ネット配信で話題になっていた海外ドラマ
「チェルノブイリ」を見た
地球史上最大の原発事故であるチェルノブイリ原発事故を描いたミニドラマ
久々に見入りましたね
冒頭の爆発シーンも派手にスペクタクルな描写でなく、一般家庭の窓越しから遠くで音も無く炎が舞い上がり、数秒遅れて爆風で家がドーンと揺れると言うリアリティな描写で描かれるのが印象的です
右往左往する原発職員達、所長ら上層部の偉いさん達は部下に責任転換や隠蔽を支持する
第一話からこれは人災である事が伺えます
無茶な命令で被爆し命を落としていく最前戦の作業員達…パニック映画なんかでありそうな愛と勇気で戦うヒーローも出ないし、人間ドラマ的な群像劇もありません
ただ事故の対応に追われ死んでいく現場の作業員と事故処理に当たったエネルギー責任者の官僚と原発学者達の決死のドラマでありました
最初は政府側として楽観視していたエネルギー責任者の官僚が原子専門家の解説を受けながら事故現場を目の当たりにし、徐々に事の重大さを感じていく姿はドラマとして見応えあります
さらに政府も事故を他国だけでなく、地元住民や消防士にさえにも事実は知らせない
自国で開発した原発に事故など有り得ないとされる当時のソビエトの体質が見えてきますね
住民達が原発が爆発した時に起きる青白い光をまるで花火のように見てたり、舞い落ちる死の灰を雪が降ってるとばかりに子供は喜ぶ
後に恐ろしい結果が待ってる事も知らずに…そんな姿が結果がわかってるだけに悲しい
後半は時間が達、真相究明のため委員会が関係者に聞き取り調査していく姿が描かれるが、現場で戦った作業員は真実を訴え、上層部は人に責任を押し付け、国家も欠陥を認めたがらない…そこにKGBが絡んできて担当の原子力の専門家を脅すと言うグチャグチャな状態をほとんど実名で描かれる
素人の我々が見てもこの事故の恐ろしさをわかりやすく見せてくれる
特に高濃度の放射線を浴びた職員や消防士達の姿は壮絶で、皮膚が剥がれ落ち、顔さえ無くなっていくまさに身体が溶けるような姿は改めて原発事故の恐怖を見せつけてくれる
原子力発電の一歩間違えたら破滅になる危うさを感じさせてくれる見応えあるドラマでした
東海村の事故や福島の原発事故を経験した日本人には特に衝撃的ですね
因みに原子力科学者レガノフを演じた主演のジャレット・ハリスはあのリチャード・ハリスの息子さん
さすが上手いですねー