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知っ得・R5年一級建築士試験「建築法規」問題の要点整理③

2023-10-25 08:17:24 | ビジネス・教育学習
◇R5年(2023年)の一級建築士試験の問題と正答表が公表されています。
◇本ブログでは、R5年の一級建築士試験「建築法規」問題の要点を整理・解説していきます。
◇試験問題を参照したうえで、本ブログの要点整理をご確認いただければと思います。
◇試験問題は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで確認できます。

◇試験問題の検索は、財団H.P.の右欄に「一級建築士」という窓があり、ここをクリックします。
◇一級建築士の欄がでたら、下の方を見ると、「(1)受験をお考えの方」という欄があります。
◇そして、その下の方にある、「(1-6)過去の試験問題等」という欄をクリックします。
◇「学科の試験」という表が出てきますので、それぞれ必要な部分のダウンロードをクリックします。

◇No.6:耐火建築物等の防火規制に関する文章問題の要点整理
 1.正しい。法60条、令136条の2第一号;準防火地域内で延べ面積が1,500㎡を超える設問の建築物は、耐火建築物又は延焼防止建築物が要求されている。なお、階数
  の規定については「地階を除く階数が4以上のもの」としているので、この部分については、規定には当てはまらない。
 2.正しい。令108条の3第2項一号:設問の記述は、耐火建築物の主要構造部に関する耐火検証法の技術的基準である条文内(令108条の3第2項一号)の「Qr」の規定の説
  明記述である(条文参照)。
 3.誤り。法27条1項一号、別表第1(い)欄(ろ)欄(3)項、令115条の3第二号、令110条第一号、同二号:図書館は令115条の3第二号により、別表第1(い)欄、(ろ)欄に該当
  する、耐火建築物等としなければならない特殊建築物であり、令110条に基づく技術的基準により、主要構造部を特定避難時間に基づく準耐火構造(一号)、若しくは耐
  火構造(二号)としなければならないと規定しており、耐火構造に限定していない。すなわち、「耐火建築物としなければならない」という記述は、誤り。
   なお、両技術的基準共に、延焼の恐れのある外壁には防火設備(20分遮炎性能)が要求されている。
 4.正しい。法27条1項一号、別表第1(い)欄(ろ)欄(4)項、令115条の3第三号、令110条第一号:地上3階建ての物品販売業を営む店舗は、耐火建築物としない場合、令
  110条一号に該当する、特定避難時間に基づく準耐火構造(別表第1の耐火建築物等)の建築物とする必要があり、設問の記述は正しい。
 [注意点]  法60条の防火地域等の集団規定における防火規制と、法27条の特殊建築物という用途からくる単体規定における防火規制の混合問題です。法60条の延焼防止
  時間、法27条の特定避難時間の概念の把握を問うていると思います。問題文の「耐火建築物等」と、「等」が記述されていることに注意が必要なのかもしれません。

◇No.7:避難施設の防火規制に関する文章問題の要点整理
 1.正しい。令122条2項:条文通り(条文参照)。
 2.誤り。令121条1項三号かっこ書き:令121条1項三号かっこ書き内で、「かつ」有効なバルコニー等を要求しているが、設問には「設けない」としているので、耐
  火構造として第2項の緩和(100㎡を対象とする)の適用はなく、2方向避難の計画としなければならない。
 3.正しい。令121条4項カッコ書き、同一号、令121条1項四号、同2項:階数が3で延べ面積が200㎡未満の建築物の避難階以外の階を「特定階」と定義しており、令
  121条4項において、間仕切壁、防火設備で区画されている場合には、第1項の規定(2方向避難)を適用しないとしている。
 4.正しい。令129条3項:条文参照。
 [注意点]  避難施設に関する問題は、法121条の2方向避難に関する規定は、これまでも重要事項として出題されています。肢問1と肢問4が、条文参照で理解できると思
  いますので、肢問2と肢問3を吟味することになると思います。ナイトクラブを用途とする建築物(令121条1項三号イに該当)は、かっこ書きの緩和適用には、「かつ」
  という表現で、避難上有効なバルコニー等を要求しているので、設問で設けていないということは、緩和適用外となる。また、肢問3について、「特定階」の定義
  は、令121条4項かっこ書きで定義され、階数3以下で延べ面積200㎡以下の、法27条1項において、緩和対象としている建築物であり、令121条4項において、2方向避
  難の規定緩和対象となる。ということで、令121条(2方向避難)の重要性は理解できると思います。

◇No.8:仮設建築物等に関する文章問題の要点整理
 1.正しい。法85条2項、法35条、法85条3項:法35条において、特殊建築物、及び一定規模以上の建築物への避難施設の規定があるが、法85条2項において、設問の建
  築物の場合には、それらの規定を適用しないとしており、また、工事完了後の手続き規定に関しては、条文通りである(条文参照)。
 2.正しい。法85条6項:適用しない規定に、内装の制限に関する規定(法35条の2)が含まれている。
 3.正しい。法85条1項一号:この規定の適用を受けない建築物は、防火地域内のものであり、準防火地域内のものは、建築基準法令の適用除外に該当する。
 4.誤り。法85条6項、法35条:適用しない規定の中に、排煙設備に関する規定を定義する法35条は含まれていないので、排煙設備に関する規定は適用される。
 [注意点]  法85条の規定について、適用条項であるか否かを、法令集の条文で、見落としのないように、焦らずじっくり参照する必要があるということだと思います。

2023年10月25日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
コメント
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