日本の傑作コミックを中・韓・日合作で作った映画ですが、予想に反して楽しめました。
ストーリーの背景は中国の戦国時代。
趙と燕の国境にある粱城は、趙によって攻撃されようとしていた。
10万の趙軍に対し、梁城の全住民はわずか4000人。
頼みの綱は墨家の救援部隊だったが、間に合いそうもなく、粱王は降伏を決断する。
墨家の革離(かくり-アンディ・ラウ)がたった1人で駆けつけたのは、その直後だった。
兵に関する全権を粱王から与えられ、早速城を守る準備に取りかかる革離。
趙軍の指揮官・巷淹中(アン・ソンギ)は革離を好敵手と見なし、
やがて激しい攻撃を開始する。
ここまでは「お~っ、壮大ななスペクタル映画か・・」と私は思いました。
しかし、観て行くにつれて何か納得のいかない点が湧いてきました。
それは城攻めでの革離がとった戦略が、 数週間前にNHK大河ドラマの風林火山のシーン
そのままで、主人公の山本勘助が武田信虎率いる武田軍相手に戦う「海ノ口城の攻防」
での戦略やシーンが、まったく同じとは(ノД`)・゜・
脚本を書いたのは日本人ですから、まったく酷似していても不思議はありませんが(笑)
まさかその先はと思いながら見続けましたが・・・でも想像通りでした。
この映画のもととなったコミック本は、台湾でも大変に人気があるとの事ですが、
見どころは知恵を絞った両軍の駆け引きが、壮大なスケールで映し出されて行くところでしょう。
ただ時間が限られている映画ですから、細やかなデティール不足は否めず(´ε`;)、
その不満を解消してくれるのが、アンディ・ラウと私の好きな俳優のアン・ソンギの
存在感溢れる見ごたえのある演技です。
一方、紅一点として活躍をする梁王の近衛隊長・逸悦に扮したファン・ビンビンの
凛とした美しさも印象的でした。
私は彼女の出演作は今回が初めてですが、次回作「長城」ではジェット・リーとの
競演も決まっているそうですから楽しみにしたいと思っています。
なおコミック作ならラストはハッピーエンドとなるのですが、作品の背景はやはり
中国の戦国時代。
「始皇帝暗殺」も逆バージョンに近いものがありますが、韓流映画の次は中国映画か・・
という前触れを予感させる作品でした。私としては★★★★☆でしょうか。