この小説は、1977年にイランで生を受けた圷歩(あくつあゆむ)
という日本人の、37才までの自叙伝という形をとっている。
内容が濃い。
舞台だけでも、イラン、大阪、エジプト、東京と変遷する。
その中で、「家族」「友情」「恋愛」「信仰」「芸術」
などの主題が複雑に絡まりあって自伝を構成している。
一番大きなテーマは、姉:貴子の言葉
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
ってことかな?
この貴子ってのが、ものすごい問題児!
学校の同級生や家族ともうまくいかず、
中学もまともに出てない。
でも、馬鹿なことでも徹底して貫けば、
道は開けるのか、と感心した。
信じるものか、、、、
ピンとこないな。
58才になったら(QPのこと)もう、手遅れか、、、。
このタイトルの「サラバ」は、
歩の小学生時代の親友:ヤコブとの合言葉で、
「明日も会おう」「元気です」「約束だぞ」
「グッドラック」「ゴッドブレスユー」「俺たちはひとつだ」
といったいろんな意味がある。
まあ、造語に近い。
小学生時代の記述を読んだら、
モーホになるんじゃないか、心配になったおおお。
心が安らいだのは、矢田のおばちゃんの
「すくいぬし」エピソード。
おばちゃんのこころの内がわかるような気がした。
前に書いたかどうか、さっぱり忘れてしまったが、
西加奈子はごつい。
岩みたいな女だと感じる。
こんな作家がいるから、日本の文壇も面白い。
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