キューピーヘアーのたらたら日記

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『サラバ!』 西加奈子

2017-10-26 12:13:10 | 

この小説は、1977年にイランで生を受けた圷歩(あくつあゆむ)

という日本人の、37才までの自叙伝という形をとっている。

内容が濃い。

舞台だけでも、イラン、大阪、エジプト、東京と変遷する。

その中で、「家族」「友情」「恋愛」「信仰」「芸術」

などの主題が複雑に絡まりあって自伝を構成している。

一番大きなテーマは、姉:貴子の言葉

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

ってことかな?

この貴子ってのが、ものすごい問題児!

学校の同級生や家族ともうまくいかず、

中学もまともに出てない。

でも、馬鹿なことでも徹底して貫けば、

道は開けるのか、と感心した。

信じるものか、、、、

ピンとこないな。

58才になったら(QPのこと)もう、手遅れか、、、。



このタイトルの「サラバ」は、

歩の小学生時代の親友:ヤコブとの合言葉で、

「明日も会おう」「元気です」「約束だぞ」

「グッドラック」「ゴッドブレスユー」「俺たちはひとつだ」

といったいろんな意味がある。

まあ、造語に近い。

小学生時代の記述を読んだら、

モーホになるんじゃないか、心配になったおおお。



心が安らいだのは、矢田のおばちゃんの

「すくいぬし」エピソード。

おばちゃんのこころの内がわかるような気がした。



前に書いたかどうか、さっぱり忘れてしまったが、

西加奈子はごつい。

岩みたいな女だと感じる。

こんな作家がいるから、日本の文壇も面白い。

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