何のことかお分かりですか???「ひてえ」・・・・・・これは「ひとえ」、そうです。「一重」、即ち、一回りしたと言う意味の吉備地方の方言です。正月から丁度一回りした(太陰暦)今年2度目の正月に当たる日なのです。たった一日だけの正月気分を、再び、味わう為に特別に作り上げた休日なのだと、私が幼少の時に祖母から聞いていました。
しかし、最近、矢部善三著「年中事物考]という本(昭和6年)に、この2月1日の正月について、次のように書いているのにつきあたり、
「なんだ、あの物知り婆さん、ちごおとることを おしえてくれたなー」
と。もう70年も前のしわくちゃまみれの祖母の顔を思い出させてくれました。
その本に載っている記事は
「一日正月<ヒトヒショウガツ>は・・・・・・便宜上1月遅れの2月1日を以って正月の祝儀に用ゆる向とある。・・・・」
と。私が、昔からそうだと思い込んでいた「ひてえ」は、「一重」<ヒテエ>ではなく、「一日」<ヒトヒ>だったのだと言うことを知りました。
なお、江戸末期に出た「山井四季之詞」には、この「ひていしょうがつ」については何も説明がありません。ということは、此の言葉が出来たのは、多分、明治になってからではないかと思われますが???????
この今では誰もが思いもしないような古い年中行事を思い出して、「そんなに古いことばかりを・・・・・・」と、ひややかな薄笑いを受けながらお雑煮をほろ苦くいただき、わたしの「ひてえしょうがつ」を密かに祝いました。どうお思いでしょうか???
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