私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

“若やる胸を”

2017-11-02 08:06:30 | 日記

 「白い腕」と歌った後、暫らく沈黙の時が。・・・・次なる歌はと、待つ「オホクニ」です。夜明けの清々しい風が頬を撫でながら通り過ぎます。やがて深く息を吸い込むように家の中から花やいだ柔らかな若々しい声が響き来ます。早起鳥はひゅるひゅると可愛らしい声で歌っております。夜がようやく明け初めております。・・・・・すると、又

         “阿和由岐能<アワユキノ>和加夜流<ワカヤル>牟泥<ムネ>遠<ヲ>”

 と。

 「沫雪<アワユキ>の」は、次の「わか」をより引き立たせる為のこの歌に出てくる四番めの枕詞です。
 この「わかやる」柔らかな私の胸をあなたの腕の中へ・・・・と云う意味の歌です。何と艶めかしく書かれた場面でしょうかね。古事記には珍しい描写場面です。誰だって、男ならば、こんな歌を聞いたならば、いわずもがなな気分に陥ることは確かです。

 ここで一寸。昨日書いたのですが、「白き腕」を沼河比売の腕としたのですが。大方の、勿論、宣長もですが、この腕は「オホクニの腕だ」と解釈して、「あなたの白き腕に抱かれたい」としておりますが、私は、この「白き腕」は、比売ご自身の真っ白くて可愛らしい腕を自慢して歌たのでは解釈しておりますがどうでしょうかね????。
 この歌は、敢て云いますが、母親か、それともお付きの人が???比売の可愛らしさをオホクニに伝える重要な場面です。見たこともないオホクニの腕が、どうして白いなどと分かるのでしょうか。分かりませんよね。と云う訳です。

 それにしても色っぽい歌ですね。こんな物語風な場面が至る所に出てくるのも「古事記」の特色のひとつなのですよね?????

 此の次に歌われた歌も、また、これ以上に情熱的と云いましょうか、色ぽい歌になりますが、それはまた・・・・・


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