先月の初めまで、九州国立博物館で葛飾北斎展が開催されていました。北斎の画をまとめて見る機会は初めてです。
博物館がある太宰府へ。天満宮の参道は多くの人が行き交っています。門前商店街も、以前ほどではありませんが賑わいを取り戻していました。
波打つような独特のフォルムをした博物館の大屋根。菊竹清訓氏の設計です。コロナ禍のためでしょう、大手ホテルが出店していた博物館前のレストランと館内の喫茶が閉店していました。喫茶室はここへ来るたびに利用していたので寂しくなりました。
3階にある展示室のエントランス。北斎は人気がありますね。よく知られた浮世絵をポストカードから数点紹介します。
富嶽三十六景 「神奈川沖裏」 北斎といえばこの画です。大胆な構図のとり方は私のような素人にも参考になります。
諸国瀧廻り 「下野黒髪山きりふりの滝」 下野国はいまの栃木県です。
「二美人図」 肉筆画は単純化された版画とはまた違う趣きがあります。
富嶽三十六景 「凱風快晴」 凱風はやわらかな南風のこと。俗にいう北斎の赤富士です
「日新除魔図」より。北斎は八十歳を過ぎてから毎朝、魔除けのための獅子図を描きました。ここだけ撮影が許可されていて二百数十点が一挙公開されていました。正月は二日から描き始めています。
久し振りに展覧会に足を運んで充実した時間を過ごしました。浮世絵は西洋の画家に大きな影響を与えてジャポニスムの流れをつくりました。ところで北斎と同時代に活躍した浮世絵師に歌川広重がいます。とはいっても年の差は親子ほども違う三十歳以上あります。北斎が晩年に描き人気を博した富嶽三十六景は彼にも刺激になったでしょう。
数年前に九州芸文館で広重展がありました。「東海道五拾三次」を見ていると、構図のとり方など北斎の影響があるような気がします。2回に分けて紹介していますので、こちらをクリックして下さい。
菖蒲池は見頃にはまだ早かったようです。以前のようにはあちこち出掛けることが少なくなりました。大宰府天満宮も久しぶりです。
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