キューピーヘアーのたらたら日記

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『夢を与える』 綿矢りさ 文藝2006年冬号

2006-12-03 10:13:21 | 
蹴、蹴られた!?背中を思い切り。

そして僕は、どん底の暗闇に突き落とされた。

最悪の結末。

この作品を世に問うた作家綿矢りさの本意はどこにあるのだろうか?


僕は綿矢りさは虚構の中に凝縮された真実を描写したかった

だけなんだと思う。

夕子の宿命は、彼女が真実の愛でもって生まれなかった

因果応報ともいえる。


圧倒的な筆力に感服しきり。

はっきり言って、『インストール』、『蹴りたい背中』を

読んだ限りにおいては、ここまで期待してなかった。

特に夕子の恋が良い。

ベタな言い方だけど、僕も乙女の気持ちになってしまった。

めくるめくトキメキと快感。

女とはこんなにも愉悦的で切なく儚いものなのか。


そして、最後に彼女が全国のファンの夢をもぎ取る

ことをしてしまったことが、とても哀しい。

寒い、うすら寒い。この読後感、、、。

キューピーは感想を述べる語彙を持っていません。


これは、綿矢りさが若手実力派作家としてサナギの殻を脱ぎ捨て、

見事な成虫として羽ばたいた瞬間です。


☆☆☆☆☆☆☆☆


P.S.

ところで、その後の夕子については書けますか?

自分で地獄に突き落としたのだから、

救済の物語を書いてもよいのではないかしらん。

彼女にもささやかな幸せが訪れることを願ってやみません。

臨床心理士によるカウンセリングを受けることから

始めてみたらいかがでしょうか?

期待しています。

いつになってもいいです。

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