残業で遅くに帰って来たくせに夜中まで本を読んでいた。
ある言葉が目に入った。「誰かと自分を比べて奮い立たせるような人は弱い人」
私もそういう部分はあるけれど、ライバル視されているのだと言う感覚の方が嫌だと思う。
昔、小学校からの友人が私に「あんたは私のライバルだと思ってきたよ」と言ってた。私は実際そうは思っていなかった。
相手にならないとかそういう意味じゃなくて、彼女と協力して何かを成し遂げたかったからだった。
彼女は学校でも私生活でも本当によく私に張り合ってきた。
だけど行動パターンが全然違っていたこともあって彼女と競う内容なんて対してなかったような気がする。
私は一緒に協力してやりたいと思う相手には惜しげもなく自分のスキルは伝えるけれど、普段はどうでもいいことしか言わないようにしている。
ブログの中でも自分の知識をひけらかす気もないし、マニアックさなんて引かれてしまうほどの部分もあるけれどそれをあんまり出したいとも思わない。
ただ気の合う友達には逆で、昨日もバンドの久美ちゃんにギリシャ神話と日本神話の相違点だの宇宙の始まりやら素粒子についてだのを仕事の片手間で熱弁していた。
途中、星を見る会に入っているので担当のおじちゃんから電話で「土星はどうするんだい」の会話をしていた。
それを聞いていた久美ちゃんは、一人でにやけながら私を見ていた。
私はこんな小僧っぽい自分が好きだ。
今日、久美ちゃんと仕事の絡みで国際交流の団体に入会することになった。
彼女となら面白いだろう。
今朝、久美ちゃんが「ギリシャ神話の本を貸して」と言った。
「そうか!そうか!とうとうそう来たか!」と私は喜んだ。
私の親戚には星が降ってできた土地の研究をしている大学の教授がいて、私は最近までその人の存在すら知らなかったけど知ったときは凄く嬉しかった。
その土地のことも調べた。
じいちゃんとお父さんの故郷だ。
久美ちゃんのその話をした。
久美ちゃんは自分を私と比べることはしない。だから私も楽だ。ほかの友達もほとんどそういう人しかいない。
こんなマニアな私を広い気持ちで見てくれているんだろう。
昨日読んだその本の一文が異常に気になったってことは、最近そういう気持ちだったからだろう。