
相手に配慮しながら批評しなさい
どんなに近い仲だとしても忠告とか助言する時は格別な注意が必要だ。こういう類の言葉にはどうしても批判的な要素が含まれていて、相手の感情を傷つけることもあるからだ。
いい意味で言ってあげる言葉もややもすると相手の弱点を攻撃する結果になって敵対感を持たせる場合がある。
「君は、とてもいいのだが、はっきりしないところが玉に疵だ。それは、心根がいいからだということはわかるんだが。」
「君のように優柔不断だと大きな事はできない。人は、はっきりしていれば他人に被害も与えないものだ。」
上は、同じ忠告だといっても、結果が全く違う例としてあげたものだ。
一つ目の忠告は聞く人の立場を配慮した気持ちのある表現だが、二つ目ははじめから相手を非難するための表現として受け取られることもある。
「それで、私が誰かに被害でもを与えたと言うのか。」
まず、来た言葉が美しくないので、行く言葉もよいはずがない。
あちら側が自分を認めてくれないのに、自分がその人を好きになるのは一般的に男女関係の片思いでならば可能だ。
人を認めないで、その人が自分に好感を持つことを期待することは無理な欲望だ。そして、人を認める心を持った人は、相手の人格を尊重してやる範囲の中から忠告や助言をすることを知っている人だ。
「君らしくないな。こんな失敗をするとは信じられない。最近すごく疲れているようだが。」
業務上の間違いを犯した同僚とか部下に、この程度の叱責は愛のこもったちくりと痛い鞭として受け取られる。
忠告とか助言も同じだが、批評をするとか責任を追及する時も必ず慰めの言葉と共にすることを忘れるな。それが対人関係で必要のない敵を作らない方法だ。
最悪の批判は、公の場ですることだ。最善の批判は二人だけの隠れたところで暖かい慰めの言葉と共に説得することだ。こんな忠告は相手を発展的に導くと同時にあなたのイメージをよくする重要な要素になると言う事実を合わせて覚えておきなさい。
相手を配慮しながら批判する9つの技術
1. 心から湧き上がる賞賛と感謝の言葉からはじめなさい。
2. 人の間違いに対して注意を喚起する時は間接的にしなさい。
3. 人を非難する前に自分の間違いを話しなさい。
4. 命令する前に質問をしなさい。
5. 相手の体面を保ってやりなさい。
6. たとえ小さなことでも惜しみなく賞賛しなさい。
7. 相手に大きな期待をかけてやって、その期待に答えるように
努力するようにさせなさい。
8. 自分の努力に対して自信感を持つように励ましなさい。
9. こちら側の希望に自発的に協力するようにしなさい。