キューピーヘアーのたらたら日記

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『文盲』 アゴタ・クリストフ

2008-12-28 16:13:41 | 
33の言語に翻訳された『悪童日記』で有名(?なんだそうな)

なアゴタ・クリストフの実に簡素で素敵な自伝である。

彼女はハンガリーで生まれ育ち、1956年のハンガリー動乱の際に

夫と生後4ヶ月の娘を連れてオーストリア経由でスイスに亡命した。

以後、フランス語圏で生活し、生きるためにフランス語を使うことを余儀なくされる。

当時21才の彼女はフランス語を全く話せなかった。

亡命後には工場での単純労働と育児に忙殺される毎日が待っていた。

そんな彼女の書くことへの執着は凄い。

単純労働をしながら頭の中で詩作し、手が空いたときに自分の引き出しの中に

入れていた紙に鉛筆で書き留める、という日々が続いた。

やがて、彼女の書いた戯曲『ジョンとジョー』(もちろんフランス語)が

アマチュア劇団によって上演され成功を収め、彼女の「キャリア」が始まる。


彼女は本書の中でこう述べている。

「さて、人はどのようにして作家になるかという問いに、わたしはこう答える。

 自分の書いているものへの信念をけっして失うことなく、辛抱強く、

 執拗に書き続けることによってである、と。」


いやー、しっぴつかつどう?を続けるキューピーには実に心強い励ましになりましたねー。

ってか、あんたのブログのどこに「信念」があんねん!?

ってゆわれると返事に窮するキューピーでやんした。


そういぢめないでよ。



彼女は自伝の最後をこう結んでいる。

☆------------☆

 わたしは、自分が永久に、フランス語を母語とする作家が書くようには

フランス語を書くようにならないことを承知している。けれども、

わたしは自分にできる最高をめざして書いていくつもりだ。

 この言語を、わたしは自分で選んだのではない。たまたま、運命により、

成り行きにより、この言語がわたしに課せられたのだ。

 フランス語で書くことを、わたしは引き受けざるを得ない。これは挑戦だと思う。

 そう、ひとりの文盲者の挑戦なのだ。

☆------------☆

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