第81回アカデミー賞で外国語映画賞は、日本映画『おくりびと』が受賞しました。
不景気とおかしな政治の板ばさみで、ストレスの溜まり切った日本にとっては、
嬉しいニュース。
アカデミー賞の外国語映画賞には、日本映画も数多くチャレンジしながら、取れ
なかったいきさつがあります。
過去にノミネートされた作品には「影武者」などの時代劇でチャレンジをして、他の
国の厚い壁に阻まれたいきさつがありましたが、今回は日本映画といえば時代劇と
いうイメージを払拭した「地方都市のごくありふれた現代の死生感」をテーマにした
映画であったことが獲得の評価となったのではないでしょうか。
モッくん演技力の高さはすでに実証されていましたが、離婚後の広末涼子は演技の幅が
広がった感じ・・(あくまでも感じです)、また山崎努の渋い演技は秀逸でした。
過去の外国語映画賞で私が見た映画といえば、クロード・ルルーシュ監督の「男と女」。
私が今でも見たい作品は1968年の受賞作となった「戦争と平和」(ソビエト映画)
セルゲイ・ボンダルチュク監督。
私がこの映画を見たのが「札幌松竹座」で、今は飲食店ビルになってしまいました。
私の19歳の古い記憶をたどると、第1部~4部作までの長い映画だったと思うのですが、
我慢強く4作を観ることが出来たのは、ナターシャ役のリュドミラ・サベリーエワ が
余りにも美しく、このような「天使のスター」が外国にはいるんだ・・と脳裏に張り
付いたことだったのかもしれません。
また、この女優さんは、あの有名な映画「ひまわり」にもマーシャ役で出ています。
当時は、全く気が付かなかったのですが、最近「ひまわり」をみてようやく気がつきました。
きっと映画ファンなら、見たことがあると言われるでしょうね。
当時の彼女は23~25歳に撮った映画ですから、今ならすっかりお年を召してしまい
ファンだった男性はがっかりするかもしれませんけど (´ε`;)
「戦争と平和」はオードリー・ヘップバーンでも1956年に映画化されていますが、
戦争場面の迫力は、当時のソビエトが国力を挙げて作られた国策映画ということもあり
迫力はソビエト映画の「戦争と平和」に軍配は上がるでしょう。
(*汗:DVDが出ていました・・でも4枚で12.143円はチョット高い?)
70年代では同じソビエト映画で、世界の黒沢明が監督をした「デルス・ウザーラ」が
75年に獲得しています。
しかし、ソビエト映画ということで日本初の受賞とはなっていません。
日本での評判も黒沢映画の割には良くなかったと記憶しています。
80年代には多くの映画ファンが観たというであろう「ニュー・シネマ・パラダイス」
(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ) が獲りました。
有名な作品ですが、未だ観ていない人はDVDを借りてきて観ることをお勧めします。
90年代で記憶に残っている映画といえば、交通事故によって一人息子を亡くした
シングルマザーが、息子の死の原因となった女優、性転換した売春婦、エイズを
抱えて妊娠した尼僧、女性となった元夫など……様々な人々との関係を通して、
人生への希望を取り戻していく「オール・アバウト・マイ・マザー」(スペイン)が
見事に獲得しました。この作品は99年の受賞作品ですが、とても感動的な作品です。
2000年代に入ると、「名もなきアフリカの地で」や昨年の受賞作「ヒットラーの贋札」
とドイツ映画が受賞していますが、一時の外国映画賞といえばフランス映画という
イメージが強かっただけに、今後のアジア映画も今後大いに世界の映画市場に進出を
していくでしょう。
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