
積極的な弁明で危機を克服しなさい
職場生活をすると失敗する時もあり、自分のせいで業務に支障をきたすこともある。こんな時上司から嫌なことを言われるのは当然なことだ。
このような間違いがあったならば、指摘されたことが当然だと思いながらも何か弁明をしたいのが人の心だ。
朝寝坊をして遅刻してもおいても、バスが故障したとか電車が遅れたとかという言い訳をして、仕事を上手く処理しなかった小言を聞けば、忙しくてそうだったと逆にかんしゃくを起こす場合もある。
しかしこれはいずれにしても自分の失敗を言葉で取り繕おうとする意図からでてくる弁明としてしか伝わらない。また、そうすればするほど、無責任な人としての烙印を押され職場での信用を失わせる危険があるということを覚えておきなさい。
部下が起案書類を定時に提出しなくて怒った部長がその理由を問いただした。
「他のことが忙しくてできませんでした。」
「ならば、いつまでにできるんだ。」
「明日の午前までには提出します。」
しっかりと答えた部下。しかし、次の日の午前にも彼は書類を提出できなかった。部長の追求があるのは明らかだ。
「君、その書類をいったいいつ作成するのだ。」
こんな時はいくら急ぎの事情があったとしても弁明の余地がない。書類を作成できなかった理由があったならば、部長の追求がある前に前もって報告しておくのが正しい。そういうこともしないで部長に呼ばれるまでのんびりと他の事をしていたとしたら、それはまさに上司の指示を無視した結果と言うことになる。
理由は何でも、この状況では無条件、自分の失敗を認めて上司の了解を求めるのが賢明な態度だ。
「申し訳ありません。資料が集まるのが遅くなって午前中に終わらせることができずにいたのですが、部長が外出すると言うので時間がもう少しあるように思いました。」
このように言えば、最小限上司の指示を念頭においていたと、またそれをするために自分なりに努力していたと言う事実が立証されるので、上司の悪い気分をいくらかは解消させることができる。
前後の事情をはっきりと伝えることは上司に対する誠意の表れでもある。どうせ誤解されるのだから弁明のようなものはしたくもないから、勝手に判断しろと言う自暴自棄な態度は自分のためにも相手のためにも正しくない方法だ。
「君は、いったい私の話を何だと思っているのだ。」
部下に無視されたと言う思いで怒っている上司が怒鳴っても、「いつかは私の真心をわかってくれるだろう。」と言う純粋な期待や、どうせ仕事がダメになった以上弁明をしても自分だけが苦しくなると言う、一種の諦めで、なるようになれと言うような傍観的な立場をとったならば永遠な醜いアヒルの子の身の上になるしかない。
もちろん、中身のない弁明を並べる人も問題はあるが、弁明が必要な状況でも無条件口を閉じていることは愚かなことだ。
積極的な弁明は職場生活においてプラスになる場合が多いということを覚えておきなさい。ただ、その弁明は自分のためのものではなく相手の悪い気分をほぐすものでなければならない。
仕事が上手くいかなかったならば状況をちゃんと説明してみると、自分のせいで気分が悪くなった上司の体面も立ち、同時に自分自身の立場も少しよくなることもある。
話をしなくても他人が自分をわかってくれる期待は早めに捨てなさい。それによって混乱した状況であるほど積極的に弁明すること。
積極的な弁明には3つの原則がある。
一つ目、弁明のタイミングをよく把握しなさい。
前に例をあげたように本意ではなく仕事が遅れたということで上司の指示を身視した結果になった時は無条件、早く弁明をするのが上策だ。
2つ目、弁明をするとしたら、正確に簡潔にしなさい。
「、、、だけど」「、、、したが」「、、、ですが」などの表現を使いながら保身のためにあくせくした弁明はむしろ相手を不快にさせる。
3つ目、弁明をしなければならないといって絶対に恐れるな。
自分が弁明をすることは自分のせいで気分が悪くした相手を慰めるためであり、決して自分が卑屈になるためではないと思いなさい。あなたは弁明を通して状況を打開しているのであり、適当な言い訳や言いつくろいながら、状況を避けようとしているのではないのではないか
※ 弁明は積極的で簡潔にしなさい。
積極的な弁明とは自分自身を守ることよりは
相手の権威を立ててやる弁明を意味する。
この時の弁明は謝罪の意味で解釈することもできる。