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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-05 俯瞰細観 部分最適と全体最適 俯瞰するだけではなく、細部も観る
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四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第2章 思考力を高めてビジネス全快
四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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■2-0 5 俯瞰細観 部分最適と全体最適
~ 俯瞰するだけではなく、細部も観る ~
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ビジネスの世界だけではなく、日常生活も「思考の世界」と、切り話すことはできません。論理思考をベースに、「深謀遠慮」を意識しながら「沈思黙考」をすることにより思考を進められます。しかし、単に沈思黙考しているだけでは、思考の質の高まりに限界があります。
思考の質を高めるための四字熟語として「重考高盛」があります。同じテーマを時間や空間を変えることにより繰り返し思考することにより、それまで気がつかなかった発想ができるようになるということです。
重考高盛する時に注意しなければならないこととして、「色眼鏡をかけない」ということが良くいわれます。黄色いレンズのサングラスをかけますと、見える景色が、実物よりも黄色みを帯びて見えてしまいます。自分が何かに固執して思考しますと、その思考に自分の思考が染まってしまう可能性があるということです。
近年、薬害問題がクローズアップされています。とりわけ高齢者が、いろいろな病気で、複数の病院や医師にかかっていて、それぞれから薬が投薬されます。投薬された薬は、その病気には効果があるかもしれません。すなわち部分最適な状態と言えます。ところが、別の病気においては、その薬が逆の作用を起こしたり、薬どうしが効果を殺減してしまったりすることがあります。
その例としてしばしば挙げられるのが、高血圧の人に最適な薬が当然のことながら投与されます。ところが、一方で別のお医者さんが、ビタミンCやKの摂取の必要性から果物を多く食べるようにアドバイスをしたとします。高血圧の薬の効果をグレープフルーツのある成分が高めてしまい、逆作用を起こしてしまうと言うのです。薬も果物も、特定の目的には効果があっても(部分最適)、全体的に見るとマイナスの効果が出てしまい、全体最適になっていないのです。
経営面でも、類似したようなことが起こります。例えば、売上高を上げるために製造部門から営業担当者に移籍することにより、売上高を上げる効果は出てくるかもしれません。ところが、減員された製造部門では生産力が落ちて、売上増に見合うに足る生産量を確保できなくて、結果的に受注しても、売上に結びつかないということが起こってしまいかねません。営業担当者を増員して、営業力を高めるというのが部分最適で、全体的に見ると必ずしも売上増に繋がっていないような現象です。この事例は極端なことですが、気がつかないで類似したことをやっているかもしれません。
同じように「我田引水」の項で「自分は他の人の邪魔(迷惑)をしたくありませんので、他の人に道を譲って、謙譲の美徳を発揮しているつもりが、実は自分の後にいる人に迷惑をかけてしまっていた」という逸話をご紹介しました。謙譲の美徳を発揮しているつもりという”つもり”で思考していることになりますので、それが色眼鏡となり、結果として、気がつかないうちに自分の意図に反したことをしてしまっているのです。
「頑迷固陋(がんめいころう)」という類似した四字熟語があります。「頑迷」は、自分が知識とか道理に疎いことを意識していない、道理に通じていないという意味です。「固陋(ころう)」の「陋(ろう)」は、「狭い」とか「卑しい」という意味で、「固く、狭いこと」を意味し、同じ意味の言葉を重ねて、「頑固で見識が狭い」という意味を強調した四字熟語です。すなわち「かたくなで、ものの道理がわからず、正しい判断ができない」という意味です。類似した四字熟語に「頑冥不霊(がんめいふれい)」という言葉もあります。
このように、人間の思考というのは、何かに固執してしまう傾向があります。それを逆手にとった思考法が「俯瞰細観(ふかんさいかん)」という四字熟語です。
「俯瞰(ふかん)」とは「鳥瞰(ちょうかん)」とも言いますが、鳥のように上空から見ると全体を見渡せ、どこで、どの様なことが起きているのかを見つけやすいという意味です。「細観(さいかん」)というのは、「細かい部分まで見る」「細かく見る」という意味です。
すなわち、俯瞰細観というのは、「一歩引いて俯瞰的に見るだけではなく、細部まで詳細に観察する」という意味となります。「木を見て森を見ず」という、細部にこだわってしまうものの見方を改めた方が良いという警鐘で、「木も見て森も見る」という表現にも繋がります。
登山者に対する報酬ですが、雲海の素晴らしさに心が癒やされましたり、下界の騒音や煩わしさから解放されたりするのは、「そこに山があるからさ」以上の何かがあります。「一望千里(いちぼうせんり)」と言います。登山をしなくても、小高いところから下を眺めますと、遙か彼方の遠くまで見渡せます。これが一望千里で、全体を把握できます。双眼鏡がありますと、一本一本の木を見ることもできます。森や林を見つけたら、野鳥観察もでき、楽しみは何倍にも膨らみます。双眼鏡をはずせば、足元を見れば「一木一草(いちぼくいっそう)」、すなわち周辺にあるすべての草木を見ることもできます。
全体を見ながら、細かいところまで見て行く、適切な道具や手法を用いることによりいろいろと見えてきますので、経営においてもこのようなものの見方は重要なことです。
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~ 俯瞰するだけではなく、細部も観る ~
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ビジネスの世界だけではなく、日常生活も「思考の世界」と、切り話すことはできません。論理思考をベースに、「深謀遠慮」を意識しながら「沈思黙考」をすることにより思考を進められます。しかし、単に沈思黙考しているだけでは、思考の質の高まりに限界があります。
思考の質を高めるための四字熟語として「重考高盛」があります。同じテーマを時間や空間を変えることにより繰り返し思考することにより、それまで気がつかなかった発想ができるようになるということです。
重考高盛する時に注意しなければならないこととして、「色眼鏡をかけない」ということが良くいわれます。黄色いレンズのサングラスをかけますと、見える景色が、実物よりも黄色みを帯びて見えてしまいます。自分が何かに固執して思考しますと、その思考に自分の思考が染まってしまう可能性があるということです。
近年、薬害問題がクローズアップされています。とりわけ高齢者が、いろいろな病気で、複数の病院や医師にかかっていて、それぞれから薬が投薬されます。投薬された薬は、その病気には効果があるかもしれません。すなわち部分最適な状態と言えます。ところが、別の病気においては、その薬が逆の作用を起こしたり、薬どうしが効果を殺減してしまったりすることがあります。
その例としてしばしば挙げられるのが、高血圧の人に最適な薬が当然のことながら投与されます。ところが、一方で別のお医者さんが、ビタミンCやKの摂取の必要性から果物を多く食べるようにアドバイスをしたとします。高血圧の薬の効果をグレープフルーツのある成分が高めてしまい、逆作用を起こしてしまうと言うのです。薬も果物も、特定の目的には効果があっても(部分最適)、全体的に見るとマイナスの効果が出てしまい、全体最適になっていないのです。
経営面でも、類似したようなことが起こります。例えば、売上高を上げるために製造部門から営業担当者に移籍することにより、売上高を上げる効果は出てくるかもしれません。ところが、減員された製造部門では生産力が落ちて、売上増に見合うに足る生産量を確保できなくて、結果的に受注しても、売上に結びつかないということが起こってしまいかねません。営業担当者を増員して、営業力を高めるというのが部分最適で、全体的に見ると必ずしも売上増に繋がっていないような現象です。この事例は極端なことですが、気がつかないで類似したことをやっているかもしれません。
同じように「我田引水」の項で「自分は他の人の邪魔(迷惑)をしたくありませんので、他の人に道を譲って、謙譲の美徳を発揮しているつもりが、実は自分の後にいる人に迷惑をかけてしまっていた」という逸話をご紹介しました。謙譲の美徳を発揮しているつもりという”つもり”で思考していることになりますので、それが色眼鏡となり、結果として、気がつかないうちに自分の意図に反したことをしてしまっているのです。
「頑迷固陋(がんめいころう)」という類似した四字熟語があります。「頑迷」は、自分が知識とか道理に疎いことを意識していない、道理に通じていないという意味です。「固陋(ころう)」の「陋(ろう)」は、「狭い」とか「卑しい」という意味で、「固く、狭いこと」を意味し、同じ意味の言葉を重ねて、「頑固で見識が狭い」という意味を強調した四字熟語です。すなわち「かたくなで、ものの道理がわからず、正しい判断ができない」という意味です。類似した四字熟語に「頑冥不霊(がんめいふれい)」という言葉もあります。
このように、人間の思考というのは、何かに固執してしまう傾向があります。それを逆手にとった思考法が「俯瞰細観(ふかんさいかん)」という四字熟語です。
「俯瞰(ふかん)」とは「鳥瞰(ちょうかん)」とも言いますが、鳥のように上空から見ると全体を見渡せ、どこで、どの様なことが起きているのかを見つけやすいという意味です。「細観(さいかん」)というのは、「細かい部分まで見る」「細かく見る」という意味です。
すなわち、俯瞰細観というのは、「一歩引いて俯瞰的に見るだけではなく、細部まで詳細に観察する」という意味となります。「木を見て森を見ず」という、細部にこだわってしまうものの見方を改めた方が良いという警鐘で、「木も見て森も見る」という表現にも繋がります。
登山者に対する報酬ですが、雲海の素晴らしさに心が癒やされましたり、下界の騒音や煩わしさから解放されたりするのは、「そこに山があるからさ」以上の何かがあります。「一望千里(いちぼうせんり)」と言います。登山をしなくても、小高いところから下を眺めますと、遙か彼方の遠くまで見渡せます。これが一望千里で、全体を把握できます。双眼鏡がありますと、一本一本の木を見ることもできます。森や林を見つけたら、野鳥観察もでき、楽しみは何倍にも膨らみます。双眼鏡をはずせば、足元を見れば「一木一草(いちぼくいっそう)」、すなわち周辺にあるすべての草木を見ることもできます。
全体を見ながら、細かいところまで見て行く、適切な道具や手法を用いることによりいろいろと見えてきますので、経営においてもこのようなものの見方は重要なことです。
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