順子は、お金がなかった。
ホストのケンジに時計や洋服、高級車を買ってあげたのが間違いだった。金融会社から500万円ほど借金をしていた。
利子が利子を産んで気づいたらあっと言う間に500万円になった。一日一日利息に追われる日々だ。
この多額の借金をどうしろというの。
季節は温かい春だというのに、財布の中は氷河期だった。
そんなある日、知り合いのBARで飲んでいた時に黒服の男と出会った。
黒の帽子に黒のネクタイ、黒のスーツに身を包んでいた。どこからどう見ても怪しい男だ。
私は一人でBARのカウンターで飲んでいた。マスターにケンジの愚痴を散々言っていたのだ。その男は足音も立てずに近寄ってきて静かに呟いた。
「この美しい人に最高のものを。」見た感じ怪しかったが、渋い声と妖艶な感じに興味を抱いた。美しいと言われて私は久しぶりに誉められたような気がした。
「ありがとう。」と私がいうと不敵な笑みを浮かべて、商売の話しを持ちかけて来た。
美人局(つつもたせ)を商売にしている会社の話しだった。話しを聞くと、私が言い寄り、男を騙して金を巻き上げるというシンプルなシステムだった。
お金を巻き上げるのは黒服の男のグループだそうだ。私は、知らない男をその気にさせればいいという事だ。それだけで借金の500万円を返してくれるという事だった。私はその話しにしがみついた。
ケンジに取られた500万円知らない男から取るのも悪くない。
男なんてウンザリしていたから調度いい。
私は、顔と体には結構自信がある。高校生の頃から違う男から何度も告白された事があるし、街を歩くと男からの目線を感じる。
スタイルも食べ物には気をつけ、20代前半の体型を維持している。
私が「やらせてくれる?」と聞くと、黒服の男はスコッチが入ったグラスを不気味に一口飲むと静かに言った。
「金を巻き上げるのが目的だ。」サングラスの奥の目が鋭いという事は分かった。けして優しい目ではなかった。豹が獲物を見つけたような目つきだった。
私の性格を全て見透かされているような気持ちだった。この男に嘘は通じない。
頭が悪い私にはこの商売しか思いつかない。こうなったら、体を張って意地でも借金を返してやると思った。
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ホストのケンジに時計や洋服、高級車を買ってあげたのが間違いだった。金融会社から500万円ほど借金をしていた。
利子が利子を産んで気づいたらあっと言う間に500万円になった。一日一日利息に追われる日々だ。
この多額の借金をどうしろというの。
季節は温かい春だというのに、財布の中は氷河期だった。
そんなある日、知り合いのBARで飲んでいた時に黒服の男と出会った。
黒の帽子に黒のネクタイ、黒のスーツに身を包んでいた。どこからどう見ても怪しい男だ。
私は一人でBARのカウンターで飲んでいた。マスターにケンジの愚痴を散々言っていたのだ。その男は足音も立てずに近寄ってきて静かに呟いた。
「この美しい人に最高のものを。」見た感じ怪しかったが、渋い声と妖艶な感じに興味を抱いた。美しいと言われて私は久しぶりに誉められたような気がした。
「ありがとう。」と私がいうと不敵な笑みを浮かべて、商売の話しを持ちかけて来た。
美人局(つつもたせ)を商売にしている会社の話しだった。話しを聞くと、私が言い寄り、男を騙して金を巻き上げるというシンプルなシステムだった。
お金を巻き上げるのは黒服の男のグループだそうだ。私は、知らない男をその気にさせればいいという事だ。それだけで借金の500万円を返してくれるという事だった。私はその話しにしがみついた。
ケンジに取られた500万円知らない男から取るのも悪くない。
男なんてウンザリしていたから調度いい。
私は、顔と体には結構自信がある。高校生の頃から違う男から何度も告白された事があるし、街を歩くと男からの目線を感じる。
スタイルも食べ物には気をつけ、20代前半の体型を維持している。
私が「やらせてくれる?」と聞くと、黒服の男はスコッチが入ったグラスを不気味に一口飲むと静かに言った。
「金を巻き上げるのが目的だ。」サングラスの奥の目が鋭いという事は分かった。けして優しい目ではなかった。豹が獲物を見つけたような目つきだった。
私の性格を全て見透かされているような気持ちだった。この男に嘘は通じない。
頭が悪い私にはこの商売しか思いつかない。こうなったら、体を張って意地でも借金を返してやると思った。
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