日差しが落ち着き、涼しい風が木の葉を揺らした。
空中でダンスをしている木の葉を見ていると切なさが胸を掠めていった。
瞳は高校生で、剣道部の先輩に恋をしていた。
内気な性格で今でも告白は出来ないままだった。
先輩が目の前を通り過ぎる度に心がピンボールみたいにはじけていた。
そんな学校の帰り、おばぁさんが大きな荷物を持ってキョロキョロと見回していた。瞳の姿を見ると家を訪ねてきた。
瞳は知っている家だったので、荷物を持ってあげ、一緒に行く事にした。
トボトボと向かっている途中、話すこともあまりなくて、剣道部の先輩の事をひたすら話していた。
「先輩の事好きなんですけど、どうしたらいいか分からないんです。」
「瞳ちゃんは恋をしているんだねぇ。私も若い時なんかたくさん恋をしたもんだ。男なんてとっかえひっかえしてたぁよ。」おばぁさんが入れ歯をむき出しにして笑った。その姿が腹話術の人形みたいで瞳も思わず笑っていた。
「そうですか。告白してみます。人生一度きりだし。」
「がんばりな。瞳ちゃんなら大丈夫だぁ。」おばぁさんは、優しい目で澄んだ秋の空を見ていた。
おばぁさんから言われると元気が出て、告白出来そうな気がしていた。
次の日。
剣道部のキャプテンを体育館の裏に呼び出して、告白をした。
「好きです。付き合ってくれませんか。」恥ずかしくて、顔を見れなかった。
「別にいいけど。いきなりだったから、びっくりしたよ。」と先輩の顔を見たら、濃い眉毛がへの字に曲がっていた。
うれしくて小さなガッツポーズをした。
雲ひとつない空に心がポッカリ浮かんでいるような感じがしていた。
うまくいった事を昨日のおばぁさんに言いたくて家を訪ねて行った。
そしたら、家の前で大きな荷物を抱えた白髪のおじぃさんがいて、おばぁさんが後から出てきた。
どこかに出かける様子だった。
瞳の姿に気がつくとしわくちゃな小さな手でピースサインを出した。
瞳も同じくピースサインを返した。
二人の姿を見ていると、秋桜を見ているようなそんな気持ちになった。
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空中でダンスをしている木の葉を見ていると切なさが胸を掠めていった。
瞳は高校生で、剣道部の先輩に恋をしていた。
内気な性格で今でも告白は出来ないままだった。
先輩が目の前を通り過ぎる度に心がピンボールみたいにはじけていた。
そんな学校の帰り、おばぁさんが大きな荷物を持ってキョロキョロと見回していた。瞳の姿を見ると家を訪ねてきた。
瞳は知っている家だったので、荷物を持ってあげ、一緒に行く事にした。
トボトボと向かっている途中、話すこともあまりなくて、剣道部の先輩の事をひたすら話していた。
「先輩の事好きなんですけど、どうしたらいいか分からないんです。」
「瞳ちゃんは恋をしているんだねぇ。私も若い時なんかたくさん恋をしたもんだ。男なんてとっかえひっかえしてたぁよ。」おばぁさんが入れ歯をむき出しにして笑った。その姿が腹話術の人形みたいで瞳も思わず笑っていた。
「そうですか。告白してみます。人生一度きりだし。」
「がんばりな。瞳ちゃんなら大丈夫だぁ。」おばぁさんは、優しい目で澄んだ秋の空を見ていた。
おばぁさんから言われると元気が出て、告白出来そうな気がしていた。
次の日。
剣道部のキャプテンを体育館の裏に呼び出して、告白をした。
「好きです。付き合ってくれませんか。」恥ずかしくて、顔を見れなかった。
「別にいいけど。いきなりだったから、びっくりしたよ。」と先輩の顔を見たら、濃い眉毛がへの字に曲がっていた。
うれしくて小さなガッツポーズをした。
雲ひとつない空に心がポッカリ浮かんでいるような感じがしていた。
うまくいった事を昨日のおばぁさんに言いたくて家を訪ねて行った。
そしたら、家の前で大きな荷物を抱えた白髪のおじぃさんがいて、おばぁさんが後から出てきた。
どこかに出かける様子だった。
瞳の姿に気がつくとしわくちゃな小さな手でピースサインを出した。
瞳も同じくピースサインを返した。
二人の姿を見ていると、秋桜を見ているようなそんな気持ちになった。
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