York Expo 1939)が開催されました。会場となったメドウズ・パークは、ニューヨーク市の東の端にあるフラッシング地区にあります。
 私が、ニューヨークに赴任したのが1970年の12月ですので、万博を見ることはなかったどころか、私自身が生まれてもいませんでした。フラッシング地区というのは、私が滞在していたころは、日本人の居住者の多い地域でした。
 娘がそこで誕生したので、娘は日本国籍とアメリカ国政の両方を持っています。娘が誕生した直後には、私の母を日本から呼び寄せ、4人でこの公園に来ることもしばしばありました。母は、いまだにメドウズ・コロナという名前を覚えていて、時々思い出話の中で出てきます。
 ピクニックをする人も多く、中にはバーベキューをする人達もいました。公園の中央には池があり、その畔近くには万博のシンボルである地球儀があります。小さな動物園には無料で入場できます。パースリーのゴルフのショートコースもあり、パターの練習を兼ねて時々ゆきました。 

◆ 心で経営 論語や菜根譚をもとに経営者のあるべき姿を説く

 【心de経営】シリーズは、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月新しいブログを発信いたします。
【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会 藤原 久子 先生
 北海道札幌市出身、20年間の専業主婦を経て、会計事務所に約4年半勤務。その後平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し、代表取締役として現在に至る。従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、企業の永続的発展を願う。
 平成22年には横浜型地域貢献企業の最上位を受賞、続いてグッドバランスの受賞により、新聞、雑誌の掲載をはじめ、ラジオやWebTV(日本の社長100・神奈川県社長t v)に出演したりして、各種メディアで紹介されている。

■ ご挨拶
 自社の経営に当たりまして、何かと忙しい経営者に安心して事業に専念してほしいとの想いと、そして忙しい 経営者に、私たちからは「もっと心の通いあうサービス提供を」という原点を忘れてはならないと常に考えております。また、「顧客第一主義」と「企業は人なり」の精神を揺るぎないものとして持ち続けることも大切です。
 その信念に「学び」をプラスして更なる人間的魅力を形成してはじめて、従業員やお客様から信頼されるのです。そのためにも、まず自分自身を磨くことが大切です。
 人にはそれぞれ自分なりの生き方があります。経営者様をはじめ、これから経営者として歩み始めるみなさまや経営コンサルタント・士業の気づきや学ぶ機会になれば、これほどに嬉しいことはございません。
 
■ 【心 de 経営】ブログのバックナンバーを閲覧するには
 下記URLのいずれかををクリックしてください。
 
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月22日 徒然なるままに日暮パソコンに向ひて 第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 

2024-07-23 08:03:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月22日 徒然なるままに日暮パソコンに向ひて 第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月22日(月)

 バイデン米大統領が次期大統領選から撤退するという報道で埋め尽くされた感のある一日でした。

 ご高齢ですので、早々に断念すべきであったと考えていますが、クリントン元大統領などの意向を受け、決断できなかったのでしょう。

 バイデンさん、お疲れさまです。

 老兵はあまり口を挟まない方が良いということを聞いていましたので、私も日本経営士協会トップを去った後は、できる限り口を挟まないようにしています。

 いざというときは、先輩としての力を発揮すれば良いのです。

 そのようなことがないことが望ましいですが・・・

 このシリーズは、数年前に部分的に当ブログに投稿しました。

 その内容を追補したり、新規に加えたりして参ります。

 

 

 「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
 高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、老いぼれコンサルタントが、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。

【 注 】 加筆等再編集して、再掲の原稿を含んでいます。

◆第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは?
 第38段3に続きます。

【原文】
 ただし、強ひて智を求め、賢を願ふ人のために言はば、智恵出でては偽りあり。才能は煩悩の増長せるなり。
 伝へて聞き、学びて知るは、まことの智にあらず。
 いかなるをか智といふべき。可・不可は一条なり。
 いかなるをか善といふ。
 まことの人は、智もなく、徳もなく、功もなく、名もなし。
 誰か知り、誰か伝へん。
 これ、徳を隠し、愚を守るにはあらず。本より、賢愚・得失の境にをらざればなり。
 迷ひの心をもちて名利の要を求むるに、かくの如し。万事は皆非なり。言ふに足らず、願ふに足らず。

【用語】
 煩悩(ぼんのう): 心身を煩わし悩ます欲望や怒りなど
 まことの人: 絶対的な境地に立っている人
 迷ひの心: 相対的な立場に立って考える心

【要旨】
 ただし、本来人があるべき状態とは言えませんが、しいて「知恵を求め、賢いことを願う人」がいるとしたらその人にいうとしたら、「知恵というものが産まれましたから、偽りというものが生じてきた」ということをお話します。(老子の「知恵いでて大偽あり」を引用)
 才能というのは、煩悩(心身を煩わし悩ます欲望や怒りなど)の発達したものです。
 人から伝え聞いて、学んで知ることは、本当の知恵ではありません。
 どのようなものを本当の知恵というのだろうか(本当の知恵知というものなどありえないことです)。可も不可も、一本のもの、すなわち本質的には、同じものなのです。

 それでは、なにをもって「善」というのでしょうか。本当の「善」というものなど、ありえないのです。
 まことの人(絶対的な境地に立っている人)は、知もなく、徳もなく、功もなく、名もありません。
 それゆえ、そのことを、だれが知っているのでしょうか、だれがそれを伝えるのでしょうか。だれも知らないでしょうし、伝えられる人もいないでしょう。
 これは、自分で徳を隠し、愚を装っているのではなく、もともと賢愚や得失を問題にする境地に入れませんから、このようなことを言ってしまうのです。

 迷いの心を持って、名誉とか利益とかを追い求めますと、このようになってしまうのです。すべてことは、それら皆を否定すべきものなのです。それを論ずる価値もなければ、それを願う価値もないものなのです。

【 コメント 】
 この段を読んで、最初に感じたのは、般若心経の「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」です。
 「賢」も「愚」もなく、「善悪」もみな同じと兼好は言っています。なかなか、その境地にはなれない凡人である私です。
 「智恵出でては偽りあり」ともいっています。
 人が知恵を手に入れたことにより虚偽が生まれたといいます。アダムやイブが禁断の実を食べたことにより、性差を感じるようになることにも通じます。
 お金持ちも、出世した人も、みな、私のような凡人と同じなのですから、富や立身出世を求める必要はないということです。
 しかし、凡庸なお節介焼きの経営コンサルタントとしては、少しでも自分のクライアントの収益を改善することに固執して40年余やってきました。
 「才能は煩悩の増長せるなり」といわれましても、「企業が蓄積をした知恵を経営に活かそう」と声をかけてしまいます。
 知識を蓄えるときに、事実と伝聞は異なりますので、「伝聞は必ずウラを取りましょう」と言ってきましたし、経営コンサルタントを続ける限り、これからも言うつもりです。
 『伝へて聞き、学びて知るは、まことの智にあらず』というのは、ウェブサイトやSNSでサッと検索できるために、それでわかったつもりになってしまう傾向が昨今のわれわれへの警鐘でもあります。ネット検索や書物、TVなどで学び、知ったことは、真の智ではないということです。

■ 「日暮パソコンに向日て」 バックナンバー

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/eb88c477696adc4e2e78376c81b7274b

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
    この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930

  【今日は何の日】 7月23日 ■ 文月ふみの日 手書きもまたいいですね

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

 著作物でも著作権を行使できないことがある 722

 著作権法の制定は、1899(明治32)年なのですね。歴史の古いのに驚きました。

 同年7月22日に「著作権法」が制定され、日本にも著作権制度が導入されました。

 日本では、著作権というのは「創作した時点で発生する」ということで、登録しなくても著作権があります。

 もちろん、著作物として登録しておけばベターでしょう。


 自然科学に関する論文は、著作権を主張できませんので、C&P自由となります。

 大阪地方裁判所の判決では、『論文に同一の自然科学上の知見が記載されているとしても、自然科学上の知見それ自体は表現ではないから、同じ知見が記載されていることをもって著作権の侵害とすることはできない。また、同じ自然科学上の知見を説明しようとすれば、普通は、説明しようとする内容が同じである以上、その表現も同一であるか、又は似通ったものとなってしまうのであって、内容が同じであるが故に表現が決まってしまうものは、創作性があるということはできない』としています。

 ただし、C&P自由といいましても、拡大解釈しますと法律に反することになります。

 あたかも自分の著作物であるかのような表現をすれば当然ながら著作権法に違反します。

 C&Pが簡単にできるからと言って、”自分の勝手な解釈”により、他者の著作物を安易に利用することは絶体にあってはならないと考えます。

(ドアノブ)

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17

>> もっと見る


■バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

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