【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー06 鬼哭啾啾 日はまた昇る~恐ろしい気配の漂う様子や状態~
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第4章 判断力を養いベターな意思決定
ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
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ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
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■ 4ー06 鬼哭啾啾 日はまた昇る
~ 恐ろしい気配の漂う様子や状態 ~
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「鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)」という四字熟語があります。この言葉に初めて接したときには、その意味がわかりませんでした。「鬼」というのは鬼とか亡霊とか呼ばれる、どちらかというとおどろおどろしいものをさすだろうということは想像できました。「哭」は、大声を上げて鳴き叫ぶという意味で知っていましたが「啾」という時の意味がわかりませんでした。
因みに、「哭」という字を中国では、「人の死を悲しんで泣きさけぶ礼(広辞苑)」という時に使うそうです。「啾啾」は、虫や鳥などが小声に鳴く様子を指し、しくしくと力なく泣く様子や細かく尾を引いて悲しげに、また恐ろしげに鳴く様子を指すようです。すなわち、「鬼哭啾啾」は、亡霊の泣き声が恨めしげに響くという意味となります。このことから「恐ろしい気配の漂う様」を形容する時の表現として使われます。
私が、所属する団体の役員会議の席上、その団体の変革を求める要求について、会員からの声を率直に伝えました。その座長の逆鱗に触れることは、この団体にいられないというような雰囲気でした。誰しも自分が可愛く、自分に余計な火の粉がかかってくることは望みません。その場が一瞬にしてシーンと静まりかえり、私の発言を誰一人としてフォローしてくれませんでした。その時に初めて鬼哭啾啾という場に遭遇しました。
日本企業は、「技術力はあるが、マーケティングが下手」というようなことがしばしば言われます。高い技術力で良い商品を開発しても、後発の国の模倣により、軒先を貸して母屋を乗っ取られてしまう事態が処々に見られました。
マーケティングの基本の一つに「プロダクトアウトではなく、マーケットインであるべき」という考えがあります。日本企業は、自社の技術力をベースに「良い製品は売れる」と信じ、満を持して新製品を世に投じてきました。残念ながら、それが市場でユーザーに受け入れられないことが多かったのです。
かつては、日本国内では、N社が日本のパソコンの標準であると言われる時代がありました。しかし、IBMがDOS/Vという仕様のOSを発表しますと、急速に市場から駆逐されてしまいました。同様にガラケー(ガラパゴス携帯電話、日本独自OS携帯電話)も、日本独自の仕様と言うことで、世界の市場から日本の携帯電話は見向きもされなくなってしまいました。
日本という国全体が、バブルがはじけると「失われた○十年」が始まり、「鬼哭啾啾」しました。グローバル市場での相対的地位の低下から、日本全体が自信をなくしてしまったのです。「威風堂堂(いふうどうどう)」「旗鼓堂堂(きこどうどう)」という威厳に満ち、立派に見える状態ではなく、自信と活気に溢れた高度成長期とは大きく異なっています。
高度成長期には、「騎虎之勢(きこのいきおい)」で、自社の考えを基に、市場に立ち向かう「プロダクトアウト」の戦略が採られました。「騎虎」、すなわち「虎にまたがる」とうことで、虎を目の前にしたときの戦法として虎にまたがるという方法があります。ところが一旦虎の背にまたがってしまうと、その勢いが激しくて降りることもできないでしょうし、降りてしまったら虎に食べられてしまいます。このことから「勢いよいときには塗中で止められない」、すなわち「一旦はじめてしまったら、後に引けない」という意味です。
このような時には、市場の動向に合わせた新製品開発、すなわち「マーケットイン」が改めて見直されるとともに、技術だけを前面に出したグローバル市場への参入に、高らかに警鐘が鳴らされました。
「日はまた昇る(The Sun Also Rises)」といいますと、小説家アーネスト・ヘミングウェイの長編小説を連想する人が多いでしょう。これをもじって、「エコノミスト誌」の編集長をしていたビル・エモットは「日はまた沈む」と、「日」すなわち「日本」はその繁栄からまた沈んでしまうだろうと、日本経済を揶揄し、バブル崩壊を見事に予測して、1990年代にベストセラーとなりました。二一世に入りますと、エモットは、日本は長い低迷の時期を続けていますが、ゆっくりと、確実に変化しているとして「日はまた昇る」とヘミングウェイと同じタイトルの本の出版をしました。
日本は、鬼哭啾啾の後、東アジア情勢への展望を視野におきながら、社会インフラ面での、技術だけではなく仕組みとして、水事業を始め、いくつかに絞り込んだグローバル戦略に目を向け始めています。アメリカを始めとしたいろいろな国に、新幹線の、高い安全性における実積を武器に、運用技術も含めたトータスサービスを商品として、ふたたび羽ばたき始めています。
グローバル市場で、いろいろな課題がある中、何度失敗してもくじけない精神で「七転八起(しちてんはっき)」し、不死鳥のように蘇るでしょう。日本は、ロボット産業、リニアモーターカーや環境技術を始め、たくさんの強味を持っています。「第四の波」と言われますナノテクノロジー、バイオテクノロジー、人工知能も視野に入れることにより、日はまた昇るのではないでしょうか。
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~ 恐ろしい気配の漂う様子や状態 ~
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「鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)」という四字熟語があります。この言葉に初めて接したときには、その意味がわかりませんでした。「鬼」というのは鬼とか亡霊とか呼ばれる、どちらかというとおどろおどろしいものをさすだろうということは想像できました。「哭」は、大声を上げて鳴き叫ぶという意味で知っていましたが「啾」という時の意味がわかりませんでした。
因みに、「哭」という字を中国では、「人の死を悲しんで泣きさけぶ礼(広辞苑)」という時に使うそうです。「啾啾」は、虫や鳥などが小声に鳴く様子を指し、しくしくと力なく泣く様子や細かく尾を引いて悲しげに、また恐ろしげに鳴く様子を指すようです。すなわち、「鬼哭啾啾」は、亡霊の泣き声が恨めしげに響くという意味となります。このことから「恐ろしい気配の漂う様」を形容する時の表現として使われます。
私が、所属する団体の役員会議の席上、その団体の変革を求める要求について、会員からの声を率直に伝えました。その座長の逆鱗に触れることは、この団体にいられないというような雰囲気でした。誰しも自分が可愛く、自分に余計な火の粉がかかってくることは望みません。その場が一瞬にしてシーンと静まりかえり、私の発言を誰一人としてフォローしてくれませんでした。その時に初めて鬼哭啾啾という場に遭遇しました。
日本企業は、「技術力はあるが、マーケティングが下手」というようなことがしばしば言われます。高い技術力で良い商品を開発しても、後発の国の模倣により、軒先を貸して母屋を乗っ取られてしまう事態が処々に見られました。
マーケティングの基本の一つに「プロダクトアウトではなく、マーケットインであるべき」という考えがあります。日本企業は、自社の技術力をベースに「良い製品は売れる」と信じ、満を持して新製品を世に投じてきました。残念ながら、それが市場でユーザーに受け入れられないことが多かったのです。
かつては、日本国内では、N社が日本のパソコンの標準であると言われる時代がありました。しかし、IBMがDOS/Vという仕様のOSを発表しますと、急速に市場から駆逐されてしまいました。同様にガラケー(ガラパゴス携帯電話、日本独自OS携帯電話)も、日本独自の仕様と言うことで、世界の市場から日本の携帯電話は見向きもされなくなってしまいました。
日本という国全体が、バブルがはじけると「失われた○十年」が始まり、「鬼哭啾啾」しました。グローバル市場での相対的地位の低下から、日本全体が自信をなくしてしまったのです。「威風堂堂(いふうどうどう)」「旗鼓堂堂(きこどうどう)」という威厳に満ち、立派に見える状態ではなく、自信と活気に溢れた高度成長期とは大きく異なっています。
高度成長期には、「騎虎之勢(きこのいきおい)」で、自社の考えを基に、市場に立ち向かう「プロダクトアウト」の戦略が採られました。「騎虎」、すなわち「虎にまたがる」とうことで、虎を目の前にしたときの戦法として虎にまたがるという方法があります。ところが一旦虎の背にまたがってしまうと、その勢いが激しくて降りることもできないでしょうし、降りてしまったら虎に食べられてしまいます。このことから「勢いよいときには塗中で止められない」、すなわち「一旦はじめてしまったら、後に引けない」という意味です。
このような時には、市場の動向に合わせた新製品開発、すなわち「マーケットイン」が改めて見直されるとともに、技術だけを前面に出したグローバル市場への参入に、高らかに警鐘が鳴らされました。
「日はまた昇る(The Sun Also Rises)」といいますと、小説家アーネスト・ヘミングウェイの長編小説を連想する人が多いでしょう。これをもじって、「エコノミスト誌」の編集長をしていたビル・エモットは「日はまた沈む」と、「日」すなわち「日本」はその繁栄からまた沈んでしまうだろうと、日本経済を揶揄し、バブル崩壊を見事に予測して、1990年代にベストセラーとなりました。二一世に入りますと、エモットは、日本は長い低迷の時期を続けていますが、ゆっくりと、確実に変化しているとして「日はまた昇る」とヘミングウェイと同じタイトルの本の出版をしました。
日本は、鬼哭啾啾の後、東アジア情勢への展望を視野におきながら、社会インフラ面での、技術だけではなく仕組みとして、水事業を始め、いくつかに絞り込んだグローバル戦略に目を向け始めています。アメリカを始めとしたいろいろな国に、新幹線の、高い安全性における実積を武器に、運用技術も含めたトータスサービスを商品として、ふたたび羽ばたき始めています。
グローバル市場で、いろいろな課題がある中、何度失敗してもくじけない精神で「七転八起(しちてんはっき)」し、不死鳥のように蘇るでしょう。日本は、ロボット産業、リニアモーターカーや環境技術を始め、たくさんの強味を持っています。「第四の波」と言われますナノテクノロジー、バイオテクノロジー、人工知能も視野に入れることにより、日はまた昇るのではないでしょうか。
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