■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-46 PDCAの「P:計画(Plan)」でスパイラルが回り始める
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-46 PDCAの「P:計画(Plan)」でスパイラルが回り始める
これまで、日科技連の品質管理用に発表していましたPDCAを、経営管理に転用するようになってから、日常的に広い分野で利用できるようにカスタマイズされてきました代表的な利用法をご紹介してきました。
時代の流れとは多少前後したり、オーバーラップしたりしますが、それ以外のPDCAの仲間をご紹介しておきます。
PDCAをもとに、「蓄積は力なり」ということを取り入れた経営管理を行い、あたり前のことがあたり前にできるようになりますと、企業の基礎体力は堅固になり、将来の展望が持てるようになるでしょう。
「始め良ければ終わり良し」といわれています。PDCAの「始め」であります「P:計画(Plan)」を重視し、PDCAの実施中の「ものさし」となるようにすることが、PDCAを活用して、効果を上げるのに大切です。
それでは、なぜ「P:計画(Plan)」が重要なのでしょうか。ここでは、営業部門を事例として考えてみます。
しばしば、Pは、船による航海の羅針盤に例えられます。それは、PがPDCAを実行していく上での「ものさし」であることは、すでにお話しました。
「ものさし」ですから、行動を起こしたり、確認をしたりするときに、「今やろうとしていることは、先ほどしたことは、それで良いのだろうか」と振り返るときの尺度となります。
営業パーソンは、外に出ることが多いですので、「みなし就業」といって、外では、管理職の直接の管理下ではありませんが、キチンと仕事をしているとみなされて、俸給を得ることができる仕事です。
また、「共通目標・共通認識・共通行動」という考え方で、ベクトルをあわせて思考し、計画を立案し、行動をすることにより、最大限の効果を上げようという考え方に基づいていることもご承知の通りです。
「共通目標・共通認識・共通行動」は、別項でも述べておりますように、トップが掲げる経営理念や基本戦略など最上位概念を、担当役員が責任を持って実現するために中長期経営計画や年度計画をもとに活動します。
部門長は、全社の年度計画書をもとに、部門別の年度計画書を作成し、それをもとに月度の計画書を立案し、各担当者は、その実現のための計画書を策定し、日常業務を遂行します。
この考えに基づきますと、企業のトップから、社員までが同じベクトル上で「P:計画(Plan)」を立案し、それを共通認識した上で、ベクトルのあった行動をすることになります。
これを「共通目標・共通認識・共通行動」といい、英語の頭文字から「PDCAの3CAs」といいます。
トップ、中間管理職、社員という、全ての階層のベクトルをあわせることを、「経営階層の三位一体」といいます。
経営体を形成する三層の関係は三段跳びの原則ともいわれ、三つが一体となって、あたかもスポーツの三段跳びにおけるホップ・ステップ・ジャンプのように、調和のとれた活動によって会社も発展するという考えです。
全階層の業務が有機的に結合し、協力していく組織を形成し、一体的にシステム化されることがあるべき姿といえます。この一体化や協働化にとって、経営・管理の仕事、つまりリーダーシップやマネジメントという業務のあり方に繋がるのです。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
ご購入は書店または下記よりamazonで
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