■【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 36 自社の経営理念はこれで良いのかの検証 2
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■【経営支援編】第5部 経営戦略編 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 3章 経営理念の構築・再構築に取り組む
企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。
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5-3 経営理念の構築・再構築に取り組む
経営理念とは何かについて、共通認識ができましたら、実際に経営理念構築・再構築の実務編に入りたいと思います。
経営理念をどの様に構築・再構築するか、その方法となりますと一般的には確立されていないといえます。他社の事例を参考にして経営者が、エイヤーッと作成したり、経営コンサルタントに依頼して作成したりとするケースが多いようです。
ここでは、経営理念だけではなく、経営基本戦略や中長期経営計画など、経営管理を行う上で、関連する次項を念頭において、経営コンサルタント歴40年余の実績から、経営理念構築・再構築の方法をご紹介します。
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◆5-36 自社の経営理念はこれで良いのかの検証 2
前項で、構築・再構築した経営理念案が、それで良いのかどうかを検証するに当たり、「経営とは何か」「経営理念とは何か」という「ものさし」を用いるというお話をしました。
別の検証法として、世の中が求める企業という、企業の社会貢献性という観点を「ものさし」にする方法をご紹介します。
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社会貢献と言いましても、積極的な貢献と共に、企業としてあるべき姿について考察されることも必要です。自社の経営理念の仮説検証を、社会的貢献の切り口による方法として、いくつかご紹介します。
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◇ 社会的責任 CSR Corporate Social Responsibility
企業というのは、単に利益を追求し、自分の懐を肥やすことだけでなく、企業や組織としての活動が、社会へ与える影響に対して責任を持たなければなりません。あらゆるステークホルダーからの要求に対して、適切な対応ができるように意思決定をすることが求められます。
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◇ 顧客満足 CS Customer Satisfaction
提供する商品・サービスは、顧客の期待を裏切っては、市場に存在することはできなく、閉め出されてしまうでしょう。
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顧客の要求を満たすということは、どういうことなのかを、出典は不明ですが、某氏は、次のように話しています。
① 顧客を裏切らない
② 顧客の要求を満たす
③ 顧客に満足を与える
④ 顧客に愛用される商品・サービスを作る
⑤ 顧客が予備品として同じ製品を買う様になる商品・サービスを作る
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◇ 社員満足 ES Employee Satisfaction
「企業は人なり」という名言があります。戦国武将の一人、武田信玄は「城は人なり」と言っています。
企業や団体等におきましては、足元であります従業員・社員という「人」を大切にしなければなりません。灯台もと暗しにならないためには、従業員・社員を大切にする、経営者・管理職の心構えが大切です。
従業員・社員が、給料のためにいやいや働くのではなく、自分の仕事に生きがい・働き甲斐を感じ、幸福感を持てなければならないのです。経営者としては、「雇用の確保」「社員のモチベーション確保」「社員の心身健康の確保」を欠かすことはできません。
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◇ 企業関係者満足 SS Stakeholder Satisfaction
ステークホルダーというのは、上述の顧客や社員だけではありません。社員の家族、取引先、株主が含まれます。
それだけではなく、企業が位置する周辺の地域社会も含まれます。また、自社商品・サービスによって、影響を受ける人達も含めて、満足していただけることが必要です。
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◇ コンプライアンス 法令遵守 Corporation Compliance
自社の商品・サービスや存在そのものが、憲法や法律等を含む社内外のルールに従って活動することも、「社会貢献」という意味合いに含まれると考えられます。
では、ここでいいます「法令」とは何かについて上述の某氏のお話を見て行きましょう。
会社法を含む事業に直結する法律であります「事業法」、「労働法」、「下請法」、「独禁法」、「金融商品取引法」、「環境法」、「事業規制法」、「個人情報保護法」などが、ここに含まれます。
また、たとえ、商品・サービスが社会的な貢献を果たしても、一方で、公害の垂れ流しなどをしていては、せっかくの貢献も台なしです。社員が、残業などを強いられるような企業であってもなりません。
「子供達を、あの会社に勤めさせたい」と人々に言わせるような、高い企業イメージを持った企業でありたいですね。
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構築・再構築された経営理念が、この様な観点でも、問題がないかどうか、充分その要求に応えているかどうかという視点でも検証することができます。
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自社なりの検証方法を編みだして、自信を持って決定していただきたいと思います。
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