夏という事で友達4人で花火をしていた。タカシとカオルとユリだ。それぞれ就職で遠くに行っていたが、夏休みという事で仲がいい友達が集まったのだ。
私はユリの事が中学の頃からずっと好きだった。こうやってタカシが集めてくれたので私はとてもうれしかった。
それぞれ持ってくる物の担当が決まっていた。
タカシとカオルが花火を買って来て、ユリが線香とマッチで私が火を消すバケツを持って来るという事だった。
夜の8時に家の近所の空き地に集合という事で、私が行く頃にはみんな揃っていた。
「遅かったな。」タカシが花火の準備をして、袋を開けていた。カオルも真似をして一緒に開けていた。
「だけど8時までには間に合っただろ。」私が言った。
「そりゃそうだけど。」みんな笑った。久しぶりに逢ったのでこんな会話が楽しかった。私はチラッとユリの浴衣姿に見とれていた。水玉模様が所々に入っていて髪を一つに結んでいた。水玉が何個あるのだろうかと疑問がよぎったが、素敵な容姿を見ているとどうでもよくなっていた。
はじめは、タカシが手に持ってロケット花火を投げていた。女性は、「キャー危ない。」と叫んで逃げていたが、お構いなしだった。
私は空き地の入り口の所で普通の花火を手に持ってしていた。パチパチと光が妖艶に輝いていた。花火の光で隣にいたユリの顔が見えた。
花火の淡い光の中で見るユリの横顔は、言葉に出来ないくらいに美しかった。私はもう一度見たくてまた花火に火を点けた。
もう一度ユリの顔が見えた。
「私もする。」カオルがロケット花火に飽きたのか。私の所に花火を一つ持って来て、お互い花火同士で火を点け合うとパチパチと勢いよく燃え盛った。
「わー綺麗。」ユリが叫んだ。私はユリの方が綺麗だよとクサイ台詞が頭に浮かんだが飲み込んだ。
「次これをしようぜ。」タカシが大きな打ち上げ花火を取り出して火を点けた。ポンという音と共に空に5回打ち上がった。見かけとは違いちっぽけな花火に笑っていた。
カオルも負けまいと次から次に花火を打ち上げていた。二人で花火師にでもなればいいのにと思った。
二人が打ち上げている時、座り込んでユリと二人で線香花火をしていた。
チリチリと赤い火の玉が長い紐からぶら下っている。いつ落ちるのか。ハラハラしながら見ていた。
ユリの横顔を見ていると、この線香花火が落ちる頃にはこの恋も終わってしまうのだろうかと思った。浴衣姿のユリは大きな目を開いてジッと線香花火を見ていた。私はそんなユリの一生懸命な姿に少し笑った。
「何で笑っているの?」ユリが静かに聞いたが、私は「花火が綺麗だね」と誤魔化して答えた。
このまま永遠に夏が続けばいいとさえ思った。
今度は、みんなでいつ逢えるのだろうか。その時は誰かが結婚しているかもしれないし、子供がいるかもしれない。そんな事を考えながら、持ってきたバケツの中に花火の燃えカスを集めていた。
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私はユリの事が中学の頃からずっと好きだった。こうやってタカシが集めてくれたので私はとてもうれしかった。
それぞれ持ってくる物の担当が決まっていた。
タカシとカオルが花火を買って来て、ユリが線香とマッチで私が火を消すバケツを持って来るという事だった。
夜の8時に家の近所の空き地に集合という事で、私が行く頃にはみんな揃っていた。
「遅かったな。」タカシが花火の準備をして、袋を開けていた。カオルも真似をして一緒に開けていた。
「だけど8時までには間に合っただろ。」私が言った。
「そりゃそうだけど。」みんな笑った。久しぶりに逢ったのでこんな会話が楽しかった。私はチラッとユリの浴衣姿に見とれていた。水玉模様が所々に入っていて髪を一つに結んでいた。水玉が何個あるのだろうかと疑問がよぎったが、素敵な容姿を見ているとどうでもよくなっていた。
はじめは、タカシが手に持ってロケット花火を投げていた。女性は、「キャー危ない。」と叫んで逃げていたが、お構いなしだった。
私は空き地の入り口の所で普通の花火を手に持ってしていた。パチパチと光が妖艶に輝いていた。花火の光で隣にいたユリの顔が見えた。
花火の淡い光の中で見るユリの横顔は、言葉に出来ないくらいに美しかった。私はもう一度見たくてまた花火に火を点けた。
もう一度ユリの顔が見えた。
「私もする。」カオルがロケット花火に飽きたのか。私の所に花火を一つ持って来て、お互い花火同士で火を点け合うとパチパチと勢いよく燃え盛った。
「わー綺麗。」ユリが叫んだ。私はユリの方が綺麗だよとクサイ台詞が頭に浮かんだが飲み込んだ。
「次これをしようぜ。」タカシが大きな打ち上げ花火を取り出して火を点けた。ポンという音と共に空に5回打ち上がった。見かけとは違いちっぽけな花火に笑っていた。
カオルも負けまいと次から次に花火を打ち上げていた。二人で花火師にでもなればいいのにと思った。
二人が打ち上げている時、座り込んでユリと二人で線香花火をしていた。
チリチリと赤い火の玉が長い紐からぶら下っている。いつ落ちるのか。ハラハラしながら見ていた。
ユリの横顔を見ていると、この線香花火が落ちる頃にはこの恋も終わってしまうのだろうかと思った。浴衣姿のユリは大きな目を開いてジッと線香花火を見ていた。私はそんなユリの一生懸命な姿に少し笑った。
「何で笑っているの?」ユリが静かに聞いたが、私は「花火が綺麗だね」と誤魔化して答えた。
このまま永遠に夏が続けばいいとさえ思った。
今度は、みんなでいつ逢えるのだろうか。その時は誰かが結婚しているかもしれないし、子供がいるかもしれない。そんな事を考えながら、持ってきたバケツの中に花火の燃えカスを集めていた。
キーボーさんの創作は不滅ですね。
しかしなんでさっさとコクハクせんかねー。。。と、
せっかちなオバサンはいつも思うのですが。。。
あ、ワカモノには充分時間があるからかな???・・年寄りと違って・・・って、決してヒガミではありませんから。。。
女の人の浴衣の水玉ずっと気になるんですよね。私だけかな(笑)
確かに、好きになったらなんで早く告白しないんでしょうね。
あれだこれだと言って考えてしまう。
よくないことですね。
だけど、そこには若いというだけでなく、奥が深い何かが隠されているのかもしれません。
一番好きな人にスキって言いたいけど、難しい所です。
二文字なんですが、何億文字と重なって見えるかもしれません。
私は好きという言葉を大事にしていきたいのです。